HSS型HSPは、その特性ゆえに「仕事が続かない」「合う仕事がわからない」といった悩みを持つ人が少なくありません。

繊細でありながら刺激も求める気質は、業務内容によっては過度の疲労やモチベーション低下の要因になります。一方で、適性のある仕事に就ければ、その特性を強みとして発揮することが可能です。

このコラムでは、HSS型HSPの特徴とともに、向いている仕事について解説していきます。避けるべき仕事も紹介しているので、あわせてチェックしてください。

HSS型HSPの特徴

HSS型HSPとは、「HSP(Highly Sensitive Person)」と「HSS(High Sensation Seeking)」の特性を併せ持つとされる気質を指します。なお、HSPは医学的な診断名ではなく、個人の特性(気質)を説明する概念です。この特性を持つ人の特徴は以下のとおりです。

  • 刺激は好きだが疲れやすい
  • 社交的なようで目立つのは嫌い
  • 発想力・洞察力がある
  • 責任感があり完璧主義

これらの特性は、働くうえでの強みにも弱みにもなります。

刺激は好きだが疲れやすい

HSS型HSPは、新しい場所や人、企画、アイデアなどに強く惹かれ、変化のある日常を好む傾向があります。そのため単調な環境では物足りなさを感じやすく、自ら刺激を求めて行動することも多いです。

一方、感覚処理の面ではとても繊細なため、刺激を受ける量が多くなりすぎると心身が急激に疲弊します。たとえば、楽しいイベントや交流の後に、どっと疲れが出たり、一人にならないと回復できなかったりするのは典型的な特徴です。

社交的なようで目立つのは嫌い

会話力や共感力が高く、初対面の人とも打ち解けられるHSS型HSPは、周囲から社交的な人だと思われがちです。場の空気を読むのも得意なので、人間関係を円滑にする役割を担うといったこともあります。

しかし、注目を浴びたり、高く評価されたりするほどにストレスを感じる人も多く、いかに目立たず貢献するかに気をもむこともあります。社交性と内向性が同時に存在するので、周囲のイメージと本音のギャップによる悩みが生じやすいです。

発想力・洞察力がある

HSP由来の感覚の鋭さとHSSの好奇心が組み合わさり、独自の発想力や深い洞察力を発揮しやすい点も特徴です。物事の表面だけでなく、その背景や人の感情、将来的な影響などにも考えが及ぶため、アイデアに深みが出やすくなります。

また、刺激を求めてさまざまな経験をしているので、異なる分野の知識、視点を結び付けて取り入れることも可能です。ただし、考えすぎて行動に移せない、細部に意識を向けすぎて疲れてしまうと感じる人もいます。

責任感があり完璧主義

周囲の期待や空気を敏感に察知するため、自然と責任を背負いやすくなるのも特徴の一つです。自分に厳しくなりがちで、仕事や役割に対して高い成果を求める完璧主義的な一面も持っています。

その姿勢が他者から信頼されやすい一方で、完璧を求めるあまり心身の限界を超えてしまうことも少なくありません。また、HSPとしての気質から、失敗や指摘に対して過度に落ち込んだり、何度も振り返って自分を責めたりする傾向があるのも特徴です。

HSS型HSPに向いている仕事

HSS型HSPには、その特性を無理なく活かせる仕事が向いています。飽きにくい、自分の感受性を発揮できるといった内容の仕事に就くと続けやすいでしょう。

適度に変化がある

HSS型HSPにとって、毎日同じ作業を繰り返す仕事は刺激が少なく、意欲を失う原因になります。一方で、変化が激しすぎる環境や緊張を強いられる職場では、感受性の高さゆえに心身が消耗してしまうので、適度な変化がある仕事が理想的です。

たとえば、案件ごとに内容が変わる業務や、顧客やテーマが定期的に入れ替わる仕事なら、好奇心を満たしつつも過度な刺激を避けられるでしょう。とくに、自分で業務のペースや関わり方を調整できる職種ほど、無理なく力を発揮しやすいです。

クリエイティブな仕事

感受性の高さと洞察力、そして新しいものへの関心が組み合わさっているHSS型HSPの気質は、クリエイティブな分野と相性が良いです。文章、デザイン、企画、アイデア出しなど、正解が一つではない仕事で、独自の視点や感覚を活かすことができるでしょう。

ただし、締切や評価が厳しすぎる環境では完璧主義が発揮されて疲弊しやすいため、ある程度、自分の裁量が大きくなる働き方を選ぶことが重要です。

柔軟な働き方が可能

HSS型HSPは、その日の体調や刺激量によってパフォーマンスが大きく左右されるため、働き方に柔軟性がある仕事ほど適性が高いといえます。たとえば、リモートワークやフレックスタイム、副業が認められている環境なら、刺激を受けすぎた日は休息を取り、調子の良い日に集中して取り組むといった調整が可能です。

決まった型に無理に合わせるのではなく、自分に合わせて仕事を設計できることが、長期的な安定と成長につながります

HSS型HSPが避けるべき仕事・環境

自分の特性に合わない仕事を選んでしまうと、過剰なストレスを受けたり、続けるのが困難になったりします。向いていない環境や仕事内容を避けることで、安定して働ける可能性が高まります。

業務内容がきっちり決まっている

HSS型HSPにとって、業務の手順や役割が細かく固定され、裁量の余地がほとんどない仕事はストレス要因になりがちです。HSSの気質で「変化や工夫」を求めるほか、環境から受ける刺激に敏感なHSPでもあるので、ルールに縛られて評価やミスを気にし続ける状態が続くと、精神的な消耗が激しくなります。

また、決められたやり方以外が認められない環境では、自分なりの改善案や発想力を活かすことができず、やりがいを感じにくくなることもあるでしょう。

ノルマが厳しい

数値目標や成果ノルマが常に厳しく設定されている環境は、HSS型HSPにとって強いプレッシャーになります。HSPの気質で評価や他人の反応に敏感なため、成果が明確に可視化される状況では、常に緊張状態にさらされることになりかねません。

また、責任を強く感じやすい人は、未達が自己否定につながることもあるので注意が必要です。安定して力を発揮するためには、成果だけでなく、過程、工夫が評価される環境が適しています。

従業員同士の距離感が近い

職場の人間関係が密接で、常に周囲と関わることが前提となる環境も、HSS型HSPには負担になりやすいです。人の感情、その場の空気を敏感に察知するため、ちょっとした表情や言葉の変化が気になり、無意識のうちにエネルギーを消耗してしまいます

HSS型HSPは社交的に見えますが、一人で思考を整理する時間が必要な気質です。そのため、他人と必要なときだけ関われる環境のほうが、安心して本来の力を発揮できます。

【HSS型HSP】仕事探しのコツ

HSS型HSPが仕事を探す際は、以下の点を意識するのがおすすめです。

  • したいこと・したくないことを明確にする
  • 向いていない仕事を避ける
  • 転職サイト・エージェントを活用する

仕事探しでは、何ができるかよりも、「何をすると消耗するのか」「どんな環境だと安心して働けるか」を意識する必要があります。たとえば、業務内容が過度に固定されている仕事、競争やノルマがある職場などは負担になりやすいため、避けるのが賢明です。

また、自分の特性を言語化するのが苦手な場合は、転職エージェントなどを活用するのがおすすめです。職場の雰囲気など、求人票ではわからない情報も得られるので、自分に合った仕事が見つけやすくなります。

HSS型HSPの強みを活かして適職を見つけよう

HSS型HSPは、繊細さと好奇心の強さを併せ持つ気質です。特徴としては、刺激を求めるものの疲れやすい、社交的なようで目立つことは好まないといった点が挙げられます。

こうした特徴は強みにも弱みにもなるため、できるだけ特性を活かせる仕事を選びましょう。たとえば、適度に変化があり、自分の裁量が大きい仕事は、HSS型HSPに向いています。

このほか、アイデアを形にできるクリエイティブな業務や、働く時間を柔軟に設定できる環境を選ぶと、長期的かつ安定して働ける可能性が高まります。自力で特性を言語化するのが難しい場合は、転職エージェントなどを活用するのも有効な手段です。

※本記事は自己理解の参考情報であり、感じ方には個人差があります。日常生活や就労に支障が大きい場合は、専門家への相談も検討してください。