一般的に、職歴のない期間を「空白期間(ブランク)」と呼びます。
転職する際には、この空白期間があることで不利になるのではないかと不安になる人もいることでしょう。しかしブランクは、必ずしもネガティブに働くわけではなく、理由によっては企業に良い印象を与えることも可能です。
この記事では、空白期間が転職に与える影響と、面接対策について解説しています。理由別の伝え方もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
空白期間(ブランク)が転職に与える影響
空白期間があると、企業側にネガティブな印象を持たれる可能性があります。ただし、その理由によっては良い印象を与えることも可能です。
まずは、ブランクが転職に与える影響を知っておきましょう。
ネガティブな印象を持たれる可能性がある
ブランクが長いと、次のような懸念から、採用担当者にネガティブな印象を持たれる可能性があります。
- 働く意欲が低いのではないか
- 空白期間中にスキルが低下していないか
- 人間性や素行などに問題があるのではないか
とくに、正当な理由がなく長期間仕事に就いていない場合は、転職の際にマイナス要素として判断されかねません。
そのため、企業側が納得できる理由を説明できない場合、空白期間が面接で不利に働くことは十分考えられるでしょう。
面接のハードルが上がる
ブランクがある場合は、面接のハードルが上がりやすくなってしまいます。採用担当者は、採用後のミスマッチを避けるため、空白期間中に何をしていたのかを詳しく聞く傾向があります。
受け答えによっては良くない印象を与えかねないため、正当な理由とともに現在の自分の価値をアピールしなければなりません。そのため、ブランクがない人に比べて質疑応答の項目が増えるため、必然的に事前準備などの手間も多くなるでしょう。
理由によってはプラスに働く
たとえ長い空白期間であっても、必ずしもネガティブに捉えられるわけではありません。理由によってはプラスに働く場合もあります。
たとえば、家族の介護やスキルアップ、資格取得、ボランティア活動などに時間を費やしていた場合、それが転職先の仕事に役立つ経験と見なされることがあります。
ブランク期間中に何かしらの活動を行い、その経験を面接で前向きに伝えることができれば、採用担当者に好印象を与えてプラスに働く可能性があるでしょう。
空白期間はどのくらいまでならOK?
ブランクの長さは、その理由や業界によって「OK」とされる範囲が異なりますが、一般的に、3か月から6か月ほどであれば問題視されることはありません。この程度の空白期間は、転職活動の準備やスキルアップに使ったと説明できるため、採用担当者にも理解されやすくなります。
一方で、6か月を超えると理由をしっかり説明する必要があります。
たとえば、家族の介護や留学、資格取得などの前向きな理由がある場合は、長期間のブランクでも問題ないでしょう。ただし、何の活動もせずに空白期間が続いた場合は、採用担当者に「モチベーションが低い」と判断されかねません。
そのため、その期間をどのように過ごしていたかを具体的に説明できるよう準備することが大切です。重要なのはブランクの長さより、その期間をどう活用したか、そしてどのように再就職に向けて準備をしているかを明確に伝えることです。
空白期間がある場合の面接対策
ブランクがある場合、履歴書や職務経歴書に理由や現状を記載していたとしても、面接で話題になることは回避できません。
企業側は、空白期間に対する不安を拭うため、応募者に対して質問を行うのが一般的です。面接での受け答えによっては採用結果を左右することもあるため、対策を講じておきましょう。
嘘をつかない
採用担当者は、経歴や履歴書を慎重に確認します。万が一嘘が発覚すれば信頼を失い、採用のチャンスを逃す可能性があるでしょう。
バレなければ問題ないと思うかもしれませんが、嘘をつくと質疑応答の中でつじつまの合わないことができます。その結果、嘘が発覚する可能性は低くありません。
たとえブランクが長い場合でも、その理由を正直に伝え、面接官が納得できるように説明することが大切です。それにより誠実さが伝わり、信頼を築くことができます。
ポジティブな経験として伝える
空白期間がネガティブに受け取られないよう、その期間中に得たポジティブな経験を伝えることが大切です。たとえば、スキルアップのための学習や資格取得、家族のサポートなど、どのようにその期間を活用したかを具体的に説明しましょう。
ブランクを成長の機会と捉え、前向きに伝えることで、面接官に好印象を与えることができます。とくに理由がない場合は、「新しい仕事に向けてリフレッシュしていた」など、ポジティブに言い換えてみましょう。
しっかりと準備して面接に臨む
面接では、ブランクについて尋ねられることを想定し、具体的な説明やその後のキャリア計画について準備しておくことが大切です。なぜ空白期間が生じたのか、現在のスキルや意欲をどのようにアピールするかを事前に整理しましょう。
また、面接官が抱く疑問に対応し、質問に対して自信を持って答えられるようにすることで、面接を乗り越えることができます。
【理由別】空白期間を伝えるポイント
ブランクについて説明するときは、空白期間をどう過ごしたのか、またその経験が今後にどう活かせるのかを簡潔に伝えることが大切です。
理由によって、面接での効果的な言い回しは異なります。以下、ブランクのパターンごとに使える回答をみていきましょう。
- スキルアップに取り組んでいた
- 病気療養していた
- 子育てをしていた
- 家族の介護をしていた
スキルアップに取り組んでいた場合
空白期間中にスキルアップに取り組んでいた場合、その具体的な内容をアピールすることが大切です。たとえば、資格の取得や語学学習、専門知識の習得など、再就職に役立つスキルを磨いたことを強調しましょう。
また、学習やトレーニングの過程で得た知識を、どのように今後の仕事に活かせるのかも説明すると、ポジティブな印象を与えることができます。面接では、ブランクを自己成長のために有効に活用したと示すことが重要です。
病気療養していた場合
病気療養のためにブランクがあった場合は、無理に詳しく説明する必要はありません。しかし、現在は健康状態に問題がなく、今後の業務に支障がないことはしっかり伝える必要があります。
「療養期間を経て、今は回復しています」といったように、現状を伝えることで企業側の不安を払拭しましょう。健康が回復していることを強調し、業務に意欲的に取り組む姿勢を示すことが大切です。
子育てをしていた場合
子育てによる空白期間は、堂々と得たものを伝えることが大切です。
「子育てを通じて身についた時間管理能力や、コミュニケーション能力が仕事にも活かせる」といった形で、子育て経験がどのようにキャリアに貢献できるかを強調しましょう。
また、子育てが一段落したことや、仕事と家庭の両立が可能であることを説明し、仕事に専念できる準備が整っていることをアピールします。
家族の介護をしていた場合
家族の介護によるブランクは、誠実に理由を伝えることが大切です。
「家族の介護が必要であり、全力でサポートしました」と正直に話し、現在は介護の状況が落ち着き、再び仕事に専念できる状態であることを説明しましょう。
また、介護を通じて得た忍耐力や問題解決能力など、職場でも活かせるスキルをアピールすることで、面接官に前向きな印象を与えることができます。
空白期間はポジティブに変換しよう
空白期間があると再就職に不利になると思われがちですが、理由によってはプラスに作用することも少なくありません。スキルアップや家族のサポートなど、前向きな理由を具体的にアピールすれば大丈夫です。
ブランクの長さを気にする人もいますが、重要なのは期間の長さではなく、どのように過ごし、今後その経験をどう活かすかという点です。就職活動では、空白期間中の経験をポジティブに伝え、自分の価値をしっかりアピールしてください。