製造業への就職を考えているけれど、「将来性はあるのか」「AIに仕事を奪われるのでは」と不安に思っていませんか。

この記事では、製造業の将来性と、今後伸びる業種について解説しています。将来性を高める働き方のポイントも必見です。

ぜひ最後までご覧ください。

製造業に将来性があるといえる理由

AIの台頭や、デジタル化が進むことで、製造業には将来性がないと感じる人がいますが、はたしてそうでしょうか。製造業は人の暮らしに密接に関わる産業であり、今後も伸びることが予想されます。デジタル化により雇用が減ったとしても将来性がないとはいえません。

製造業に将来性があるといえる理由をまとめました。

製造業はなくならない

人間が生きていく上で「モノ」は必要不可欠であり、あらゆる「モノ」をつくる製造業がなくなることはありません。「AIに取って代わられる」との意見もありますが、ロボットにはできない作業がある上、そもそもAIに仕事を教えるのは人間の仕事です。

今後衰退する業種はあると予想されますが、製造業そのものがなくなるとは考えにくいでしょう。成長が見込まれる企業、業種に対して常にアンテナを立てておくことが重要です。

AIの活用にはまだ課題が多い

AIが導入されれば、作業効率や生産性が上がり、人の手が必要なくなる工程も出てくるため、「仕事がなくなるのでは」と不安に思うかもしれません。しかし、AIの導入には未だ課題が多く、すべての工場に導入されるまでには、まだ時間がかかるでしょう。

新たな設備投資が必要なほか、AIを含めたデジタル技術を取り扱える人材がいないなどの理由から導入が進んでいない実態があります。ただ、最近では専門知識がなくても扱えるAIソリューションが登場しており、今後AI導入のハードルは低くなると予想されます。

参考:2022年版ものづくり白書|経済産業省

工場が自動化しても人は必要

「工場のスマート化(スマートファクトリー)」と聞くと無人の工場をイメージするかもしれませんが、たとえ労働者が減ったとしても、人が不要になることはありません。

機械に不具合が出れば修理やメンテナンスが必要になり、機械を操作するオペレーターも重要な役割になります。自動化によって、新たな仕事が生まれる可能性を忘れてはいけません。

また、工程によっては人の手で行った方が正確で早い場合もあるため、業種によっては完全自動化するメリットが少ない工場もあるでしょう。

今後伸びると予想される業種

製造業の中でも、この先伸びそうな業種と衰退が予想されている業種があります。できることなら成長していく業界に関わりたい、と考える人は少なくないでしょう。

今後伸びると予想される業種をまとめました。

IT機器

近年、IT技術の発展が目覚ましく、様々な革新的な技術が導入されています。しかし、ITの技術を活用するためには、ソフトウェアを動かすためのハードウェアが必要です。

IT機器は今後も次々と新しいものが開発され、世の中に普及していくことが予想されます。IT機器を製造するメーカーは今後も伸びていくでしょう。

電子部品・半導体

電子部品や半導体は、テレビ、パソコン、スマホなど、さまざまな製品に使用されているためIT社会には欠かせません。

近年コロナ禍での需要増や、戦争の影響による半導体の不足が深刻になっているなか、日本は半導体の製造技術や生産量で世界に遅れを取っています。半導体・デジタル産業において世界での競争力を高めるべく、国内8社が出資する半導体製造会社の設立が経済産業省より発表されました。

これにより半導体の国内生産量が上がり、今後発展すると予想されます。

参考:次世代半導体プロジェクトのアップデート|経済産業省

医療・介護機器

医療の分野では、コロナ禍で需要が高まったワクチンや医薬品の製造を中心に、ヘルスケアに関わる製品の製造も増えています。予防医療や健康に関心があるユーザーが増え、GoogleやAppleといった大手企業も積極的にヘルスケア事業に投資しており、今後さらなる発展が見込まれます。

少子高齢化が進む日本では、介護製品の需要はますます高まると考えられます。介護業界の人材不足は深刻で、対策のためIT技術の導入や介護ロボットの導入が進む可能性が高いでしょう。

農業機器

日本の農業が衰退しているという話を聞きますが、食べ物を作るという生活に欠かせないインフラである以上、なくなることは考えにくい業種です。農林水産省のまとめによると農産物の輸出額は増加している上、食料自給率の低下は国内外で問題になっており、農業に対するニーズは今後高まると予想されます。

農業にドローンやIT技術といったテクノロジーを導入する「アグリテック」も担い手不足を補うとして注目されています。
IT技術やテクノロジーを搭載した農業機器の製造は、今後も益々盛んになるでしょう。

参考:2022年の農林水産物・食品の輸出額|農林水産省

エンタメ機器

ゲームや動画配信などのエンタメ業界も今後伸びると予想されている業種の一つです。

IT業界とマッチしやすく、VR技術やメタバースを用いた体験型のゲームなどが今後さらに私たちを楽しませてくれるでしょう。また、電子機器を使用するeスポーツは世界中で人気があり、日本でも賞金などに関して法整備が進められていることから、今後伸びていくと考えられています。

将来性を高める!製造業での働き方のポイント5選

将来性を高めるためには業界の成長も重要ですが、自身の成長も大きな影響を与えます。将来性を高める製造業での働き方のポイントを5つご紹介します。

IT系のスキルやリテラシーを身につける

今後、製造業でもスマートファクトリーやデジタル化が進むと予想されるため、ITリテラシーを高めることは必須になるでしょう。専門職までの知識は必要ないものの、最低限の知識は必要です。

工場の自動化やDXを進めるためにはロボットのプログラミングや、管理システムの構築が必要になるため、IT系のスキルを持っていると重宝される可能性があります。

すべてを外部に委託するより社内に任せられる人材がいる方が、トラブル時にも迅速に対応できるため会社にとって都合が良いといえます。

英語力を付ける

海外に工場を置いている企業は数多くあり、現時点で海外拠点がない場合でも今後海外進出する可能性は大いに考えられます。英語が使えれば、海外工場や取引先との連絡業務ができ、管理職であれば外国人労働者とのコミュニケーションを円滑にすることで、職場の雰囲気を良くすることにも貢献できます。

ビジネス英語が使えるようになれば海外工場で働くこともできるため、キャリアアップにもつながるでしょう。

機械操作や設備保守など専門性を身につける

機械のトラブルに対応できるスキルや、設備の点検、保守ができる技術を身につけることも将来性を高める一つの方法です。

専門性のある資格を取得すると、手当が支給されたり、転職の際に有利になったりします。自主的にスキルアップを図ることで、会社からの評価が向上し、昇進の可能性も高くなるでしょう。

マネジメントスキルを付ける

生産管理職や工場長などは、業務の分配や時間の管理、人材の適切な配置などを行わなければならないため、キャリアアップを考えるなら、マネジメントスキルの向上は必須です。

管理職でなくとも、チームリーダーや新入社員の研修、教育担当などの経験も評価されるため積極的にチャレンジすると良いでしょう。

より良い職場への転職を考える

ある程度働けば、同業種の会社の待遇の良さや、業績の伸びなどが分かるようになります。

ひと昔前とは違い、スキルアップ・キャリアアップのために転職をするのが当たり前になってきた昨今。将来性を高めるため、より好条件で働ける職場を見つけて転職するのも良いでしょう。

製造業にも将来性のある業種は多い

製造業は私たちの生活に密接している産業であり、今後もあらゆる分野での成長が見込まれています。ITや医療、農業など、今後伸びるであろう業種に関わる製造業は、将来性があると考えて良いでしょう。

さらに、自分自身の将来性を高めるため、スキルアップを念頭に置いて仕事をすると、良い条件で転職できるなどキャリア形成につながります。