派遣社員で働くにあたって「入ったばかりでも休めるのか」「長期休みは取れるのか」と不安に感じていませんか。もちろん派遣社員でも休みは取れますが、企業の直接雇用ではないため連絡先や休暇の取得方法に気をつける必要があります。

この記事では、派遣社員は入ったばかりの職場で休めるのかという疑問に答えると共に、休みの取り方についても解説しています。休みを取る際の注意点にも触れているので、合わせてご覧ください。

派遣社員は入ったばかりの職場で休める?

入ったばかりの職場だからといって、絶対に休めないということはありません。やむを得ない理由がある場合は、必要に応じて休みを取ることが可能です。ただし、派遣されてすぐは研修が設定されていたり、業務内容を把握したりとやることがたくさんあるため、休んでいるとついていけなくなることがあります。

休むたびに周囲の人の仕事が増えるか、あなたの仕事が溜まっていくので、それぞれにストレスが生じる原因になりかねません。あまりに休みの頻度が多い場合は評価に影響することがあり、契約が更新されないという事態も考えられます。

仕事を休んでもペナルティはない

仕事を休んだからといって、罰金があったり減給されたりといったペナルティはないので安心してください。もちろん、有給休暇でなければ休んだ分の給料はもらえませんが、欠勤に対して罰則が与えられることはありません。

どうしても休まなければいけない事情がある場合は、派遣先企業と派遣会社に相談して休みを取りましょう。とはいえ、入ったばかりで休んでばかりいると、「やる気がないのでは」「辞めたいのでは」と思われ、仕事を振られなくなる可能性があります。

罰則はないにしても、会社に居づらくなることも考えられるので、常識の範囲内で休むようにしましょう。

派遣社員の当日休みの取り方

やむを得ない理由で、急遽休みが必要になった場合の休みの取り方を解説します。当日休みは、「連絡方法」と「連絡の順序」に気をつけ、周囲の負担をできるだけ減らせるようにしましょう。

連絡方法

体調不良や家族の都合などで急遽休みが必要になった場合は、出勤できないと分かった時点で連絡することが大切です。このとき、メールやチャットのメッセージではなく、必ず電話で休みの連絡を入れましょう。

メールやチャットなどのメッセージは相手が見逃す可能性があり、あなたへの連絡や業務の割り振りで周囲に余計な手間をかけさせることになりかねません。無断欠勤と誤解されたり、社会人としての認識が足りないと判断されたりしないよう、当日欠勤は電話で連絡してください。

ただし、企業によってはLINEやチャットで連絡するよう決められていることもあるので、派遣先のルールに従うとよいでしょう。

連絡の順序

欠勤の連絡は、必ず以下の順番で行います。

  1. 派遣先
  2. 派遣元

まずは派遣先の上司に連絡をし、その後で派遣元の担当者に連絡を入れましょう。

派遣先への連絡は、直属の上司に宛てて就業開始の10〜20分前に電話します。もし上司が不在の場合は、次のポジションの人に欠勤したい旨を伝えてください。このとき、電話を受けただけの人に伝えてしまうと、正確に伝わらないことや引継ぎが上手くできないことがあるので注意が必要です。

伝え方

当日欠勤の連絡をするときは、一方的な報告ではなく「〜なので、お休みをいただきたいのですが…」と相談するようなかたちで伝えましょう。必ずその日の業務の状況や、日程変更、引継ぎなどについて相談することも忘れてはいけません。

体調不良で休む場合でも、「業務の引継ぎ内容をグループチャットに送る」「取引先に日程変更をお願いする」など、無理のない範囲でできることは自分で行いましょう。周囲の負担を減らすよう心掛けてください。

派遣社員の休暇申請の仕方

前もって休みを取得する場合にも、必ず「派遣元」と「派遣先」の両方に相談し、申請を行いましょう。

有給休暇申請

派遣社員は、派遣元と雇用契約を結んでいるため、年次有給休暇を申請する際には派遣元へ申請する必要があります。書面での申請が必要なケースや、口頭またはWebからの申請でOKなど、派遣会社によって申請方法が異なるので注意が必要です。

ただし、実際に働いているのは派遣先の企業なので、派遣先の業務を無視して休みを取るとトラブルが起こりかねません。派遣元に有給申請をする前に、必ず派遣先で相談、スケジュールの調整をして休暇の了承を得てから有給申請を行いましょう。

長期休暇申請

ケガや病気による入院や、妊娠・出産、海外旅行など、長期休暇が必要になる場合は、まず派遣元に相談しましょう。有給は何日あるのか、産前産後休業または育児休業の要件を満たしているかなどを確認し、取得できるようであれば派遣先の許可を取って休暇申請してください。

派遣先に相談する際は、休む理由を具体的に伝え、スケジュールや業務に与える影響などについて話し合いましょう。ただし、入院や出産などの時期を選べない休暇ではなく、リフレッシュ休暇や旅行のための長期休暇は、繁忙期や人手不足を理由に認められないこともあります。

休暇を取るときの注意点

休暇を取るときには、職場の人に負担をかける可能性もあるため、以下のことに注意しましょう。

  • 時期を考慮する
  • 与えられた仕事を終わらせる
  • 周囲への配慮を忘れない

日程を調整できる場合は、「繁忙期」や「チームメンバーが休み」といった人手が足りなくなる時期を避けて休みの希望を出すと通りやすくなります。休みに入る前に与えられている仕事が終わるようにスケジュールを立てることも大切で、終わらない場合には他の人に頼むなど、責任をもって取り組んでください。

休暇を取ることを周囲の人に伝え、休暇明けにはきちんとお礼を言うなど、周りの人に対する配慮も忘れてはいけません。

GWやお盆、年末年始などが長期休みになる企業に派遣されると、気を使わずに休暇が取れるので、休みが多い派遣先を探してみるのもよいでしょう。

派遣社員でも生理休暇は利用できる?

労働基準法第68条に記されている通り、派遣社員を含め、すべての労働者は生理休暇を取ることができます。生理休暇に特別な申請が必要になることは少なく、多くの場合、口頭による報告のみで休みが取れます。

仕事中に生理痛がひどくなって退勤する場合にも適応されるので、つらいときは無理をせずに申し出ましょう。ただし、派遣会社の方針によって有給か無給か扱いが異なるため、生理休暇の賃金について事前に確認しておくことが大切です。

就業規則に記されていない場合は、派遣会社の担当者に聞いてみるとよいでしょう。

休みすぎると契約解除になることも

入ったばかりの派遣社員でも必要に応じて休むことは可能ですが、休んでばかりいると注意や指導を受け、改善しない場合には「解雇」や「雇い止め」もあり得ます。明確に「〇日休んだら解雇」といったルールはありませんが、会社によって規定や方針が異なるため、すべての会社で同じように休めるとは限りません。

派遣社員は、業務内容や期間を定めて契約を結ぶため、よほどのことがない限り解雇されることはありません。しかし、「有期契約の更新がされない」という事態になることは十分考えられるため、休みすぎには注意が必要です。

入ったばかりの職場で休むときは周囲に配慮を

入ったばかりの派遣社員でも、体調不良や家族の都合など、やむを得ない理由があれば休みは取れます。休みを取得する際は、必ず「派遣先」と「派遣元」の両方に相談し、許可をもらう必要があるので注意してください。

急な休みでも、前もって休みを取得する場合でも、周囲の人の負担や仕事の進捗を考え、できることはやった上で休むようにしましょう。仕事を休んでもペナルティはありませんが、あまり休んでばかりいると、会社にいづらくなったり雇い止めになったりすることがあるので気をつけてください。

休暇前と休暇明けには、きちんと挨拶やお礼を言うなど、周囲への配慮をして気持ち良く休める工夫をするのも大切です。