派遣会社に登録したからといって、必ずしもすぐに派遣先が見つかるとは限りません。中には派遣先がなかなか決まらず、収入を得られないことに焦りを感じてしまう方もいます。派遣先がすぐに決まる方となかなか決まらない方には、どのような違いがあるのでしょうか。
今回のコラムでは、派遣の仕事がなかなか決まらない場合に考えられる原因を詳しく解説します。派遣先が決まらないケースにおいて取るべき改善策についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
派遣の仕事がなかなか決まらないのはなぜ?
派遣の仕事がなかなか決まらないケースでは、主に以下のような原因が考えられます。
- 希望条件が多い
- 条件を満たしたスキルを持っていない
- 複数の企業に応募していない
- 希望条件と派遣会社の得意分野が合っていない
- 派遣会社の担当者と良好な関係を築けていない
- 顔合わせや面接の対策を怠っている
- 問題がある派遣会社に登録している
希望条件が多い
派遣の仕事がなかなか決まらない要因の1つとして、求めている条件が高すぎる、あるいは多すぎることが挙げられます。
派遣の仕事を検討する際には、業種や勤務地、勤務開始日といった様々な条件から派遣先を絞り込むことが一般的です。希望条件が多ければ多いほど、それらをすべて満たす求人の数は限られてしまいます。
- 残業が少ない
- 時給が高い
- 交通費全額支給
さらに、上記のような好条件にこだわると、多くの方がこぞって応募するような求人しか残らなくなる可能性が高いです。競争率の高い企業ばかりにエントリーしていると、派遣先をスムーズに決めることは難しくなるでしょう。
条件を満たしたスキルを持っていない
派遣先企業は、一定レベルのスキルや経験を有していることを採用の条件として設けていることが一般的です。派遣会社には、派遣先企業が求める人材に近いスタッフを紹介することが求められます。
希望している職種や業界に必要なスキルを有していないと、派遣先から採用を見送られる、派遣会社から仕事を紹介してもらえないといったことが起こり得ます。
そういった場合は、自分が有しているスキルと求められる能力とのミスマッチを解消するため、スキルを身に付けたり資格を取得したりすると良いです。
現状のスキルや経験で採用してもらえる企業を探したいと考えている方は、派遣会社が求職者の能力を図るために実施するスキルチェックを受けてみることをおすすめします。自分の能力を派遣会社と共有し、自身のスキルにマッチした仕事を紹介してもらうことが可能です。
複数の企業に応募していない
応募先を1社に絞るとその企業への就職活動に集中できますが、だからといって確実に採用してもらえるとは言い切れません。1社ずつ応募するよりも、同時に複数企業にエントリーした方が効率良く就職活動を進められ、仕事が早く決まる可能性が高まります。
派遣での就職活動の経験が少ない方は特に、同時進行で他の会社にエントリーして良いのか迷ってしまうかもしれません。しかし、複数の派遣先企業に同時に応募することは珍しいことではありません。
応募するスケジュールをしっかりと管理し、派遣会社や派遣先企業に断りを入れる場合のマナーを心得た上で、複数の派遣先に応募してみてください。
希望職種と派遣会社の得意分野が合っていない
派遣社員を必要としている業界や職種は非常に多岐に渡ります。それらを紹介する派遣会社も、幅広く膨大な数の求人を扱う大手から特定の業界や年齢層、地域に力を入れているところまで様々です。以下のように、特定の業界に特化した派遣会社も多く存在します。
- 語学力が必要な職種に強い外資系の派遣会社
- 医療系の職種に特化した派遣会社
- エンジニア・プログラマーなど専門知識が必要な職種に強い派遣会社
業界ならではの事情に精通していたり、業界の経験者が在籍している派遣会社も少なくありません。希望する職種にマッチした派遣会社に登録した方が、条件の良い求人を紹介してもらえたり、採用に繋がるアドバイスをもらえたりする可能性が高くなります。
登録している派遣会社の特徴を把握して、自分が希望する職種との相性を今一度検討してみても良いかもしれません。
派遣会社の担当者と良好な関係を築けていない
派遣の仕事を決める上で、求人を紹介してくれる派遣会社と求職者の関係性は非常に重要です。派遣会社の担当者との関係が良好でない場合、好条件の求人を積極的に紹介してもらえない可能性があるためです。
派遣会社からの印象が悪いと、派遣先企業に紹介できない人材だとみなされてしまうことも考えられます。
- 以前の仕事が長く続いていない
- 派遣として働く前のブランクが長い
- 身だしなみに清潔感がない
- 言葉遣いや言動に問題がある
- 時間を守らない
- 報告・連絡・相談がスムーズでない
上記に当てはまる場合は、行動を改めて信頼回復に努めたり、希望条件をある程度妥協したりすることが望ましいです。信頼の回復が難しいのであれば、担当の変更を依頼したり派遣会社を変えたりするのも1つの手だと言えます。
顔合わせ・職場見学の対策を怠っている
エントリ―した企業との職場見学や顔合わせの日程は決まるものの、対策を怠ってしまい採用に至らないケースも少なくありません。
派遣の就職活動では、顔合わせを終えたら「ほぼ採用」と考えて良い場合が多いです。ただし、100%採用が確定しているわけではありません。
競争率の高い求人であれば、顔合わせや職場見学も選考の対象となるケースもあります。事前に対策してから臨むことで担当者に好印象を与えることができ、仕事が決まる確率を高められるでしょう。
派遣の就職活動における職場見学や顔合わせの対策については、下記の記事で詳しく紹介しています。興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
問題のある派遣会社に登録している
求職者ではなく、派遣会社に問題があるケースも考えられます。派遣会社の中には、条件の良い架空の求人、いわゆる「釣り広告」を設けたり、個人情報を集めるためだけにむやみに求職者を登録させるところも少なくありません。
- 担当者との連絡が滞る傾向にある
- 希望条件に合わない仕事を勧められる
- 社会保険の手続きをしてもらえない
上記に当てはまる場合、問題を抱えている「ブラック派遣会社」である可能性があります。担当者の変更を依頼したり、派遣会社を変えたりと早急に対応することをおすすめします。
派遣の仕事が決まらない時に取るべき改善策
派遣の仕事がなかなか決まらない場合は、以下のような改善策を実施してみることをおすすめします。
- 派遣会社を変える・複数登録する
- 派遣会社に登録している情報を見直す
- 自分でも求人を探す
- 担当者と密にやり取りする
派遣会社を変える・複数登録する
先述の通り、派遣会社の特徴は多岐に渡り、幅広く膨大な数の求人を扱う大手から、特定の業界や年齢層、地域に力を入れているところまで様々です。
どの派遣会社に登録するかによって、仕事の決まりやすさは変わってくるでしょう。登録する派遣会社を変える、複数の派遣会社に登録するなど、希望する職種や業界と派遣会社とのミスマッチを解消することで採用に近づけるかもしれません。
派遣会社に登録している情報を見直す
派遣会社に登録する際には、入力フォームに以下のような情報を記載しなければなりません。
- 保険加入の有無
- 学歴
- 保有資格・スキル・経験
- 職歴
- 希望条件(職種・勤務地・時給など)
派遣会社の担当者は、これらの情報を元に紹介する求人を検討します。登録したばかりの頃に入力した内容によっては、経験やスキル、アピールしたいポイントが十分伝わっておらず、好条件の求人を紹介してもらう機会を失っているかもしれません。
情報を登録した当初から新たにスキルや経験を身に付けており、アップデートが必要な場合もあるでしょう。登録している情報を見直し、必要に応じて派遣会社に連絡して情報を更新すると良いです。
自分でも求人を探す
派遣会社が求人を紹介してくれるのを待つだけでなく、自分でも求人情報を探すことで、採用に繋がる機会を増やせます。
自ら求人情報を吟味すれば、志望している業界や職種における時給の相場や必要なスキル、資格について詳しく把握することが可能です。不足しているスキルを身に付ける、給与面の条件を再度検討するといった、採用に近づくための対策を練ることができるでしょう。
担当者と密にやり取りする
担当者と連絡をとる頻度を増やすと、就業意欲の高い人物だという印象を与えることができます。さらに、以下のようにこまめに情報を共有できるため、担当者と協力して採用を目指すことができるでしょう。
- 求人の動向について情報を入手する
- 不採用になった際の原因を一緒に考えて対策を練る
- 自身が新たに身に付けたスキルについて共有する
担当者との信頼関係を築いておけば、有力な情報を入手した際に、「この求職者に知らせてあげよう」と思い出してもらえる可能性が高くなります。好条件の求人に関する情報や業界の動きを優先的に知らせてもらえるかもしれません。
焦らず現状を見直して派遣の仕事を決めよう
派遣先がなかなか決まらないケースでは、様々な要因が考えられます。中でも、求職者が希望する条件とスキル、派遣会社の得意分野に相違があることが原因である場合は、ご紹介した改善策を実施することで採用へ近づける可能性が高いです。
自身のスキルや経験を踏まえて、派遣会社の担当者との相性や、今希望している条件が本当に譲れないものであるかどうかについて今一度見直してみてはいかがでしょうか。