派遣社員として働く場合、まず派遣登録会(説明会)で、プロフィールやスキルの登録を行うのが一般的です。今回は、派遣登録を検討する人に向けて、登録会の流れを詳しく解説していきます。
しっかり準備できるよう、当日の持ち物や服装、注意点もまとめているので、あわせてチェックしてください。
目 次
派遣登録会の種類

派遣の登録は、主に以下3つの方法で行えます。
来社登録
派遣会社のオフィスや、指定された会場に出向いて面談を受ける登録方法です。担当者と対面で話せるため、信頼関係が築きやすく、職歴や希望条件を詳しく伝えられるのがメリットです。
スキルチェックをその場で実施するケースもあり、即日で仕事紹介につながることも少なくありません。
Web面談登録
ZoomやTeams、または派遣会社のビデオ通話ツールを使って行う、オンライン形式の登録会です。PCやスマホがあれば対応でき、自宅から気軽に参加できます。
必要書類を事前にアップロードし、当日は担当者と30分程度の面談を行うケースが一般的です。
電話登録会
PCやスマホでのビデオ通話が難しい方のために、電話のみで完結する登録方法を設けている派遣会社もあります。希望条件の確認、スキル、職歴の確認などをすべて電話で行います。
事前に履歴書や職務経歴書の提出を求められる場合もありますが、面談のハードルは低めです。ただし、表情や印象が伝わりにくいため、はっきりした受け答えと丁寧な言葉遣いがより重要になります。
派遣登録会の流れ

派遣登録会では、派遣の仕組みや紹介の流れについて説明を受けるほか、経歴の登録、面談などを行います。それぞれ詳しく見ていきましょう。
派遣の仕組みや仕事の流れなどの説明
派遣登録会では、まず「派遣という働き方の仕組み」や「仕事紹介の流れ」についての説明があります。初めての派遣登録でも安心して働けるよう、以下のような点について説明を受けるのが一般的です。
- 雇用関係の構造
- 仕事紹介から就業開始までの手順
- 給与支払いのタイミング
- 福利厚生
- 契約更新の流れ など
これらを理解することで、「紹介された仕事を受けるかどうか」の判断がしやすくなり、不安を解消してから本登録に進めます。説明は、動画や資料、担当者の口頭説明で行われ、所要時間は15〜30分ほどです。
職歴や資格などを登録
次に、職歴・資格・スキル・希望条件を登録します。来社型の登録会であれば、端末での入力か紙のシートに記入し、Web登録会では、事前に入力した内容を確認しながら必要事項を補足するのが一般的です。
入力内容には、次の項目が含まれます。
- 過去の勤務先や経験年数
- 担当業務と使用したツール(Excel、Word、会計ソフトなど)
- 保有資格・語学力 など
このほか、希望する職種や勤務時間といった条件面も簡易的に登録します。これらの情報は、求人マッチングのベースになる重要な部分なので、できるだけ正確かつ具体的に記載しましょう。
コーディネーターとの面談
登録情報の入力が終わると、派遣会社のコーディネーターと個別面談が行われます。ここでは、登録情報に基づいて、職歴の詳細や希望条件、就業に関する悩みなどを直接ヒアリングします。
面談時間は15〜30分ほどで、主に以下のような点について質問されます。
- どのような仕事を探しているか
- 過去の職場で得たスキル
- 働ける曜日や時間帯
- 職場環境への希望 など
派遣登録の面談は、雑談を交えながらリラックスした雰囲気で進められることが多いです。ここでの印象や伝え方が、のちに紹介される案件に大きく影響するため、素直かつ前向きな姿勢を意識しましょう。
派遣登録会の持ち物

一般的な派遣登録の持ち物は、以下のとおりです。
- 身分証明書(マイナンバーカードや運転免許証など)
- 印鑑
- 預金通帳またはキャッシュカード(給与振込用)
- A4サイズの書類が入るバッグ
- 筆記用具
このほか、派遣会社から指示がある場合は、職務経歴書を持参するケースもあります。筆記用具は、持ち物として記されていないこともありますが、持っていると安心です。
派遣登録会に適した服装
派遣登録会に参加する際の服装は、清潔感と、ビジネスシーンを意識したオフィスカジュアルが無難です。
第一印象は重要なので、年齢や性別を問わず、誠実で信頼できる印象を与える服装を心がけましょう。希望する業界が、金融や官公庁の場合は、スーツで真面目さをアピールするのも一案です。
基本的には私服でも問題ありませんが、ノースリーブや短パン、ジャージ、派手過ぎる服などは、不適切と思われるので避けましょう。
派遣登録する際の注意点

派遣登録からスムーズにお仕事につながるよう、登録会での注意点を確認しておきましょう。
スキルや経歴などで嘘をつかない
スキルや経験は、実際より良く見せたい気持ちになるかもしれませんが、嘘や誇張は、ミスマッチや信用を失う原因になります。派遣の仕事は、基本的に即戦力が求められるので、経歴と実務にギャップが発生すると、契約が打ち切りになることもあります。
自信がない部分は正直に伝え、「勉強中です」「学ぶ意欲があります」と補足することで、誠実さと前向きな姿勢をアピールしましょう。
アピールポイントをまとめておく
派遣登録では、希望に合った仕事を紹介してもらうため、自分の強みや得意なことをしっかり伝える必要があります。職務経歴を並べるだけでなく、「何ができて、どんな場面で活かせるか」といった具体的なエピソードを用意しておくと効果的です。
たとえば、電話応対や会計ソフトの操作といったスキルに加え、「周囲との連携を意識していた」「ミスの少ない作業を心がけていた」などの姿勢も評価対象になります。
マナーや身だしなみに気を配る
登録面談は、企業との面接に等しいと考え、基本的なマナーや身だしなみに気を配りましょう。服装は、清潔感のあるオフィスカジュアルが理想で、派手すぎず落ち着いた色合いが好印象を与えます。
また、面談では相手の目を見て話す・聞く姿勢を示す・質問にははっきり答えるといった、ビジネスマナーの基本も意識してください。Web面談の場合も、身だしなみを整え、静かな場所で参加するなどの配慮が必要です。
遅刻やキャンセルは電話連絡を
やむを得ず遅刻、欠席する場合は、事前に電話で連絡を入れるのが、社会人としてのマナーです。無断欠席は、信頼を大きく損ない、今後の紹介対象から外される可能性があります。
連絡手段の指示がない限り、電話で連絡して謝意を伝えるほか、必要であれば再調整の希望を伝えましょう。このときの丁寧な対応が、担当者との信頼関係を築く大きな一歩になります。
別の派遣会社に登録している場合は申告を忘れない
ほかの派遣会社にすでに登録している場合、あるいは選考中・就業中である場合は、新たに登録する派遣会社に必ず申告しておきましょう。これは、二重応募のリスクを避けるために重要です。
二重応募が発覚すると、企業側から「信頼できない候補者」と見なされてしまい、どちらの会社経由でも採用されない可能性があります。また、派遣契約の重複、顔合わせのダブルブッキングなどを未然に防ぐうえでも、登録状況の開示は必須です。
ただし、派遣会社の名前や、詳細をすべて話す必要はありません。「他社にも登録しており、選考中の案件があります」と、伝えるだけで十分です。
登録会後の流れ

登録会後の流れは以下のとおりです。
- 仕事の紹介
- 派遣先企業との顔合わせ
- 就業開始
派遣登録会が完了すると、登録内容や希望条件に基づいて仕事の紹介が始まります。紹介される仕事は、職種、勤務地、就業時間、時給、契約期間、派遣先企業名などの情報を確認したうえで、応募するかどうかを検討できます。
人気の案件は早く決まるケースもあるため、興味がある場合は、早めに意思表示しておきましょう。希望する仕事に応募し、社内選考を通過すると、次に職場見学(顔合わせ)が行われます。
職場見学では、職場の雰囲気や実際の業務内容を確認できるため、自分に合っているかを判断して決めることが可能です。その後、派遣先・派遣会社・派遣社員の合意によって、就業開始となります。
派遣登録会の流れを押さえてスムーズに仕事を探そう
派遣の登録会は採用面接ではないものの、このときの対応で、紹介されやすくなったり、逆に紹介が難しくなったりします。登録会の流れを把握して事前準備を行うほか、マナーや身だしなみについても確認しておきましょう。
登録会で、担当者によい印象を与えられると、派遣の仕事がスムーズに見つかりやすくなります。