目 次
派遣先が合わずに悩む人は少なくありません
「今の職場が合っていなくて、派遣先を変えてもらいたい」
このような悩みを抱いている派遣社員は決して少なくありません。しかし、いくら正社員でなくても職場を変えることは簡単なことではなく、なかなか言い出せないという状況に陥ってしまうこともあり得ます。
そこで今回のコラムでは、派遣先を変えたいと思った場合の対処法を解説していきます。並びに、失敗しない派遣先の選び方も解説していくので、今の派遣先に悩んでいる方は参考にしてみてください。
契約終了前に派遣先を変えることは可能?
労働者派遣法により、派遣社員の契約期間は最短31日、最長3年と定められています。無期雇用派遣といった例外もありますが、一般的にはあらかじめ契約期間を決定し、その期間が終了した時点で再契約して継続、あるいは終了して次の派遣先を探すことになるでしょう。
しかし、派遣先の職場がどうしても自分に合わなかった場合や、何かトラブルが発生した場合、契約期間を終える前に派遣先の変更を希望することもありますよね。
結論からお伝えすると、契約期間中であっても退職することは可能ですが、基本的には何かやむを得ない事情が発生したケースに限られます。例えば、出産や介護といった家庭の事情が発生した場合や、体調を損ねてしまった場合、また職場でハラスメントを受けた場合が該当します。
派遣先を変えたい時の対処法
では実際に辞めざるを得ない事態に陥った場合、あるいは他の理由で退職したい、派遣先を変えたいと思った場合はどうすれば良いのでしょうか。
派遣先を変更するのは不可能ではありませんが、安易にその決断をするのはおすすめしません。今後の働き方のためにも、以下の流れで対処していきましょう。
- 悩みの原因を明確にする
- 自分の希望を明確にする
- 派遣会社に相談する
- 自分のスキルを明確にする
- 派遣先の変更or継続を検討する
悩みの原因を明確にする
まずは最初にすべきことは、派遣先を変えたいと思ったり、悩んでしまう原因を明確にすることです。
- 人間関係
- 社風
- 業務内容
など、派遣先が合わないと考える理由としてよくあるものについては後で詳しく解説していきますが、それぞれの悩みに対して対処法は異なります。しっかりと自分と向き合う時間を作って、自分が何に悩まされているのか、どこを改善すべきなのかを特定しましょう。
自分の希望を明確にする
その原因に対して自分がどのような希望を持っているのかを明確にします。
というのも、抱えている悩みは何も1つとは限りませんよね。その全てを解決できればそれが理想的ですが、もし優先順位があるのであれば、適切な順番、適切な方法でアプローチしていく必要があります。
効率良く悩みを解決、あるいは派遣先を変更するためにも、まずは自分が実現させたい部分を正確に把握しましょう。
派遣会社に相談する
今抱えている悩みと、その後実現したい希望が明確になったら、所属している派遣会社の担当者に相談しましょう。自分の悩みと希望をヒアリングした上で、適切なアドバイスをくれるでしょう。
その際、可能であればメールや電話ではなく直接顔を合わせ、具体的に内容を伝えましょう。相談内容が曖昧だと内容が正確に伝わらず、適切な解決策に辿り着けない恐れがあります。
自分のスキルを明確にする
派遣会社に相談した上で派遣先の変更を希望する際、次の派遣先を探す前に自分のスキルを確認しましょう。特に業務内容や給料に不満を持って派遣先を変えたいと考えている場合、自分のスキルが深く関係してきます。
例えば、
- もっとレベルの高い仕事がしたい
- 今より給料が高い職場に就きたい
このような希望を持っていたとしても、現時点でのスキルではその希望に沿わない可能性があります。必要であれば再度担当者に相談し、希望を叶えるために必要な条件や、そのためのステップを確認すると良いでしょう。
次の派遣先を検討する
これまで説明したことを全て踏まえた上で、別の派遣先に変えた方が良いと判断した場合、今の派遣先を辞めるタイミングと、次の派遣先を検討します。その際の注意点について解説していきます。
派遣先を変える際の注意点
派遣先を変更することになった場合、気を付けるべき項目がいくつかあります。以下の項目を覚えておきましょう。
- 派遣先に相談するのはおすすめしない
- 退職の1カ月前までに伝える
- 繁忙期を避ける
派遣先に相談するのはおすすめしない
「派遣先のことで悩んでいるのであれば派遣先の誰かに相談すべき」という考えになるかもしれませんが、派遣社員が所属しているのはあくまで派遣会社になります。派遣先の会社も迂闊に対処できず、トラブルに発展するリスクもあります。
そのため、悩みや不満についてはまず派遣会社に相談しましょう。派遣先の会社との仲介役となり、問題を解決してくれる可能性があります。
退職の1カ月前までに伝える
突然辞めると派遣先の会社に迷惑をかけることになってしまうだけでなく、派遣会社の信用も落としかねません。そのため、契約期間中に退職する場合でもできる限り期間に余裕を持って辞めるようにしましょう。
目安として退職の1カ月前までに伝えるのが望ましいです。
繁忙期を避ける
期間に余裕を持つだけでなく、繁忙期を考慮することも重要です。忙しい時期に人材を失うことはその会社にとって大きな負担になるため、辞めるタイミングについても、派遣会社の担当者とよく相談しながら計画を立てましょう。
派遣先が合わない理由・悩み
「派遣先が合わない」と感じるよくある理由・悩みについて解説していきます。前述したように、派遣先を変えるかどうかを検討する上では、まず悩みを明確にすることが大切です。
派遣先に関する悩みは大まかに以下の3種類に分けられます。
- 人間関係が合わない
- 社風が合わない
- 業務内容が合わない
それぞれいくつか例を解説していくので、自分に当てはまるものがないか確認してみてください。
人間関係が合わない
- 職場の人と打ち解けられない
- 年齢層の違いによって浮いてしまう
- どうしても合わない人がいる
派遣社員に関わらず、このような職場の人間関係に悩まされている人は大勢います。特に派遣社員の場合、正社員との間には隔たりが生まれてしまうことも珍しくなく、なかなか馴染めないというケースも多いです。
社風が合わない
- 年功序列が激しい
- 残業や休日出勤が多い
- 強制参加の飲み会やイベントが多い
このような社風の問題を抱えている派遣社員も少なくありません。同じ業種であっても、派遣先によって文化や環境は全く異なるため、派遣先を紹介してもらう際には自分の希望を事細かく伝えることが望ましいです。
例えば、大まかに「アットホームな職場」「風通しの良い職場」「女性が活躍できる職場」と伝えても、担当者によっては解釈が異なる場合があります。スタッフの人数や労働時間、業務とは別の社内行事など、できるだけ具体的な希望を持つことが大切です。
業務内容が合わない
- 想定した業務と異なる
- 業務のレベルが高すぎる/低すぎる
- 内容が自分に合っていなかった
- 給料と釣り合わない
以上のように、業務内容が自分と理想や予想と異なるケースも考えられます。この点に関しては、実際に取り組んでみないとわからない場合もありますが、できるだけ具体的な希望を持っている方が望ましいのは変わりません。
失敗しない派遣先の選び方
何か悩みや不満があってやむを得なく派遣先を変更する場合、次の派遣先では絶対に失敗したくありませんよね。
- 給与や待遇
- 業務内容
- 社風や会社の雰囲気
- 将来性
など、派遣先を選ぶ際に考慮すべき項目はいくつかありますが、前述したように、大切なのはそのような希望を具体的に持つことです。「条件が良さそう」といった大まかな理由で選ぶと、また自分に合わずに後悔してしまうリスクが高いです。
そして、その条件を詳細、かつ具体的に担当者に伝えましょう。そうすることでミスマッチを避け、快適に働ける職場に巡り合える可能性が高くなります。
1人で抱え込まず派遣会社に相談しよう
「自由でストレスなく働ける」というイメージを抱かれがちな派遣社員ですが、実際は多くの人が決して小さくない悩みを抱えていますよね。つい1人で抱え込んでしまう方も少なくありませんが、派遣社員の大きなメリットは派遣会社の担当者という強い味方がいることです。
「派遣先を変えたい」というほか、些細なことであっても気軽に相談してみましょう。