派遣社員として働くことを考えている人の中には、働き方や登録に関して不安を感じている人もいることでしょう。しかし、基本的な派遣の知識や、仕事を始める流れなどを知っておけば、不安は解消できます。

そこで今回は、初めて派遣で働く人が知っておきたい基礎知識と、派遣登録で押さえておきたいポイントを解説していきます。早く仕事を決めるための方法もまとめているので、あわせてチェックしてください。

派遣の基礎知識

派遣社員は正社員やパート、アルバイトとは違う働き方になります。まずは、派遣の基礎的な知識を把握しておきましょう。

働き方の種類

派遣の働き方には、大きく分けて以下3つの種類があります。

  • 登録型派遣:有期で雇用契約を結び、満了に伴って更新されなければ雇用契約は終了する
  • 常用型派遣:無期雇用契約を結ぶため、仕事がない間も給与が発生する
  • 紹介予定派遣:一定期間派遣として働いた後、双方の合意によって直接雇用に切り替えられる

一般的に登録型派遣として働き始める人が多く、3か月や6か月といった単位で契約満了や更新を繰り返します。紹介予定派遣は直接雇用を前提としていますが、正社員だけでなく、契約社員の可能性がある点には注意が必要です。

派遣会社・派遣先との関係

派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の企業で働く仕組みになっています。給与の支払いや社会保険の手続きなどは派遣会社が行い、業務の指示は派遣先企業から受けるという働き方が特徴です。

これは正社員やパート、アルバイトと大きく違う点で、労働基準法などの適用範囲も変わることがあります。また、派遣社員はあくまでも派遣会社と雇用関係にあるため、時給や待遇などについて派遣先に直接交渉してはいけません。

お仕事までの流れ

派遣として働くためには、まず派遣会社に登録する必要があります。基本的に、以下の流れで進んでいくのでチェックしておきましょう。

  1. 電話・Web・対面のいずれかで派遣会社に登録する
  2. 登録会でスキル情報などを入力し、エントリーする
  3. 仕事の紹介を受ける
  4. 派遣先企業で顔合わせをする
  5. 雇用契約を締結する
  6. 就業を開始する

すべての段階で、わからないことや不安なことがあれば、派遣会社の担当者に相談してください

初めての派遣登録で押さえておきたいポイント

初めての派遣ではわからないことが多く、不安になるかもしれません。しかし、以下のポイントを押さえておけば大丈夫です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

身だしなみに気を配る

派遣会社の担当者は、あなたの雰囲気やマナーを見て派遣先に紹介できるかどうかを判断します。清潔感のある服装を心がけ、仕事に適した格好で行くのがおすすめです。

オフィスワークを希望する場合は、シンプルなビジネスカジュアルが適しています。過度なメイクや派手なアクセサリー、シワ、汚れのある服装は避け、香水のつけすぎにも注意してください。靴やカバンなどの小物も意外と目につくポイントなので、汚れがないか事前にチェックしておきましょう。

時間を守る

派遣登録の面談や説明会では、時間厳守が基本です。約束の時間に遅れることは、派遣会社からの評価を下げる原因になります。登録の段階でルーズな印象を与えてしまうと、良い案件を紹介されにくくなる可能性があるので注意しましょう。

面談の当日は渋滞、道に迷うリスクなどを考え、10分前には到着できるように余裕をもって行動してください。体調が悪くて欠席する、トラブルで遅刻するといった場合は、すぐに派遣会社に連絡します。

受け答えは明朗に

受け答えの声が小さすぎたり曖昧な表現をしたりすると、自信がない印象を与え、派遣会社に「この人を紹介しても大丈夫か」と不安を抱かせることになります。希望条件やこれまでの職歴などの質問に、明確に答えられるように準備しておきましょう。

面談中は適度なアイコンタクトを心がけ、相手の話をしっかり聞く姿勢を示すことも大切です。感じの良い受け答えができれば、担当者からの信頼も得られ、希望に合った仕事を紹介してもらいやすくなります。

紹介を断るときは理由を伝える

派遣会社から仕事を紹介された際、すべての案件を受ける必要はありません。しかし、単に断るのではなく、必ず理由を伝えましょう。

理由をあやふやにしておくと、ミスマッチを繰り返すことになりかねません。具体的な理由を説明することで、派遣会社も次回以降、あなたに合った案件を紹介しやすくなります。ただし、あまりにも頻繁に断ると、「仕事を紹介しにくい人」と判断されかねないため、ある程度の柔軟性を持ちながら対応しましょう。

初めての派遣で早く仕事を決める方法

派遣登録をした後、仕事が決まらなければ働き始めることはできません。ここでは、早く仕事を決めるためのポイントを解説します。

希望を絞りすぎない

派遣の仕事を早く決めるためには、希望条件を柔軟にすることが重要です。たとえば、次のようにこだわり過ぎると、マッチする仕事が限られます。

  • 時給1,500円以上
  • 自宅から30分以内
  • 服装髪色自由
  • 残業なし など

もちろん譲れない条件があってもかまいませんが、優先順位をつけておかないと、選択肢が狭まります。最初から理想の条件にこだわりすぎるとなかなか仕事が決まらないため、まずは働いて経験を積みながら条件を調整していくのも一案です。

担当者とのやり取りはスムーズに

早く仕事を始めるためには、担当者とのやり取りをスムーズに進めることが大切です。派遣会社には多くの人が登録しているため、対応が遅ければ他の人に仕事が決まってしまいます

メールや電話での連絡には迅速に対応し、紹介された仕事に興味がある場合はすぐに意思表示をしましょう。面談の日程調整などもできるだけ早く行い、無駄な時間を減らすことが重要です。

スムーズなやり取りができる人は派遣会社から信頼されやすくなるため、仕事が途切れにくくなります。

複数の派遣会社に登録する

派遣会社ごとに取り扱う求人が異なるため、登録する会社が多いほど選択肢は広がります。派遣会社によってサポート体制や得意とする業界が異なるため、複数登録しておけば自分に合った仕事を見つけやすくなります

登録時には、それぞれの会社の特徴を確認し、信頼できる会社を選びましょう。ただし、あまりにも多く登録すると管理が大変になるため、3〜5社程度に絞って効率的に仕事探しを進めてください。

就業初日の注意点

就業初日には、以下の点を意識するとよいでしょう。

  • 時間に余裕を持って行動する
  • 身だしなみに気をつける
  • 挨拶と自己紹介をしっかり行う
  • メモを取る
  • 職場のルールや雰囲気を確認する
  • 仕事の指示は素直に聞き、わからないことは確認する

初日は緊張しますが、基本的に派遣会社の担当者が付き添ってくれるので安心してください。ここでも第一印象が大切になるため、身だしなみに注意し、きちんと挨拶をして気持ちよく仕事が始められるようにしましょう。

のちのち困らないよう、わからない点は遠慮なく確認して、メモをとっておくと安心です。

初めての職場では「早く馴染まなければ」と焦るかもしれませんが、無理をするとあとで辛くなるため、自然体で過ごすことが大切です。不安を感じたり、心配事があったりする場合は、早めに派遣会社の担当者に相談しましょう。

初めての派遣をスムーズにスタートさせよう

派遣社員として働くためには、派遣登録を行い、派遣会社の面談や派遣先との顔合わせを経て仕事を決めなければなりません。あまりに条件を絞り込み過ぎたり、第一印象で良くないイメージを与えたりすると、仕事が紹介されにくくなるので注意が必要です。

担当者とスムーズに連絡を取り合うほか、複数の派遣会社に登録するなどして、効率的に仕事を探しましょう。就業前も後も、何かわからないことや心配事があれば、すぐに担当者に相談してください。