派遣会社と雇用契約を結び、派遣元とは別の企業で働く派遣社員。希望する条件で働ける、様々な勤務先での経験を通してスキルアップできるなど、メリットが大きい働き方です。

今回のコラムでは、派遣社員として働くことを検討している方にぜひチェックしてほしい、派遣社員の仕事の種類をご紹介していきます。職種ごとの特徴についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

人材派遣の仕組みとは

具体的な仕事内容についてご紹介する前に、派遣社員が派遣先の企業で働き始めるまでの流れを解説していきます。人材派遣の仕組みは、大きく以下の2つに分けられます。

  • 一般派遣
  • 紹介予定派遣

一般派遣

一般派遣とは、派遣会社の紹介を受けて社員が派遣先に出向き、仕事を開始する時点から雇用契約が結ばれる働き方のことを指します。派遣先から要望があり、社員が同意した場合に雇用契約が更新されます。

紹介予定派遣

派遣社員として一定期間勤務した後、派遣先の会社で正社員、あるいは契約社員として直接雇用契約を結ぶことを前提としているのが紹介予定派遣です。

通常の派遣社員の場合、同じ職場や部署で働ける期間は3年以内と定められています。しかし、紹介予定派遣の場合は、最大6ヶ月の派遣期間を経て派遣先と社員が同意すれば正式に採用が決まり、直接雇用へ切り替えられます。

一般派遣と比較して正社員や契約社員として雇用してもらえる可能性が高く、近い将来収入を安定させたい方に適した仕組みだと言えます。

派遣の仕事にはどんな種類がある?

ここからは、派遣社員の仕事の具体的な種類についてご紹介していきます。他の勤務形態と同じように、派遣社員は様々な職種に就くことができます。派遣社員の求人が特に多い職種としては、以下のものが挙げられます。

  • 事務
  • 専門事務
  • 電話応対
  • 接客・販売
  • 営業
  • IT・エンジニア
  • Web・クリエイティブ
  • 医療・栄養・研究開発
  • 保育・介護
  • 製造・軽作業

事務

書類の作成や処理、データ入力を始め、電話や来客への応対といった業務全般を担う事務職。幅広い業界で多くの求人が存在するため、希望する条件で働ける確率が高い職種だと言えます。

事務職として勤務しながら専門的なスキルを身に付けて、キャリアアップを目指すことも可能です。

パソコンを使った作業が主であるため、ExcelやWordといった基本的なPCスキルを必須条件として提示している求人が多い傾向にあります。他にも、電話対応や文章作成能力など、社会人にとって基礎となるスキルは身に付けておくと良いでしょう。

事務職の職種は以下のように幅広いため、自身のキャリアプランに応じて選択できると良いです。

  • 一般事務
  • 学校事務
  • 医療事務
  • 営業事務
  • 受付事務
  • OA(Office Automation)事務
  • 経理・人事・財務
  • 秘書

専門事務

一般的な事務職とは異なり、業界に特化した高い専門性や資格が求められます。例えば、貿易事務では外国のビジネスパーソンとやり取りできる英語力が、金融事務では銀行や証券に関わる手続きを担えるスキルが必須です。

そのため、未経験での勤務は難しいことが一般的です。実務経験や相応の知識、資格が必要とされることがほとんどでしょう。職種は以下に示すように多岐に渡りますが、専門的な知識を身に付けたり、他の職種で経験を積んでから目指すのがベストだと言えます。

  • 貿易事務
  • 金融事務
  • 弁護士事務
  • 宅建事務
  • 特許事務

電話応対

電話応対を専門とする職業には、美しい言葉使いや相手の話を聞いて臨機応変に対応する力が求められます。

電話応対のスキルを極められるだけでなく、お客様とのやり取りを通して培ったコミュニケーション力を生かして、営業職や事務職へのキャリアチェンジも目指すことも可能です。

電話応対職は、その業務内容に応じて主に以下の4つに分けられます。

  • テレマ(テレマーケティング)…商品に関心のある顧客に説明を行い購入を促す
  • テレオペ(テレフォンオペレーター)…お客様からの問い合わせの電話に対応する
  • テレアポ(テレフォンアポインター)…営業職のように商品やサービスの購入を促す
  • スーパーバイザー(SV)…スタッフの育成や部署の運営・クレーム対応などを担う

テレフォンオペレーターは電話を「受ける」のがメインであるのに対して、テレフォンアポインターは主にお客様へ電話を「かける」職種です。お客様に伝える内容も異なるため、経験や適性に応じて職種を選択するのが良いでしょう。

接客・販売

  • アパレル店
  • 化粧品販売店
  • 携帯ショップ
  • 飲食店
  • ホテル・リゾート
  • 空港

上記のような幅広い業界で活躍できる接客・販売業。笑顔を忘れない、明るくハキハキと話すなど、お客様に好印象を与える振る舞いが絶えず求められます。

身近な商品を取り扱っていることがほとんどであるため特別な知識が必要なく、未経験の方でもチャレンジしやすい業種だと言えます。

営業

営業職は自社の商品やサービスを外部に売り込み、契約を結んで売上を獲得する役割を担っています。

商品への興味や購入意欲のあるお客様に商品の購入を促す販売職とは異なり、営業職は自社製品を知らない顧客に対して営業活動をすることも少なくありません。

商品やサービスを利用してもらうことで、自社だけでなくお客様にもメリットがあることを伝える姿勢が重要です。高いコミュニケーションスキルが求められますが、契約を結べた時の達成感は大きく、やりがいを感じられるでしょう。

IT・エンジニア

コンピューターやソフトウェアを用いて、情報技術に特化したシステム開発やネットワーク構築を行う職種です。IT分野の技術革新に伴って、エンジニアの需要は年々高まっています。

加えて、新たな分野の開発が進むにつれて以下のように職種が細分化されてきているのも大きな特徴です。

  • システムエンジニア
  • プログラマー
  • ネットワークエンジニア
  • サーバーエンジニア
  • CADオペレーター
  • OAインストラクター
  • セールスエンジニア

スキルが物を言う仕事であるため、学歴や資格よりもスキルや経験が重視される傾向にあります。

中には「未経験OK」と記載されているケースもありますが、この場合、「知識やスキルがない」というよりも「スキルや知識はあるが実務経験がない」ことを意味していると考えて良いでしょう。

Web・クリエイティブ

  • 映像・放送
  • 新聞・出版
  • 広告
  • ゲーム・音楽
  • Webサイト
  • SNS

上記のような、様々なメディアに関する職種です。具体的な職種としては、制作物を生み出すデザイナーや企画や分析を行うマーケター、全体の進行を担うディレクターなどが挙げられ、様々な角度からメディアに携われます

制作を担う専門職に関しては、専門的な知識を有する、あるいは実務経験のある人材が求められることが一般的です。総合職に近いマーケターやディレクターの場合は未経験OKの求人もありますが、事務職や電話応対職などと比べると、その割合は少ないです。

医療・栄養・研究開発

看護師や薬剤師、歯科衛生士といった医療に携わる職種の他に、栄養や研究開発という異なる立場から製薬、食品といった業界に貢献することも可能です。病院や福祉施設、教育の現場で食事の管理や指導を行う管理栄養士は、幅広い場面で活躍できるのが特徴だと言えます。

研究開発業務は実務経験がなくても従事できる一方で、看護師や薬剤師のように国家資格が必須となる職業が多いのが医療業界の特徴です。

保育・介護

慢性的な少子化が叫ばれており、保育に関わる仕事のニーズは非常に高いです。というのも、共働き世帯が増えている中で待機児童問題が慢性化しており、保育施設は年々増加しているためです。

介護に関わる職種も同様に、急速な高齢化に伴い需要が高くなっています。

保育士や介護福祉士として勤務するためには国家資格が必要ですが、保育補助のように知識や経験がなくても働ける職種もあります。なお、介護業界における以下のような職種の場合は、専門的な知識が要求されることが一般的です。

  • 介護助手
  • ケアマネージャー
  • ホームヘルパー

製造・軽作業

製造や軽作業の仕事内容は以下のように幅広く、未経験でも始めやすい職種が豊富であることが特徴だと言えます。

  • 検品やピッキングといった単純作業
  • 職場全体をスムーズに運営する管理業務
  • 専門的な知識が必要とされる修理・メンテナンス業務

正確さやコツコツと取り組む姿勢が求められるとともに、業務内容や勤務先の規模、取り扱う商材によっては重い荷物を運んだり立ったまま作業を続ける体力が必要となることもあります。

自分に合った仕事で派遣を始めよう

派遣社員として働ける仕事について詳しくご紹介してきました。業務内容や求められるスキル、能力は業種や職種によって大きく異なります。従って、各々の適性や経験によって最適な業種も変わってくるでしょう。

入念に自己分析を行って自分の特性を見極めた上で、どういった業種、職種で活躍したいかを検討してみてください。契約満了時に次の職場を紹介してもらいやすく、職場を変えやすいという派遣社員の特徴を活かして、様々な業種にチャレンジしてみるのも良いかもしれません。