経理事務への応募を検討しているものの、「難しそう」「一般事務とどう違うの?」など、不安に感じることも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、経理事務の仕事内容を整理しつつ、一般事務との違い、その魅力などを解説していきます。経理事務に向いている人の特徴もまとめているので、ぜひお仕事探しの参考にしてください。
経理事務ってどんな仕事?

まずは、経理事務の仕事内容や年収の目安、求められるスキルなどを確認しておきましょう。
業務内容
経理事務の仕事は、会社のお金の流れを正確に記録・管理し、経営判断の土台を支える役割を担います。一年を通して、主な業務は大きく以下の3つに分けられます。
- 日次業務:請求書や領収書の内容を確認し、会計ソフトへ仕訳入力を行う
- 月次業務:売掛金・買掛金の管理、入出金の確認、経費精算の処理などを行う
- 年次業務:年末調整、決算などの補助業務を行う
企業規模によっては給与計算や税理士とのやり取りを任される場合もあり、会社全体の数字を把握できる点が特徴です。
年収の目安
経理事務の年収は、雇用形態や経験年数、企業規模によって幅があります。
正社員の場合、未経験スタートでは年収250万円前後から始まるケースが多く、実務経験を積むことで300万〜400万円台を目指せます。決算業務を一通り担当できるレベルになると、さらに評価が上がりやすくなります。
派遣社員の場合は、時給1,400円〜1,800円程度が相場ですが、繁忙期や専門性の高い業務ではさらに時給が上がることもあります。
求人が増える時期
経理事務の求人は、会社の会計スケジュールと密接に関係しています。そのため、決算対応が本格化する前の時期には求人が多くなりがちです。
多くの企業が年度末を迎える2月〜3月は、業務量が一気に増えるため、派遣や契約社員の募集が活発になります。また、4月の組織変更や人事異動後で欠員が出ることもあるので、春先も狙い目です。
このほか、年末調整や中間決算のある11月〜12月も短期の求人が増える傾向があるなど、時期を意識して動ければ未経験でもチャンスを広げやすくなります。
求められるスキル
経理事務で最も重視されるのは、数字を正確に扱う力と丁寧さです。高度な数学力よりも、入力ミスを防ぐ集中力や、ルール通りに処理を進める姿勢が求められます。
また、基本的なパソコン操作、とくにExcelでのデータ入力や簡単な関数の理解は必須です。会計ソフトや専用機器を使うケースが多いため、新しいツールに抵抗がないことも大切です。
このほか、社内外とのやり取りが発生するため、落ち着いたコミュニケーション力も評価されます。
一般事務との違い

経理事務と一般事務の大きな違いは、主に以下の2つです。
- お金に直接関わるかどうか
- 業務の専門性
一般事務は、電話・来客対応、書類作成、データ入力など、職場全体を円滑に回すためのサポート業務が中心です。業務範囲は広いものの、内容は比較的ルーティン化されており、部署や会社が変わっても応用しやすい点が特徴です。
一方、経理事務は請求書処理や仕訳入力、入出金管理など、会社のお金を扱う業務が主軸となります。数字の正確性が強く求められるほか、処理ミスが会社の信用や経営判断に影響することもあります。
そのため、経理事務は一般事務よりも専門知識や責任の重さが求められがちです。
経理事務の魅力
経理事務の魅力として、専門的な知識が身につく、企業の経営に関われるといったことが挙げられます。実務で得られる知識や経験は、将来役に立つ可能性が高いです。
専門的な知識が身につく
経理事務の魅力は、実務を通じて「お金の仕組み」に関する専門知識が自然と身につく点です。日々の業務では、売上や経費を仕訳として処理し、帳簿に反映させるため、会計の基本的な考え方を実践的に理解できます。
学校で学ぶ知識と違って実際の取引を扱うため、数字の意味や流れが感覚的に身につくのが特徴です。また、月次決算や年次決算の補助を経験することで、損益計算書や貸借対照表の読み方も徐々に理解できるようになります。
企業の経営に関われる
経理事務は、直接的に営業活動を行う仕事ではありませんが、企業の経営を数字の面から支える重要な役割を担っています。日々入力されるデータは、最終的に売上や利益、コスト構造を把握するための資料となり、経営判断の根拠になります。
たとえば、経費の増減や資金繰りの状況を把握することで、無駄な支出、改善点が見えてくることも少なくありません。さらに、経営層や上司から数字について相談される場面が増えると、自分の仕事が会社全体に影響している実感を得やすくなります。
経理事務に向いている人の特徴

経理事務には、次のような人が向いています。
数字や計算に苦手意識がない
高度な数学力がなくても経理事務はできますが、金額のズレや計算結果の違いに気づける感覚は重要です。日々の業務では、請求金額や支払額、残高などを繰り返し確認する場面があり、「合わない理由を探す作業」が発生します。
そのため、数字を見ると気が重くなる人よりも、落ち着いて確認できる人に適性があります。正確さを意識しながらコツコツ作業することが苦にならない人は、経理事務で力を発揮しやすいでしょう。
業務の組み立てが得意
経理事務では、日々の業務をどの順番で進めるかを自分で考える場面がよくあります。そのため、締切が決まっている処理や、月末・月初に集中する作業などを見越して、効率よく段取りを組める人が向いています。
ただ作業をこなすだけでなく、ミスが起こりにくい順序、後回しにできない作業は何かなどを考えることが重要です。業務を頭の中で整理し、優先順位をつけるのが得意な人は、忙しい時期でも落ち着いて対応できるでしょう。
ITツールが使える
経理事務の現場では、会計ソフトやExcelといったITツールを使う業務が欠かせません。そのため、パソコン操作に抵抗がなく、新しいシステムにも前向きに対応できる人は向いています。
難しいプログラミングスキルが求められることはありませんが、基本的な入力操作や関数の理解、データ管理に慣れていると大きな強みになるでしょう。近年はクラウド型の会計システムを導入する企業も増えているので、ITに対する柔軟性が求められる場面が増えています。
コミュニケーションスキルがある
経理事務は黙々と作業するイメージを持たれがちですが、実際には人とのやり取りが多い仕事です。たとえば、社内の各部署に対して経費や請求内容の確認をしたり、外部の取引先と連絡を取ったりする場面があります。
仮に相手にミスなどがある場合でも、責めるのではなく、事実を丁寧に確認する姿勢が重要です。そのため、落ち着いた伝え方ができ、相手の状況を理解しようとする姿勢がある人は経理事務に向いています。
【キャリアアップ】経理事務におすすめのスキル・資格

経理事務は、資格がなくても従事することができますが、特定のスキルや資格があると評価につながりやすいです。ここでは、経理事務におすすめのスキル・資格を紹介します。
日商簿記
経理事務を目指す人が最も評価されやすい資格で、とくに2級以上は、実務で必要となる仕訳や決算の基礎知識を体系的に学べるのが特徴です。
簿記を学ぶことで、取引がどのように帳簿に反映され、最終的に損益計算書や貸借対照表につながるのかがわかります。この理解があると、日々の入力業務も単なる作業ではなく、意味のある業務として捉えられるようになるでしょう。
FASS検定
FASS検定は、経理・財務分野の実務スキルを客観的に測定できる検定として注目されています。簿記が知識を重視するのに対し、FASS検定は実務に即した判断力や処理能力を評価する点が特徴です。
経理経験者にとっては、自分のスキルレベルを可視化できるため、キャリアの棚卸しにも役立ちます。企業側も結果を参考に業務分担や評価を行え、実務力の証明として使われる場面が増えています。
MOS
MOS(Microsoft Office Specialist)は、ExcelやWordなどの操作スキルを証明できる資格で、経理事務との相性が良い資格です。経理業務ではExcelを使ったデータ管理や集計作業が頻繁に発生するため、MOSを取得していると即戦力として評価されやすくなります。
とくに転職市場では、Excelが使えるという曖昧な表現よりも、MOS資格があるという方がスキルを具体的に示せるでしょう。
経理事務に挑戦してみよう
経理事務は、企業におけるお金の流れを正確に記録、管理する業務です。特別な資格は必要ありませんが、数字に苦手意識がなかったり、ITツールを使えたりすると評価されやすいです。
経験を積む中で日商簿記やFASS検定などに挑戦すれば、キャリアアップにもつながります。初めてだと難しく感じるかもしれませんが、基礎を身につければ、日々の業務はルーティンとして定着しやすいため、気負わずに挑戦してみましょう。
