フォークリフト資格の取得を検討するにあたって、その難易度は気になるところです。とくに、就活や転職に必要な場合、取得にかかる期間も重要なポイントになります。
そこで今回は、フォークリフト技能講習の内容と難易度について解説していきます。講習期間や費用などもまとめているので、申し込みの前に確認しておきましょう。
目 次
フォークリフトの概要と操縦に必要な資格

まずは、フォークリフトの概要と、操縦に必要な資格について確認しておきましょう
フォークリフトとは
フォークリフトとは、荷物の積み下ろしや運搬を効率的に行うための車両で、一般的にパレット積みされた荷物を扱う現場で広く利用されています。先端にあるフォーク(爪)を差し込んで荷物を持ち上げ、水平に移動することが可能です。
工場、倉庫、港湾、建設現場などさまざまな現場で活躍し、荷役作業の省力化と効率化は欠かせない存在です。さまざまな種類があるほか、エンジン式とバッテリー式に分けられ、用途や作業環境に応じて使い分けられています。
操縦には免許が必須
フォークリフトの操縦をするためには技能講習を受ける必要があり、無資格での運転は禁止されています。フォークリフトの操作においては、フォークリフト運転技能講習の修了が義務付けられており、講習修了者には技能講習修了証が交付されます。
この講習には、実技と学科の両方が含まれ、安全運転の基礎知識や荷役作業時の注意点、車体構造の理解などを学びます。
免許取得後は更新の必要なし
フォークリフト運転技能講習を修了し、修了証を取得すれば、その後の更新手続きは原則として不要です。これは自動車運転免許とは異なり、有効期限が設定されていないためです。ただし、運転者として安全に業務を行うためには、定期的な実技訓練、職場での安全講習などを受けることが推奨されます。また、現場ごとに異なる作業環境や車両の仕様に応じて、実務に即した訓練が必要です。
万が一、重大な事故を起こしたり、運転技術に不安があったりする場合には、事業者が再教育や再訓練を行うこともあります。
フォークリフト資格を活かせる業種は?
フォークリフトの運転技術は、以下、幅広い業種で活かすことができます。
- 物流
- 製造
- 建設
- 農業
- 小売 など
とくに需要が高いのは物流業界で、荷物の積み下ろしや仕分け作業において、フォークリフトを操作できる人材は欠かせません。このほか、ホームセンターや大型スーパーなどの小売業でも、店舗裏での搬入・整理業務にフォークリフトが使われており、免許があると即戦力として評価されやすいです。
フォークリフト免許は、業種を問わず、現場作業を支える重要なスキルとして安定したニーズがある資格といえます。
フォークリフト資格の難易度

フォークリフト技能講習の難易度を、受験資格や合格率とともに確認していきましょう。
受験資格
フォークリフト運転技能講習は、年齢や学歴に関係なく、18歳以上であれば誰でも受講することができます。特別な資格や経験も必要ないため、多くの人が挑戦しやすい資格です。
講習は、次の二つに分けられるため、職種や現場によって適切な講習を選んでください。
- 運転技能講習:最大荷重1t以上の機種が対象
- 運転特別教育:最大荷重1t未満の機種が対象
ただし、フォークリフトが公道を走る場合には、別途、適した運転免許を持っている必要があります。
合格率
フォークリフト技能講習の合格率は非常に高く、全国平均で90%を超えています。実技・学科ともに、基礎的な内容が中心になるため、基本をしっかり押さえていれば合格は難しくありません。
講習を最後まで真面目に受講し、指導内容をきちんと理解すれば、ほとんどの人が問題なく修了できます。
ただし、運転経験がない、機械に不慣れといった人には、ハードルが高いケースもあります。その場合は、実技に備えてシミュレーション動画などで感覚をつかんでおきましょう。
取得にかかる日数
修了証取得までの日数は、受講者の保有資格や実務経験によって異なります。たとえば、運転免許証、実務経験がともにないケースでは、4日間の講習が必要です。
この場合は、学科11時間、実技24時間、計35時間の講習を、連続した日程で受講するのが一般的です。一方、すでに大型特殊免許を持っている、実務経験が一定以上あるという人は、講習時間が短縮されて2日間程度になることもあります。
フォークリフト免許の費用
受講にかかる費用は、保有資格や講習内容によって異なりますが、一般的に3万円から5万円程度が相場です。たとえば、普通自動車免許を持つ方が受講する31時間コースは、テキスト代や写真代などの諸費用を含めて4万円台になることが多いです。
一方、大型特殊免許保有者などは、受講時間が短縮され、料金が2万円台にとどまるケースもあります。詳細な費用は、各教習所の公式サイトなどで確認しましょう。
フォークリフト技能講習は、ハローワークの給付制度や、会社を通じた助成金を利用できる場合があります。たとえば、個人で受講する際に活用できる教育訓練給付金制度では、受講料の20%が支給されます。
こうした制度を活用することで負担を軽減できるので、ハローワークや勤務先の担当者に相談し、利用できるか確認してみましょう。
フォークリフト免許の取得手順

技能講習の申し込みから、修了証発行までの流れを確認しておきましょう。
申し込み
フォークリフト技能講習を受けるためには、まず教習を行っている講習機関への申し込みが必要です。申し込みは、窓口での直接申請や、インターネット、電話などで行えます。
申込時には、本人確認書類のほか、証明写真の提出を求められることもあるので、事前に確認し、用意しておきましょう。すでに大型特殊免許を持っている場合などは講習時間の短縮が可能なため、申し込み時に該当する条件を確認してください。
フォークリフト技能講習のみ受ける場合の費用は3〜5万円で、申し込み時に一括で支払うケースがほとんどです。
学科講習・試験
学科講習では、フォークリフトの構造、操作方法、法令、安全に関する基礎知識を学びます。運転免許を持っている場合の受講時間は7時間で、1日目に試験まで実施されることが多いです。
試験の難易度はそれほど高くなく、しっかり講習を受けていれば十分に合格できるレベルです。心配な場合は、事前にテキストなどを購入して、予習しておくとよいでしょう。
実技講習・試験
実技講習では、実際にフォークリフトを操作しながら、基本的な動作や荷物の運搬、パレットの積み下ろしといった実務に即した操作技術を習得します。講習時間は、コースによって変わりますが、一般的な31時間コースでは、24時間の実技講習が必要です。
ここでは、エンジンの始動・停止に始まり、フォーク操作、運搬、安全確認の手順などの指導を受けます。最終日には実技試験があり、操作に大きなミスがなければ合格できます。
修了証はその日のうちに発行されるケースが多いものの、開催元によっては2週間程度かかることもあります。
修了証を紛失した場合は速やかに再発行

万が一、修了証を紛失した場合は、速やかに再発行の手続きを行ってください。修了証は、フォークリフトの運転を行う際に資格を証明する書類になり、勤務先や現場で提示を求められることもあります。
再発行の手続きは、講習を受講した教習機関で行います。別の教習所では再発行できないため、受講した場所を把握しておきましょう。
手続きには、本人確認書類や再発行申請書が必要になるほか、証明写真の提出や手数料(数百円〜数千円)がかかる場合もあります。再発行は1週間程度かかるため、業務に支障が出ないよう、早めに申請してください。
再発行後は原本の紛失を防ぐため、コピーを保管したりデジタル化したりしておくのも有効です。
フォークリフト技能講習を受けてみよう!
フォークリフトを操作するためには、技能講習を受けなければなりません。この試験の難易度はそれほど高くなく、多くの人が修了証を取得しています。
運転免許や実務経験など、条件によって受講時間と費用が変わりますが、最長4日、4万円ほどで取得が可能です。しっかり講習を受ければ十分合格できますが、不安な場合は予習しておくと安心です。