派遣社員として働いていると、配属先の部署が合わなくて部署を異動したいと感じる方もいるのではないでしょうか。

結論として、派遣社員の部署異動は、労働者派遣法第39条により原則禁止されています。ただし、派遣社員本人・派遣元企業・派遣先企業の三者合意があれば、異動は可能です。また、異動を打診されても、派遣社員には断る権利があります。

今回のコラムでは、派遣社員の部署異動について、条件や注意点などを詳しく解説します。

部署を異動したいと考えている、または部署異動の話を持ちかけられている派遣社員の方は、ぜひ最後までご覧ください。

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派遣社員でも部署異動は可能?

結論から申し上げると、派遣社員の部署異動は労働者派遣法によって原則禁止されています。派遣社員が就労する際は、就業先だけでなく業務内容も契約書によってあらかじめ決めなければいけません。そのため、契約期間中は契約書によって取り交わされた部署で就業することになります。

このルールは、派遣社員が契約内容とは異なる業務をさせられないようにするためのもので、派遣社員を守るための仕組みです。つまり、派遣先企業の都合でいきなり部署異動を命じられて、望まない業務をしなければならないといった事態を防ぐことを目的としています。

ただし、全ての場合において部署異動が禁じられているわけではなく、ある一定の条件を満たすことができれば、派遣社員でも部署異動が可能です。派遣社員の部署異動が可能となる条件は次章で詳しく解説します。

派遣社員でも部署異動が可能となる3つの条件

派遣社員の部署異動が可能になる条件は、以下の3パターンです。

  • 派遣先企業と派遣社員の合意がある
  • 契約期間を満了している
  • 常用型派遣である

それぞれ解説していきます。

派遣先企業と派遣社員の合意がある

派遣契約の内容は、派遣社員と派遣先企業の合意があれば変更することができます。そのため、双方の合意があれば契約内容を変更することで、派遣社員でも部署を異動することが可能です。

現在の部署が合わないと感じたり、働いてみたい部署があったりすれば部署異動を希望することができます。派遣先企業の合意があれば、希望通り部署を異動できるでしょう。

反対に、部署異動を打診された際は、派遣社員本人が合意しなければ部署を異動させられることはありません。部署を異動したくないと考えている方は無理に承諾しなくても良いです。

契約期間を満了している

派遣社員は原則として、同じ職場では3年しか働けないと労働者派遣法により定められています。いわゆる「3年ルール」です。

契約期間を満了する前に部署異動をする場合には契約内容を変更する必要があります。しかし、一旦期間を満了してしまえば、派遣先企業は同じでも違う部署で新しく契約を結ぶことが可能です。そのため、新しく契約を結ぶ際は部署を異動することができます。

契約更新の際は、部署異動を希望するチャンスです。契約の更新時期が迫っており、部署を異動したいと考えている方は、思い切って希望を伝えてみましょう。

常用型派遣である

派遣社員の雇用形態には、「登録型派遣」と「常用型派遣」の2種類があります。

登録型派遣とは、派遣会社に登録して派遣先企業で働き、契約期間を満了すればまた別の企業で働く派遣形態です。登録型派遣契約は、就業期間中のみ雇用関係が発生します。

一方で、常用型派遣とは、派遣会社に社員として常時雇用されており、派遣先企業で派遣社員として働く派遣形態です。無期雇用契約とも呼ばれます。登録型派遣とは違い、派遣先企業での就業期間中以外にも派遣会社との雇用関係は継続します。

常用型派遣の場合は、派遣先企業での部署異動に関して制限がありません。そのため、派遣先企業が部署異動を命じることや、派遣社員が部署異動を希望することができます。

派遣の雇用形態については下記の記事で詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。

派遣社員の部署異動における注意点

派遣社員が部署を異動する際には、以下のような注意点があります。

  • 指揮系統が変わる
  • 抵触日が変わる
  • 給与や勤務時間等が変わる場合がある

指揮系統が変わる

部署が変わることで、直属の上司が変わるため仕事の指揮系統も変わります。基本的に派遣社員に業務内容を指示するのは、その部署を管轄している上司になるため、部署異動することによって必然的に指揮命令者も変わることになるでしょう。

部署異動する際は新たに派遣契約を結び直すことになります。その際、契約書に部署名や上司となる担当者などが細かく記載されているため、忘れずに確認しておきましょう。

抵触日が変わる

抵触日とは、派遣社員が同一の組織で働ける期限として定められている3年という派遣期限が切れた翌日のことを指します。例えば、2024年4月1日に派遣期間がスタートした場合、2027年3月31日が派遣期限となり、その翌日である2027年4月1日が抵触日です。

部署を異動するためには、労働者派遣契約を結び直す必要があるので、それに伴い抵触日も変更されます。新しい派遣契約の契約日から3年が派遣期限となり、その翌日が新たな抵触日となります。抵触日についても新たな契約書に記載されているため、しっかり確認しましょう。

派遣の3年ルールや抵触日については、派遣の3年ルールを徹底解説した記事もぜひ参考にしてください。

給与や勤務時間等が変わる場合がある

部署異動の際に、時給が再査定される場合があります。特に、2020年以降は改正労働者派遣法によって「同一労働同一賃金」の考えのもと、正社員と対等な待遇を目指す企業が増えています。そのため、部署異動によって異動先の部署に所属する社員と同等の待遇にするように、時給を再査定するケースが多くなりました。

時給だけでなく、勤務時間や休憩時間など基本的な労働環境も変わる場合があります。これらの労働条件についても契約書に記載されていますが、部署異動を承諾する前にしっかり把握しておくことが大切です。

いきなり部署異動を打診されたときの対処法

派遣先企業から急に部署異動の話を持ちかけられると、「断ったら契約を切られるのでは?」と不安になる方も多いでしょう。しかし、焦る必要はありません。労働者派遣法では、派遣社員の権利が守られています。

まず大切なのは、その場で即答しないことです。「少し考えさせてください」と伝え、冷静に状況を整理しましょう。そのうえで、以下のステップで対応してください。

ステップ1:派遣契約書を確認する

まず手元の派遣契約書を見て、現在の業務内容や就業場所が明記されているか確認します。異動先の部署や業務が契約内容と異なる場合、一方的な異動は契約違反にあたります。

ステップ2:派遣会社に連絡する

派遣先から直接異動の話を持ちかけられた場合でも、必ず派遣会社の担当者に報告してください。派遣会社があなたと派遣先の間に入り、契約内容の確認や交渉をおこなってくれます。このとき、以下の点を確認しましょう。

  • 異動先の部署名と具体的な業務内容
  • 勤務時間や休憩時間の変更有無
  • 時給の変更有無(上がるのか下がるのか)
  • 契約期間と抵触日がどうなるか
  • 指揮命令者は誰になるのか

ステップ3:自分の希望を伝える

異動を希望しない場合は、はっきりとその旨を派遣会社に伝えましょう。原則として、派遣社員本人の合意がなければ部署異動はできません。「断ったら契約を切られるのでは」と心配する必要はなく、正当な権利を主張することが大切です。

ただし、パワハラやモラハラなど、現在の部署に明確な問題がある場合は、部署異動を前向きに検討する選択肢もあります。派遣会社と相談しながら、あなたにとって最善の判断をしてください。

派遣社員の部署異動におけるよくある質問

派遣社員の部署異動に関して、よくある質問と回答をまとめます。

部署異動を命じられても断れる?

先述した通り、派遣先企業の都合によって派遣社員へ部署異動を命じることはできません。しかし、派遣社員という立場の弱さから、部署異動を持ちかけられたら承諾しなければいけないのではないかと思ってしまう方もいるでしょう。

もし、望まない部署異動を派遣先企業から持ちかけられた場合は、すぐに話を進めず派遣会社に相談してください。派遣先企業と良い関係を築けていない場合、その場で断ってしまうと関係がより悪化してしまう可能性があります。派遣会社に相談することで、間を取り持ってもらいましょう。

派遣社員本人の都合で部署異動を希望しても良い?

派遣社員本人の都合で部署異動を希望することは可能ですが、特別な事情がない限り認められることはほとんどないでしょう。もし、自身の都合による部署異動を希望するのであれば、契約満了を待つ方が確実です。

今の仕事に対して不満を感じている、仕事がつまらないなどの理由で部署異動を希望しても、要求が通らないばかりか派遣先企業や派遣会社からの評価を落としてしまいます。そうなれば、今後の契約更新が難しくなってしまう可能性も出てくるでしょう。

派遣社員本人の都合で部署異動を希望する場合、特別な事情がない限りは契約期間を満了するタイミングで伝えることをおすすめします。

今の部署で問題がある場合は部署異動できる?

現在就業先の部署で、契約内容とは違う仕事をさせられていたり、パワハラやモラハラがあったりなど、明確な問題がある場合は部署異動を希望しましょう。この場合は派遣社員本人には非がなく、自己都合による部署異動とはならないため、契約満了を待たずして部署異動を希望しても問題ありません。

部署異動をしても問題が解決されない場合、派遣先企業全体に問題がある可能性が高いため、派遣先そのものを変更した方が良いでしょう。派遣先企業に問題がある場合は、派遣会社も協力してくれるはずです。もし、派遣会社から協力的な姿勢が見られなかった場合、別の派遣会社に変更することを推奨いたします。

部署異動で時給は上がる?下がる?

部署異動によって時給が変わることは珍しくありません。異動先の業務内容や責任の程度によって、時給が再査定されるためです。

特に、2020年の改正労働者派遣法で「同一労働同一賃金」の原則が強化されて以降、派遣先の正社員と同等の待遇にするため、部署異動を機に時給が見直されるケースが増えています。たとえば、事務部門から営業サポート部門へ異動し、業務の専門性が高まった場合は時給が上がることもあれば、逆に責任範囲が狭まる部署への異動では時給が下がる可能性もあります。

大切なのは、部署異動を承諾する前に、新しい時給を必ず確認することです。納得できない場合は、派遣会社を通じて交渉することもできます。時給は労働条件の中でも特に重要な要素ですので、曖昧なまま異動を受け入れないようにしましょう。

 異動を断ったら契約を切られる?

部署異動を断ったからといって、契約期間中に一方的に契約を切られることはありません。派遣社員と雇用契約を結んでいるのは派遣会社であり、派遣先企業にはあなたの雇用を終了させる権限がないためです。

ただし、契約満了後に更新されないという可能性はゼロではありません。とはいえ、正当な理由なく異動を打診しているのが派遣先側である場合、あなたが断ったことを理由に更新しないのは不当な扱いとみなされる可能性もあります。

不安な場合は、派遣会社の担当者に「異動を断った場合、契約更新に影響があるか」を率直に確認してみましょう。派遣会社はあなたの味方ですので、誠実に対応してくれるはずです。

派遣社員の部署異動に関するルールを覚えておこう

派遣社員の部署異動について詳しく解説してきました。双方の合意があれば派遣社員でも部署異動することが可能ですが、それに伴って様々な変化点が発生することを覚えておきましょう。

派遣社員本人の都合で部署異動を希望する場合、特別な事情がない限り認められるケースはほとんどありません。しかし、派遣先企業に非がある場合は早めに部署異動を希望してください。

派遣社員の部署異動に関するルールをしっかり理解し、派遣先企業や派遣会社とトラブルを起こさないように注意しましょう。

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