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派遣社員であることを不安に思う人は多い
「このまま派遣社員として働き続けていていいのか?」
派遣社員として働いている方の中にはこのような悩みを抱いている方も多いのではないでしょうか。確かに世間一般的には正社員の方が安定しているイメージがありますが、派遣社員にもメリットがあり、不安を払拭することができれば、安心して働き続けることが可能です。
今回のコラムでは派遣社員が抱えている悩みや不安について紹介します。長く派遣社員で働き続けるためのポイントも紹介しているため、派遣社員でいることに不安を覚えている方はぜひご確認ください。
派遣社員のよくある悩み・不安
派遣社員といっても、人によって抱えている悩みや不安は様々です。代表的なものをいくつか紹介するので、ご自身と照らし合わせながらご確認ください。
ずっと派遣を続けられるか不安
基本的に派遣社員の雇用契約には期間があり、いつまでも同じ職場で働き続けられるわけではありません。「雇用の安定」という点においては、確かに正社員には劣ってしまうでしょう。
いわゆる「派遣切り」のように、契約期間内であるにも関わらず、契約を打ち切られてしまうケースも稀に存在します。もし契約が終了になれば次の派遣先を探すことになりますが、一時的に収入が途絶えてしまうリスクも考えられます。
いつまで派遣を続けられるか先が見えない
将来的な雇用が安定していないという点で、いつまで派遣を続けられるか先が見えず心配している方も多いです。現実的な問題として、40代・50代と年齢を重ねるにつれて契約できる案件の数はどうしても少なくなっていきます。
特定のスキルや知識を保有していれば、貴重な人材として重宝されるため、採用される派遣先も見つかりやすくなりますが、今は案件が潤沢にあっても、次回の更新で同じ状況とは限りません。
収入が増えないかもしれない
未経験でも始めやすい派遣社員ですが、正社員と比べて収入が少ない、増えづらいと感じている方は多いです。「賞与がない」「時給制や日給制で収入が不安定」などが収入に不安を覚える要因でしょう。
若い時期は正社員の平均年収もそれほど高くないため、派遣社員との差も大きくありませんが、長期的な目で見ると正社員の方が生涯年収は高くなります。資格を取得してスキルアップする、副業を始めるなど、高収入を望むのであれば相応の努力を行う必要があるでしょう。
正社員より待遇が良くない
ボーナスやその他の福利厚生など、正社員と派遣社員を比較すると待遇の面で様々な違いがあります。年々派遣社員の待遇は改善されつつありますが、例えば多くの方が不安を抱いているのが社会保険です。
実際、「派遣社員は社会保険に加入できるのか?」という疑問を抱いている方も珍しくありませんが、実は派遣社員でも条件を満たせば、正社員と同じように社会保険に加入することが可能です。派遣社員の社会保険については以下のコラムで詳しく解説しています。ぜひ合わせてご確認ください。
スキルアップ・キャリアアップできるかわからない
正社員でも派遣社員でもこなした業務の量や実際の成果に応じて給与が上がっていくのは同じです。
ただ、責任が伴う業務や重要な業務はどうしても正社員が担う傾向にあり、その分スキルアップやキャリアアップに繋がりやすいです。もちろん派遣社員でも業績に応じて待遇や良くなっていきますが、それには自発的な行動が要求されます。
派遣社員は将来性が低い?
以前、派遣社員は「正社員と同じ業務をしているのに給与が低い」という実態がありました。しかし、2020年から同一労働同一賃金制度が始まり、雇用形態に関係なく同じ業務をしているのであれば、同額の給与が支払われたり、同等の待遇を受けられるようになりました。
全ての企業で制度が導入されているわけではありませんが、徐々に導入する企業は増えており、中小企業での適用も始まっています。つまり、一般的なイメージに反して、「派遣」という雇用形態だから将来性が低いという状況は改善されつつあります。
正社員と比べた派遣社員のメリット
正社員と派遣社員を比較すると次のようなメリットがあります。
- 自由度が高い
- 基本給が高い
- 夜間や週末も働ける
- 様々な職場で働くことができる
- 派遣会社のサポートを受けることができる
自由度が高い
正社員と派遣社員を比較すると、派遣社員は残業が少ないです。そのため、プライベートを充実させたり、勉強や研修といったスキルアップのために時間を割いたりできます。
ライフワークバランスを保ちやすいのは派遣社員ならではのメリットでしょう。
基本給が高い
実は派遣社員は他の労働形態と比較して基本給が高いです。 普通に生活する上で問題になることはなく、家族を養うことも十分に可能です。派遣社員から正社員に転換したら、賞与が増えた一方、基本給が下がってしまったというケースもあります。
正社員の方が給与が高いというイメージがある方が多いでしょう。しかし、基本給ベースで考えると派遣社員の方が高く設定されていることが多いです。
夜間や週末も働ける
多様な働き方が認められつつある現代ではありますが、実際は副業やダブルワークなどを禁止している企業も数多く残っています。一方で派遣社員は労働に関しても自由度が高く、希望すれば夜間や週末も働くことも難しくありません。
ただ高収入を得られるだけでなく、副業を通じてスキルアップすることも可能です。空いている時間を無駄にすることなく、有効活用できるのもメリットでしょう。
様々な職場で働くことができる
派遣社員は基本的に同じ職場で長く働き続けることが法律で禁止されています。一見デメリットなように思えますが、捉え方によっては様々な職場で働くことができるというメリットでもあります。
職場ごとに新しい発見をすることも可能であり、様々な経験を行ってきたという強みも得られます。派遣社員ならではのキャリアを積み上げることが可能です。
派遣会社のサポートを受けることができる
派遣先で悩みがある場合に、派遣会社に気軽に相談することが可能です。人間関係やキャリアプランなどの相談を受け付けてくれ、それに適した案件を探して紹介してくれるのは、派遣社員ならではのメリットでしょう。
気持ちが不安定になった時に、相談先があるのは非常に心強いことです。
派遣社員でも安定して働くには?
「正社員より雇用が不安定」というのは派遣社員のデメリットの1つとして挙げられますが、例外的に派遣社員でも安定して働き続けられる雇用形態があります。以下の2つが該当するのでそれぞれの特徴を解説いたします。
- 正社員型派遣として働く
- 紹介型派遣として働く
正社員型派遣として働く
正社員型派遣とは、派遣会社と労働者が「常時雇用契約」を結んでいる雇用形態のことです。派遣会社の正社員という扱いであるため、一般的な派遣と比べると雇用が安定しやすいのが特徴です。
例えば、派遣先企業と派遣契約が終了すると、普通派遣であれば派遣会社との契約も終了してしまいます。しかし、正社員型派遣であれば派遣会社との契約は継続するため、給与の支払いが途切れることがありません。
安定して給与を得られる契約形態となっています。
紹介型派遣として働く
紹介型派遣とは、最初の数カ月のみ派遣社員として働き、その期間が終了したら自分と企業側の双方で面談を行い、合意があれば正規雇用に雇用形態が変えられる制度です。
つまり、スタートは同じ派遣社員であっても、ゆくゆくは雇用が安定した正社員になれる可能性が高いということになります。最初に派遣社員として働く期間があるため、自分と企業の相性を働きながら確認できるのもポイントです。
派遣社員のままキャリアアップするには?
派遣社員からキャリアアップする選択肢の1つに正社員への転換があります。しかし、派遣社員として働き続けたままキャリアアップをしたいという方もいるでしょう。
派遣社員のままキャリアアップをするための2つの方法を紹介します。
- 資格を取得する
- 同じ業種で働き続ける
資格を取得する
資格を取得しているとできる仕事の範囲が広がります。業種によっては資格を取得していることで時給が上がるケースもあるでしょう。
自由度が高い派遣社員は資格取得のために勉強する時間も正社員より確保しやすいでしょう。将来的に正社員へ転職する際にも資格は有利に働くため、選択肢を増やすことにもなります。
同じ業種で働き続ける
同じ業種で働き続ければ、基礎的なスキルが上がっていき、職場が変わっても効率良く業務をこなすことが可能になります。大きなプロジェクトに参加できる可能性も高まるでしょう。
派遣先にとって欠かせないスキルを有している存在になれれば、時給がアップしたり、良い条件で正社員への転換の案内が受けられたりする可能性があります。別の派遣先に移動したとしても困ることはないでしょう。
派遣先を選ぶ際には、なるべく今まで培ってきたスキルが活きる会社や職種を選択すると、キャリアアップを実現しやすいです。
派遣社員でも上手くいくかは自分次第
派遣社員として生涯働き続けることは十分可能です。自由度が高い分、正社員ほど道筋が定まっているわけではありませんが、積極的に行動していくことでどんどんレベルアップしていくことも可能です。
正社員と派遣社員、雇用形態は違っても、会社という組織に属している以上は常にスキルアップを目指すことは欠かせません。本文中でも解説したように、派遣会社のサポートを受けられることは派遣社員の大きなメリットの1つなので有効活用していくのもおすすめです。