求人を探していると、「入社祝い金〇万円支給」と記載された求人を見かけることがあります。仕事が決まるだけでなく、まとまったお金も受け取れるため、魅力を感じる方も多いでしょう。
一方で、「なぜ入社するだけでお金をもらえるのか」「何か怪しいからくりがあるのではないか」「条件によってはもらえないのではないか」と不安に感じる方もいるかもしれません。
入社祝い金は、人材を確保したい企業が採用施策の一つとして設けている制度です。ただし、採用されたすべての人が無条件で受け取れるわけではなく、勤務期間や出勤率、応募方法などの支給条件が定められている場合があります。
本記事では、入社祝い金のからくりや支給される理由、金額の目安、メリット・デメリットを解説します。入社祝い金がもらえない例や応募前に確認したい注意点も紹介するので、求人選びの参考にしてください。
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目 次
入社祝い金とは?

入社祝い金とは、会社が募集している求人に応募し、採用が決まって入社すると支給される特別手当・一時金のことです。入社祝い金は必ず支給されるわけではありませんが、慢性的に人手不足だったり、すぐに人手が欲しかったりする企業が、求職者からの興味を惹くために支給することが多いです。
入社祝い金は基本的に金銭で支払われます。入社祝い金と似たものに「入社特典」というものがありますが、入社特典は金銭以外のサービスを受けられるものが一般的でしょう。例えば、「寮費無料」や「提携施設の利用料割引」などです。
入社祝い金のからくり
入社祝い金は、企業が人材を確保するための採用施策の1つです。入社するだけでお金がもらえることから「怪しいからくりがあるのでは」と感じる方もいますが、企業側には入社祝い金を支給する明確な目的があります。企業が入社祝い金を設ける主な理由は、以下の4つです。
- 採用コストを抑えるため
- 入社後の定着を促すため
- 早急に人材を確保するため
- 求人の魅力を高めるため
採用コストを抑えるため
企業が入社祝い金を支給する理由の一つが、採用コストを抑えることです。
企業は求人サイトや人材紹介会社を利用して採用活動を行うと、採用人数に応じて掲載料や成功報酬を支払う必要があります。一方、自社採用ページや直接応募で採用できれば、こうした費用を抑えられる場合があります。
そのため、採用にかかるコストの一部を応募者へ還元する形で入社祝い金を支給し、直接応募を促す企業もあります。結果として、企業は採用コストを抑えながら人材を確保しやすくなります。
入社後の定着を促すため
企業は採用や教育に多くの時間と費用をかけています。そのため、採用した人が短期間で退職してしまうことは避けたいと考えています。
入社祝い金は、入社した時点ですぐ支給されるとは限りません。多くの企業では「3か月勤務」「6か月勤務」など一定期間の在籍を条件としているため、長く働いてもらうきっかけとして入社祝い金を活用しています。
早急に人材を確保するため
人手不足の業界や繁忙期を迎える企業では、できるだけ早く人材を確保したいケースがあります。
入社祝い金があることで求人の注目度が高まり、応募を後押しする効果が期待できます。求職者にとっても応募するメリットが分かりやすく、企業は採用活動を進めやすくなります。
求人の魅力を高めるため
同じ職種や条件の求人が多い場合、給与や勤務地だけでは差別化が難しいことがあります。
そのような中で入社祝い金を設けることで、求職者の目に留まりやすくなります。ただし、入社祝い金だけで応募先を決めるのではなく、仕事内容や給与、福利厚生なども含めて総合的に判断することが大切です。
入社祝い金の支給条件ともらえない例

入社祝い金は、採用が決まっただけで必ず受け取れるものではありません。多くの企業では、一定期間の勤務や出勤率、申請手続きなどの支給条件を設けています。
条件を満たしていない場合は、求人に入社祝い金の記載があっても支給されないため、応募前に詳細を確認することが大切です。主な支給条件ともらえない例は、以下の通りです。
| 主な支給条件 | 入社祝い金がもらえない例 |
|---|---|
| 入社後、一定期間勤務する | 支給日を迎える前に退職した |
| 所定の出勤率を満たす | 欠勤や遅刻、早退が基準を超えた |
| 指定された方法で応募する | 対象外の求人サイトや紹介会社から応募した |
| 期限内に申請手続きを行う | 申請を忘れた、または申請期限を過ぎた |
| 対象の職種・勤務地・雇用形態で採用される | 選考途中で対象外の職種や雇用形態に変更された |
| 過去に同じ企業で勤務していない | 再入社など、支給対象外となる条件に該当した |
支給時期は、入社から1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後など企業によって異なります。また、「最大20万円」のように記載されている場合は、一括ではなく、一定期間ごとに分割して支給されることもあります。
例えば、入社3ヶ月後に5万円、6ヶ月後にさらに5万円が支給される条件では、途中で退職すると、それ以降の入社祝い金は受け取れません。出勤率が条件に含まれている場合は、在籍していても欠勤や遅刻が多いと対象外になる可能性があります。
また、入社祝い金が自動的に振り込まれるとは限りません。企業によっては、入社後に申請フォームへの入力や書類の提出が必要です。条件を満たしていても、申請を忘れると支給されない場合があります。
入社祝い金を確実に受け取るためには、支給額だけでなく、対象者、応募経路、勤務期間、出勤率、申請方法、支給日まで確認しておきましょう。条件が分かりにくい場合は、応募先の採用担当者に質問し、求人票や書面に記載された内容を確認することが重要です。
入社祝い金に関する注意点
入社祝い金が設けられている求人へ応募するときは、金額だけでなく、支給元や支給条件、税金の扱いなども確認する必要があります。条件を十分に確認しないまま入社すると、予定していた時期に受け取れない可能性があります。具体的には以下のポイントに注意しましょう。
- 誰が支給するのかを確認する
- 支給時期と条件を確認する
- 表示された金額がそのまま手取りになるとは限らない
- 退職した場合の扱いを確認する
誰が支給するのかを確認する
まず、入社祝い金の支給元が求人企業なのかを確認しましょう。求人企業が自社の従業員へ支給する入社祝い金と、求人サービスの運営会社が提供する金銭では扱いが異なります。
2025年4月1日からは、求人情報サイトなどの募集情報等提供事業者が、求職者に金銭やギフト券などを提供する行為は原則禁止されています。入社祝い金の記載がある場合は、支給元と制度の内容を確認してください。
支給時期と条件を確認する
入社祝い金は、入社後すぐに支給されるとは限りません。一定期間の勤務や所定の出勤率を条件としていたり、複数回に分けて支給したりする場合があります。
求人票や会社の規定を確認し、支給日、必要な勤務期間、出勤率、申請手続きの有無を把握しておきましょう。「最大〇万円」と記載されている場合は、満額を受け取るための条件も確認する必要があります。
表示された金額がそのまま手取りになるとは限らない
入社祝い金は、支給の目的や契約内容によって税務上の扱いが異なります。会社から従業員へ手当として支給される場合は、原則として給与所得に含まれ、所得税などが差し引かれる可能性があります。
雇用契約を結ぶ際の契約金として支給される場合も、源泉徴収の対象になることがあります。求人に記載された金額と実際の振込額が異なることも考えられるため、給与明細や会社からの説明を確認しましょう。
退職した場合の扱いを確認する
支給日前に退職した場合は、勤務期間などの条件を満たせず、入社祝い金を受け取れない可能性があります。また、支給後に短期間で退職した場合の扱いが定められていることもあるため、返還に関する記載の有無も確認しておきましょう。条件が分かりにくい場合は、応募先企業や採用担当者へ事前に質問し、可能であれば書面で確認することが大切です。
入社祝い金や即日勤務などの条件だけで仕事を選ぶと、雇用期間や給与の支払い時期、実際の仕事内容が希望と合わないことがあります。応募前に確認したい労働条件や契約内容を整理しておきましょう。
入社祝い金の支給金額の相場は?
入社祝い金の金額は、企業や職種、勤務条件によって異なります。求人によっては数万円程度の場合もあれば、まとまった金額が設定されている場合もあります。
企業から支給される入社祝い金は、10~20万円程度が1つの目安です。人材の確保を急いでいる職種や、一定期間の勤務を条件とする求人では、20~30万円程度の入社祝い金が設定されることもあります。
しかし「最大〇万円」と記載されている場合は、全額が一度に支給されるとは限りません。入社から3か月後、6か月後など、勤務期間に応じて分割されることがあります。金額だけで判断せず、満額を受け取るための条件や支給時期、申請手続きの有無を確認しておきましょう。

入社祝い金のメリット

求職者にとって入社祝い金は、以下のメリットがあります。
- 就職への意欲に繋がる
- 入社後に金銭的余裕が生まれる
- 仕事を継続するモチベーションになる
就職への意欲に繋がる
仕事をする目的ややりがいは人それぞれ異なりますが、給料が最も大きなモチベーションになるという方は少なくないでしょう。多くの給料がもらえることは、就職への大きな意欲に繋がります。
入社1年目はボーナスが支給されないことも珍しくありませんが、入社祝い金がモチベーションとなって就職を決断することもあるでしょう。
入社後に金銭的余裕が生まれる
入社後、なるべく早い段階で入社祝い金が支給されれば、金銭的な余裕を生むことができます。転職するまでに期間が空いてしまった場合や、もともと貯金が多くなかった場合は、入社後初めての給料が支給されるまで、金銭的に厳しい状況が続くという人も珍しくありません。
他にも、新たな道具を揃えなければならなかったり、新生活を始めるために引越しをしなければならなかったりと、環境が変わることによって出費がかさむ場合もあります。就職によってお金が必要になる場面もあるので、入社祝い金があることによって金銭的な余裕を生むことができるでしょう。
仕事を継続するモチベーションになる
入社祝い金は入社後に仕事を継続するモチベーションになります。先述したような支給条件を満たさなければ、入社祝い金は受け取ることができません。
実際に就職してみると、なかなかモチベーションが上がらなかったり、うまくいかないことが続いたりと仕事に対して悩むことも増えてくるでしょう。そうなった場合でも、入社祝い金があることで、すぐに辞めず「入社祝い金がもらえるまでは頑張ろう」という動機付けになります。
入社祝い金のデメリット
入社祝い金は、決してメリットばかりではありません。以下のようなデメリットもあります。
- 入社祝い金の支給条件が厳しい場合がある
- 入社祝い金に釣られて失敗する
入社祝い金の支給条件が厳しい場合がある
入社祝い金の支給条件は、企業や求人サイトによって異なります。就職する前は「この条件なら満たせるだろう」と思っていたとしても、いざ就職してみると条件が厳しく感じられることがあるかもしれません。
例えば、入社祝い金の支給条件に業績を求められることがあります。入社時の説明では簡単な条件だと説明を受けていたとしても、実際に働いてみると難易度が高く条件を達成できない可能性もあるでしょう。
条件を満たすことができなければ入社祝い金が支給されることはありません。金額だけでなく、支給条件もしっかり理解したうえで応募しましょう。
入社祝い金に釣られて失敗する
入社祝い金の金額や条件に釣られて就職先を決めると、失敗してしまう可能性があります。どれだけ入社祝い金の金額が多かったり、支給条件が簡単だったりしても、それだけで就職先を判断するのは辞めましょう。
入社祝い金にばかり注目していると、仕事内容や福利厚生、賞与や昇給などの待遇を見逃してしまうかもしれません。長く働き続けることを意識して、入社祝い金以外の条件をしっかり確認して就職先を検討しましょう。
再就職手当がもらえる可能性もある

入社祝い金は企業や求人サイトから支給されるものですが、国から手当を支給してもらえる制度もあります。それが「再就職手当」です。
再就職手当とは、失業保険の受給を受けている人が、受給期間が多く残っている段階で早期に再就職した場合に受け取れる手当です。失業した人がより早く安定した職業に就くことを促進するために、再就職手当が支給されます。再就職手当の支給を受けるためには、以下の8つの条件を満たさなければなりません。
- 受給手続き後、7日間の待機期間満了後に再就職、または事業を開始すること
- 失業手当の受給残日数が、1/3以上残っていること
- 前職と再就職先の間に密接な関わり合いがないこと
- ハローワーク、または職業紹介事業者の紹介で就職すること
- 再就職先で、1年を超えて勤務する見込みがあること
- 雇用保険に加入していること
- 過去3年以内に、再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けていないこと
- 受給資格決定後に、再就職先の採用が内定すること
上記のように、様々な条件が定められていますが、受給資格がある方はぜひ申請して手当を受け取りましょう。
再就職手当は、正社員だけでなく、一定の条件を満たせば派遣社員として再就職した場合も対象になる可能性があります。受給条件や申請時の注意点を確認しておきましょう。
入社祝い金に怪しいからくりはない!
入社祝い金は、人材を早く確保したい、応募者を増やしたい、入社後も長く働いてもらいたいといった目的で設けられる一時金です。入社祝い金自体に怪しいからくりはありません。
しかし、入社した時点で必ず受け取れるわけではありません。一定期間の勤務や所定の出勤率、指定された応募方法、期限内の申請などが支給条件になっている場合があります。条件を満たす前に退職したり、申請を忘れたりすると、入社祝い金がもらえない可能性があります。
求人へ応募する際は、支給金額だけでなく、支給元、対象者、支給時期、申請方法、分割支給の有無まで確認しましょう。「最大〇万円」という表記がある場合は、満額を受け取るための条件も確認することが大切です。
入社祝い金は、仕事を選ぶ際の判断材料の1つにすぎません。基本給や仕事内容、勤務時間、休日、福利厚生なども比較し、入社祝い金がなくても長く働きたいと思える求人を選びましょう。
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