給料の高い工場勤務に興味はあるものの、「体力的にきつそう」「自分にできる?」と不安を感じていませんか。
工場によって仕事内容はさまざまで、体力が必要な場合もあれば、比較的負担の少ない軽作業のみといった仕事もあります。
この記事では、工場勤務の給料が高くなる理由について解説します。各種手当や勤務形態もまとめているので、ぜひ仕事探しの参考にしてください。
工場の給料が高い理由
「工場の仕事はきついから給料が高い」と考える人もいますが、前述の通り、仕事内容は業種によってさまざまです。工場の給料が高い理由について詳しく解説します。
残業・夜勤がある
工場勤務は、繁忙期や人手不足など、さまざまな理由により残業が多くなる場合があり、残業代が加算された分給料が高くなります。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」によると、調査対象の平均所定外労働時間が10.1時間なのに対し、製造業は14.4時間と平均を上回っており、残業時間が多いことが分かります。
また24時間稼働する工場では夜勤があり、22〜5時までの深夜労働には1.25倍以上の割り増しが義務付けられているため、夜勤手当が加算されれば、さらに給料が上がるでしょう。
ただし、三交代制の場合には割り増しが付かない時間帯があるので注意が必要です。
手当がつく
残業や夜勤手当のほかにも、職種によってさまざまな手当があり、製造業では下記の手当が一般的です。
- 特殊勤務手当
- 役職手当
- 資格手当 など
特殊勤務手当は危険な作業に対して割増賃金が支払われ、工場勤務では作業内容によって「高所作業」や「爆発物取扱等作業」などに対して手当がつく場合があります。
また「衛生管理者」や「機械保全技能士」といった作業に必要な資格を持っている場合にも手当がつき、特定の役職がついたときに多くの場合で手当が支給されます。
需要がある
ひとくちに工場勤務と言っても業種は多岐にわたり、自動車、食品、医療機器などさまざまな業種があります。
そのため製造業は常に人手不足で求人も多く、繁忙期に合わせて期間限定の従業員を雇ったり、人員が足りない時間帯に働ける人を募集していたりします。
人材を確保したい企業の気持ちが、給料に反映されていると考えて良いでしょう。
工場勤務の年収は?
厚生労働省の調べによると、製造業の平均給与は約30万円/月と、他の業種と比べて特別高いわけではありません。しかし、さまざまな手当やボーナスが加算されることで金額が上がります。
企業の規模や業績によって異なりますが、令和4年の製造業平均賞与額は約104万円となっています。そのためボーナスがない場合には、給料が安いと感じるかもしれません。
企業の規模または業種によって平均賃金に差があり、化学工業や情報通信機器などの製造は食品の製造に比べて給料が高い傾向にあります。
工場勤務の給料が高くなる勤務形態
手当や残業代のほかにも、勤務形態によって給料が高くなる場合があります。
給料が高くなる勤務形態について解説します。
正社員
製造業の正社員は、多くの場合でパートやアルバイトに比べ年収ベースで100万円ほど給料が多く、さまざまな役職があるため手当がつきやすいといえます。
多くの場合で勤続年数に応じて給料が上がり、管理職になるとさらに月の給与やボーナスが増えると予想されます。工場勤務で高い給料が欲しい場合は、正社員として働くと良いでしょう。
期間工
期間工(期間従業員)は、繁忙期や人員が確保できない時期などに期間限定で雇用されます。
社員同様に残業代や夜勤手当も支給されるほか、条件はありますが「入社祝い金」や「慰労金」「満了金」などが支払われるケースもあり、短期間で見れば正社員よりも稼げる勤務形態です。
期間が決められているため、期間満了に伴い辞めなければなりませんが、勤務評価が高い、企業の業績が良いなど条件が揃えば社員に登用される可能性もあります。
夜勤専属
生産ラインが24時間稼働している工場では夜勤があり、深夜労働は日勤の1.25倍以上の給料が支払われます。日勤に比べ残業は少ないですが、同じ時間勤務した場合は夜勤専属の方が高給なので効率的に稼げるでしょう。
しかし生活リズムが崩れる、家族や友人と行動時間が合わないなどのデメリットがあるほか、18歳未満は夜勤専門では働けないので注意が必要です。
工場勤務で給料を上げる方法
工場勤務でさらに給料を上げたい場合には、下記のような方法があります。積極的に行動し、収入をアップさせましょう。
資格を取る
年齢や勤続年数による昇給だけでは、給料が上がるのに時間がかかるうえ、会社の業績や勤務評価により必ず基本給が上がるとは限りません。
下のような資格を取得すれば、多くの場合で資格手当がつき、転職の際にも有利になるのでおすすめです。
- CAD利用技術資格
- フォークリフト免許
- QC検定
- 衛生管理者
- 危険物取扱者
役職に就く
役職に就き、チームの責任者や管理者になることで基本給が上がり、手当が支給される場合があります。責任が増えるため仕事は大変になるでしょうが、給料を上げるためには必要です。
責任者や管理者は、ほとんどのケースで正社員から選ばれるため、正社員として勤務していると役職に就ける可能性が高くなります。
同業種に転職する
ある程度働いてから同業種に転職すると、経験が評価されたり、即戦力として好条件で入社できたりする場合があります。転職先を探す段階でも、業界の状況が分かるため、業績の良い企業や給料の良い企業を選びやすくなるでしょう。
また、多くの場合で取得した資格を活かすことができることも、同業種へ転職するメリットといえます。
工場勤務に向いている人
工場はマニュアルやルールがしっかり定められているので、未経験でも働きやすい職場といえます。
しかし、他の仕事と同じように向き不向きがあるので注意が必要です。工場勤務に向いている人の特徴を紹介します。
黙々と作業したい
工場勤務では、1人で作業することが多く、集中して黙々と作業したい人に向いています。安全確認のために声を掛け合ったりすることはありますが、接客業や営業職と違い、常に周囲とコミュニケーションを取る必要がないため、会話が苦手という方にも向いています。
決められた作業をコツコツとこなすのが得意な人は、工場勤務に向いているでしょう。
不規則なシフトでも平気
多くの工場ではシフト制が採用されており、「土日休み」といった固定の休みではなく、工場のスケジュールに応じて従業員の休日が決まります。
24時間稼働している工場には夜勤業務があり、多くの場合交代制で夜勤に入ります。夜勤は、24時間を2つの時間帯に分ける「二交代制」と、3つの時間に分ける「三交代制」があり、一定の期間で生活リズムが変わるため、変化に対応できる人は向いているでしょう。
単調な作業が好き
工場では、自分の担当する作業が決められていることが多く、基本的には与えられた作業をこなす業務になります。そのため単調で変化の少ない作業が好きな人には、工場勤務が向いているといえるでしょう。
イレギュラーに対応することもほぼないので、飽きずにコツコツとやり遂げられる人には工場がぴったりです。
工場勤務は手当や残業代がつきやすい
工場勤務の基本給は、他の業種に比べて特別高いわけではありませんが、さまざまな手当や残業代などが加算されて高くなる傾向にあります。「正社員」「期間工」といった勤務形態で収入が上がるほか、専門的な資格を取ったり役職に就いたりすることで、さらに高収入を得られる可能性があります。
目の前の仕事に集中して、コツコツとこなせる人は工場勤務に向いているといえます。あなたに合った工場の仕事を探してみましょう。