現職に何らかの不満や違和感があり、何となく転職したいと考えていても、次にやりたいことが見つけられないので踏み切れないと悩む方は多くいます。このような状態で転職しても、また同じことの繰り返しになるのではないかと悩む方もいるでしょう。
しかし、実際に転職をしたことがある人でも、最初から明確な目標やゴールを決めて行動した人ばかりではありません。ちょっとしたきっかけで、上手に転職を叶えた人も多くいるのです。
今回は、やりたいことがない人が転職するためにするべきことを具体的に解説します。適職を見つける方法や、転職に関する相談相手なども紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
やりたいことがなくても転職できる?
転職経験がない方は、「やりたいことがなければ転職が上手くいかないのではないか」と悩むことがあると思います。やりたいことが見つからないという理由で、転職に踏み切れない人もいるでしょう。
しかし、実際は具体的にやりたいことが見つかっていなくても、転職してキャリアアップやジョブチェンジを叶えることが可能です。全ての転職経験者が、明確にやりたいことを見つけてから転職したわけではありません。
とはいえ、やはり次の目標ややりたいことが見つからないまま転職しても大丈夫なのかと、不安になる気持ちもわかります。そのような方は、なぜ自分がやりたいことを見つけられないのか、その原因を探ることで適職を見つける方法がわかり、やりたいことを明確にできるかもしれません。
やりたい仕事が見つからない原因は、次章で詳しく解説します。どの原因が自分に当てはまるか考えてみましょう。
やりたい仕事が見つからない原因
やりたい仕事が見つからない原因は、主に以下の4つが考えられます。
- 世の中にある業種・職種についてよく知らない
- 自分自身を掘り下げ切れていない
- 転職したい明確な理由がない
- 待遇や休日などの条件を重視しすぎている
世の中にある業種・職種についてよく知らない
世の中には様々な仕事が溢れています。しかし、まだどのような仕事があるのかよく知らないが故に、やりたい仕事が見つけられないという可能性があります。
2022年に発表された「第5回改定 厚生労働省編職業分類」によると、18,725種類の仕事があるとされています。これほどの仕事があれば、何かあなたの興味・関心が湧くような仕事もきっとあるはず。
世の中にある仕事を幅広く知ることで、やりたいことが見つかるかもしれません。
自分自身を掘り下げ切れていない
やりたいことがないと感じる方は、好奇心や興味が湧くことを明確に理解できていない可能性があります。「自分自身のことは自分が1番よくわかっている」と考えている方は多いと思いますが、実は冷静に分析したときに深く自己理解できていなかったということもよくあります。
イギリスのことわざには、「己を知りうる者は賢者なり」という言葉があるほど、自分自身をしっかり理解できている人はそう多くないです。まずは自分をよく知るところから始めてみると、案外すんなりと自分のやりたいことが見つかるかもしれません。
転職したい明確な理由がない
転職したいと考えてはいるものの、具体的になぜ転職したいのかが明確になっていないと、次に進むべき方向がわからないため、やりたいことが見つけられない可能性があります。現職に対して抱いている違和感や不満が明確になれば、次の仕事に求めることも見えてくるでしょう。
「このままではキャリアアップできない」「もっと幅広いスキルを身につけたい」など、現状の仕事に対する正直な気持ちとじっくり向き合ってみると良いです。
待遇や休日などの条件を重視しすぎている
転職先を探す際に、給料や福利厚生、休日や勤務形態などの条件面を重視しすぎているとなかなか理想の求人が見つけられない可能性があります。もちろん、給料や福利厚生は働くうえでモチベーションになりますし、休日や勤務形態は働きやすさに関わってくるため重要な検討項目です。
しかし、自分にとって理想の条件が全て備わっている求人というのはなかなかありません。条件ばかり気にしていると、仕事内容や職場環境が合わず結局長続きしないことも考えられます。
転職先に求めることに優先順位を決めたり、妥協できる点と妥協できない点を整理したりすることで、自分の理想に近い求人に出会えるかもしれません。
転職で適職を見つけるための方法
やりたいことが見つからずに悩んでいる方は、以下の方法を実践してみることで適職を見つけられる可能性があります。
- 世の中にある業種や職種について情報を集める
- 自分自身を掘り下げる
- できること・得意なことを整理する
- やりたくないことをベースに考える
- 将来のなりたい姿を具体的にイメージする
世の中にある業種や職種について情報を集める
世の中にはどんな仕事があるのかを知ることで、あなたにぴったりのやりたい仕事が見つかるかもしれません。あまり知られていない珍しい仕事の中に、あなたが心から興味が湧く仕事が見つかる可能性もあります。
まずは、求人数を多く取り扱っている転職サイトに登録してみたり、ハローワークで職業検索をしてみたりすると、世の中にある様々な仕事を知ることができるでしょう。
自分自身を掘り下げる
これといって熱中できるものがなかったり、好奇心や興味が湧くものがわからないという方は、自分自身を知るところから始めましょう。自分自身をじっくり分析することで、得意なこと・思考のクセ・長所・短所などが見えてきて、どのような仕事で輝けるかがだんだんと見えてくるかもしれません。
近年、就活の場で「MBTI診断」という自己申告型の性格診断が用いられることが増えています。その他にも、「ストレングスファインダー」という自分の思考・感情・行動の特徴を発掘できる才能診断もあります。
診断以外にも、これまでの経歴や保有しているスキルを書き出して、傾向を探ったり幸せに感じた瞬間を振り返ったりすることで、自分のやりたいことが見えてくるかもしれません。
できること・得意なことを整理する
やりたいことがわからなくても、人よりもできることや得意としていることを整理すれば、あなたの強みがわかり、それを活かせる仕事が見えてくるかもしれません。過去の経験を振り返ってみて、自分がやりがいを感じたことや人から褒められたこと、自信を持って取り組めたことなどを書き出してみましょう。
それらのことを因数分解していけば、どのような仕事で自分の強みを発揮できるかが徐々に見えてくるはずです。1人でやることが難しい場合は、キャリアアドバイザーなどの専門家に相談しながら進めてみることも有効な手段です。
やりたくないことをベースに考える
やりたいことがわからなくても、やりたくないことなら明確にわかるという方は多くいると思います。逆転の発想で、やりたくないことをベースに考えていくと徐々に転職先に求めることが明確になっていき、適職を見つけられる可能性があります。
やりたくないことを考えるときは、理由も具体的に書き出すようにしましょう。そうすることで、あなたが仕事に求めることの本質が見えてきます。
将来のなりたい姿を具体的にイメージする
何となく転職したいと思っている方は、目先のことに目を向けてしまいがちです。しかし、転職する際は長期的な視点で考えることが大切です。長い目で見た時に、将来どうなりたいかを具体的にイメージしてそこから逆算することで、キャリアプランが定まってくるでしょう。
将来のなりたい姿をイメージする際は、仕事に関することだけでなくプライベートでもどうなっていたいかを考えることが大切です。「地方で暮らしながらリモートワークで働きたい」「自分で稼げる力を身につけて起業したい」など、長期的な目標が定まればそのために何をすべきかが見えてくるでしょう。
転職に関する相談は誰にすればいい?
転職の進め方がわからなかったり、自分の進むべき方向がわからなかったりする人は、第三者に相談するという手段もあります。転職に関する相談相手としては、以下の3つが挙げられます。
- 会社のOB・OG
- ハローワーク
- 転職エージェント
会社のOB・OG
身近な人に相談したい場合、会社を辞めて転職した先輩に相談することが最も一般的で適切な相談相手といえます。もともと良好な関係が築けているのであれば、親身になって話を聞いてくれるでしょう。
身近な人の転職経験談を聞くことで、自分がどのように転職を進めていくべきかも見えてきます。おすすめの転職先探しの方法や、転職する際に苦労したことなどを聞いておけば、その経験を踏まえて転職の準備を進めることができます。
ハローワーク
ハローワークは、無料で仕事探しに関するサービスを提供しています。在職中の労働者であってもハローワークを利用することは可能で、無料で転職相談にも乗ってくれます。
公的機関が提供するサービスということもあり、トラブルの心配もなく安心して利用できるでしょう。ただし、在職中の方は求人に応募することはできないということには注意してください。
転職エージェント
転職エージェントを利用することで、転職に関する相談をすることが可能です。転職エージェントは、転職業界に精通したプロです。転職に関する相談に乗ってくれたり、求職者の希望に沿った求人を勧めてくれたりして、スムーズに転職活動が進められるでしょう。
しかし、民間の企業が提供するサービスなので様々なトラブルに発展する可能性も否定できません。アドバイザーと相性が合わなかったり、アドバイザーとしてのスキルが不足していると、思うように転職活動を進められない可能性があります。
転職エージェントを利用する際は、口コミや実績をチェックして信頼できるサービスを利用しましょう。
適職を見つけて転職を叶えよう
やりたいことが見つからない人が、転職するためにすべきことを解説しました。
やりたいことがなくても、転職して現状よりも良いキャリアを歩むことは可能です。しかし、不安でなかなか転職に踏み切れないという人は、やりたいことが見つからない原因を探ったり、適職を見つけるための方法を実践したりしてみましょう。
1人で進めることが不安な方は、誰かに相談しながら転職を進めると良いです。ハローワークや転職エージェントを利用すれば、転職のプロから客観的なアドバイスを受けられるでしょう。