転職活動は何ヶ月前から始めるべきか迷っている方へ。

転職を考えているけれど、今の仕事も忙しいし、いつから就活を始めればいいのかわからない…とお悩みではありませんか。社会人の転職は、学生とは異なりいつでもできるので、かえってタイミングが難しくなりがちです。

また、転職活動とともに退職に向けても動く必要があるため、しっかりスケジュール管理しなければなりません。

この記事では、転職活動を始める時期と、内定後のスケジュール、退職のポイントなどを解説しています。転職活動がスムーズに行えるよう、ぜひ最後までご覧ください。

職活動は何ヶ月前から始める?準備期間と最適な開始時期

転職活動は、求人への応募や面接、退職準備など、やることがたくさんあるため、希望退職日から逆算して始めるようにしましょう。

余裕を持って希望退職日の6ヶ月前くらいから始めるのがベストですが、さまざまな事情で進められない場合は、遅くても3ヶ月前には始めるようにしてください。

転職活動を始め、新しい会社に入社するまでの一般的なスケジュールは以下の通りです。

  • 応募先企業の選定
  • 履歴書の作成、応募
  • 選考、内定
  • 退職準備
  • 入社準備 

転職活動の準備段階では、転職に関わる情報収集や、自分のキャリア、スキルの棚卸しをしておきましょう。転職理由や働きたい企業または業種がブレていると、転職活動が長引く可能性があるため、準備期間にしっかり目標を決めることが大切です。

なぜ6カ月前からの準備が必要なのか

6ヶ月という期間が必要な理由は、以下の内訳で時間を要するためです。

転職活動期間(2~3ヶ月)

  • 自己分析・キャリアの棚卸し:2~3週間
  • 企業研究・求人検索:2~3週間
  • 応募書類作成・応募:1~2週間
  • 書類選考・面接(複数社):1~2ヶ月
  • 内定・条件交渉:1~2週間

退職準備期間(1~2ヶ月)

  • 退職意思の表明:面談設定含め1~2週間
  • 業務引継ぎ・後任への教育:3~4週間
  • 取引先への挨拶回り:1~2週間
  • 退職手続き・有給消化:1~2週間

入社準備期間(1ヶ月)

  • 入社書類の準備・提出:1~2週間
  • 健康保険・年金等の切り替え:1週間
  • 新職場での準備(通勤ルート確認等):1週間
  • 休息・リフレッシュ期間:1週間

これらを合計すると最低でも4~6ヶ月は必要となるため、余裕を持って6ヶ月前からの準備開始を推奨しています。特に管理職や専門職の場合は、選考に時間がかかったり引継ぎが複雑になったりするため、さらに長期間の準備が必要になることもあります。

転職時期の決め方

転職は、新卒の就活とは異なり、募集がかかっていればいつでも応募することが可能です。

以下の転職時期の決め方をご覧いただき、あなたにとって最適な時期を選んで就活を始めてください。

現職でボーナスをもらってから

ボーナスが支給される職場で働いていた場合は、ボーナスをもらってから辞めたいと考える人が多いでしょう。会社ごとに査定期間や支給時期が異なるため、現職のボーナス支給規定をしっかり確認する必要があります。

支払日に対して在籍条項がある場合は、規定の日まで会社に籍がないと受け取れないため、就業規則などでしっかり確認してください。内定をもらったときに「現職でボーナスをもらうまで待ってほしい」と伝えるわけにいかないので、就職のタイミングによってはボーナスを諦めることも必要になるかもしれません。

大型連休のあと

普段は仕事で忙しく、なかなか転職に向けて活動するのは難しいことから、ゴールデンウイークや年末年始休業といった、大型連休中に転職活動の準備を始める人が多くいます。連休中に「情報収集」や「企業分析」といった準備をしておいて、休み明けには応募できるようにしておくとスムーズに転職活動が始められるでしょう。

ただし、このタイミングで就活する人が多いということは、連休明けはライバルが増える可能性も考えられるので、時期をずらすのも一つの手です。

時期にこだわらないことも大切

ボーナスの支給や、連休明けのタイミングに合わせるなど、さまざまな条件を考慮したうえで転職時期を決める必要がありますが、あまり時期にこだわりすぎないことも大切です。現職のボーナス支給日を待っているうちに募集が打ち切られてしまったり、時期によっては選考に長い時間がかかったりする場合もあります。

たとえボーナスをもらって退職しても、希望の企業に応募できなければ元も子もありません。スムーズな転職にはタイミングが大事なので、チャンスがあったら思い切って踏み出すことも必要でしょう。

内定から入社までは何ヶ月?

応募した会社の内定が出てから入社するまでの期間は、企業やあなたの状況によって異なるため相談して決めることになりますが、多くの場合で3ヶ月以内には入社できるでしょう。

自身の都合で待ってもらう場合には、あまり長いと内定が取り消されることもあるので、最長でも6ヶ月未満を目安に調整してください。

内定が出た時点で現職の退社日が決まっていればスムーズに進みますが、決まっていない場合はその旨を伝え、いつまで待ってもらえるのかしっかり確認しておくことが大切です。

内定後のスケジュール

内定後のスケジュールは、以下の通りです。

  • 内定通知を受け取る
  • 内定承諾
  • 入社日を決める
  • 入社手続き

働きはじめてから「希望と違う」という事態を避けるため、内定通知が出たら待遇や就業時間など、雇用条件をよく確認し、不明点があればしっかり聞いておきましょう。入社の手続きに必要な資料は、入手に時間のかかるものもあるため、必要書類がわかったらすぐに準備をはじめ、間に合わない場合は必ず指示を仰いでください。

退職準備でするべきこと

新しい職場に行くためには、今働いている会社を辞めなければなりませんが、円満に辞められなければ新たな職場にも迷惑をかけることになりかねません。

スムーズに退職できるよう、退職準備では以下のことを行いましょう。

  • 退職のタイミングを決める
  • 退職の意思を伝える
  • 業務を後任に引き継ぐ

退職のタイミングを決める

転職活動を行うときには、退職の時期も決めておきましょう。タイミングによっては退職日が決まらないうちに内定が出てしまうケースも考えられます。

次の仕事が決まらないうちに退職準備を進めるのは不安かもしれませんが、「退社が間に合わない」という事態にならないよう、タイミングを見極めましょう。転職活動を始めるときは、必ず現職の就業規則を確認し、いつまでに退社の手続きを行えばよいか確認してください。

退職の意思を伝える

退職の意思は必ず直属の上司に申し出てください。しっかり時間を作ってもらい、話を聞いてもらえる環境で退社の意思を伝えましょう。

繫忙期や明らかな人手不足のときはスムーズに話が進まない場合があるので、避けた方が賢明です。退社が決まれば就業規則に従って退社手続きを進めますが、会社によっては退職願や退職届は決められた書式があるので担当部署に確認しましょう。

業務を後任に引き継ぐ

退職が決まったら引継ぎを行います。自分で終わらせられる仕事はやり終え、後任や周りが困らないようスムーズに引継ぎを進めましょう。

取引先や関係者に挨拶をすることも大切ですが、相手の都合もあるため余裕を持ってスケジュールを確保してください。引継ぎ期間は1ヶ月が目安で、引継ぎをせずに辞めることも可能ですが、円満退社のためにもしっかりやっておく必要があります。

退職準備チェックリスト

転職活動と並行して進めるべき退職準備を漏れなく行うため、以下のチェックリストも活用してください。下記を網羅することで、円滑に公開なく退職準備を進めることが可能になります。

退職手続き関連

  • 就業規則の退職規定確認(何ヶ月前に申告必要か・退職願の様式等)
  • 退職願・退職届の準備(会社指定の書式があるか人事部に確認)
  • 退職日の設定(引継ぎ期間・有給消化期間を考慮)
  • 上司への退職相談日程調整(適切なタイミングと場所の確保)

金銭面の確認

  • 有給休暇残日数の確認(何日残っているか・買取制度の有無)
  • 退職金・企業年金の手続き確認(支給条件・受取方法・必要書類)
  • 最終給与・賞与の支給日確認(締め日・支払日・在籍条件)
  • 経費精算・貸与品の返却準備(交通費・備品・制服・社員証等)

社会保険・税務関連

  • 健康保険の切り替え準備(任意継続・国民健康保険・家族の扶養)
  • 厚生年金の手続き確認(国民年金への切り替え)
  • 雇用保険の手続き準備(離職票の受取・失業給付の確認)
  • 住民税の支払方法確認(一括徴収・普通徴収への切り替え)

業務引継ぎ関連

  • 担当業務の整理・資料作成(業務マニュアル・取引先リスト)
  • 後任者との引継ぎスケジュール調整
  • 取引先・関係者への挨拶回り計画
  • パソコン・メールデータの整理・削除

このチェックリストは退職の1-2ヶ月前から順次進めていくことで、円満かつスムーズな退職が実現できます。特に金銭面や社会保険の手続きは後から対応が困難になる場合があるため、早めの確認を心がけましょう。

退職を引き止められないためのポイント

退職がスムーズに進めば良いですが、中には悪質な引き止めにあったり、取り合ってもらえなかったりといったケースもあります。民法627条には退職の自由が記されており、引き止められたとしても辞めることは可能ですが、円満退社のために引き止めにあわない工夫も大切になるでしょう。

曖昧な態度だと引き止められやすいので、辞める意思をしっかり伝えましょう。転職が決まっている場合は、新しい会社から内定をもらって入社日も決まっていることを伝えると辞めやすくなります。

転職が不安ならエージェントを活用

転職したいけれどスケジュールの組み方がわからない、上手く辞められるか不安、という人は転職エージェントを利用するのもよいでしょう。転職エージェントでは、担当者が仕事探しから新しい会社への入社までサポートしてくれ、ささいなことでも相談にのってくれます。

相談していくなかで、自分でも気づいていない強みや向いている仕事などがわかるほか、転職サイトには載っていない非公開の求人を提示してもらえるといったメリットがあります。

仕事をしながら就職活動するのは大変ですが、転職エージェントなら、面接の日程調整や雇用条件の交渉も代行してくれるので便利です。

転職活動の時期に関するよくある質問

Q:転職活動は何ヶ月前から始めるのが一般的ですか?

一般的には希望退職日の3~6ヶ月前から始める人が多く、理想は6ヶ月前からの準備です。

転職活動自体に2~3ヶ月、退職準備に1~2ヶ月、入社準備に1ヶ月程度を要するため、余裕を持ったスケジュールが重要になります。ただし、業界や職種によって選考期間が異なるため、専門職や管理職の場合はさらに長期間の準備が必要な場合もあります

Q:在職中と退職後、どちらで転職活動すべきですか?

在職中の転職活動を強く推奨します。退職後は収入が途絶えるため精神的プレッシャーが大きく、妥協した転職になりがちです。在職中の転職活動であれば、下記のメリットがあります。

  • 収入を確保しながら活動できる
  • 転職活動が長引いても焦らずに済む

ただし、現職が激務で時間が取れない場合や、業界を大きく変える場合は退職後の活動も選択肢の一つです。

Q:転職活動が長引く場合の対処法は?

転職活動が予定より長引く場合は、以下の対処法を試してみてください。

選考対策の見直し

  • 履歴書・職務経歴書の内容をブラッシュアップ
  • 面接での自己PRや志望動機を再構築
  • 模擬面接で客観的なフィードバックを受ける

応募戦略の変更

  • 応募企業の幅を広げる(業界・職種・企業規模)
  • 転職エージェントを活用して非公開求人にアクセス
  • 直接応募とエージェント経由を併用する

現職での調整

  • 上司に退職時期の相談をして柔軟性を持たせる
  • 有給休暇を活用して面接時間を確保
  • 転職活動に専念できる時間を意識的に作る

Q:転職活動中に現職にバレないようにするには?

転職活動を秘密にしたい場合には、下記の点に注意しましょう。

  • 勤務時間中の電話は避け、休憩時間に対応する
  • 面接は有給休暇や半休を活用
  • 普段と異なる服装(スーツ等)は避ける
  • 社内での転職サイト閲覧は控える
  • 同僚への相談は信頼できる人のみに限定

ただし、直属の上司との関係が良好であれば、早めに相談することで円満な転職につながる場合もあります。

Q:転職活動と退職準備を同時に進めるコツは?

効率的に両方を進めるためのポイントは下記の通りです。

  • スケジュール管理を徹底:転職活動と退職準備のタスクを分けて管理
  • 優先順位を明確化:内定獲得を最優先とし、退職準備は並行して進める
  • 早めの情報収集:就業規則や退職手続きは転職活動開始前に確認する
  • 引継ぎ資料の事前準備:普段から業務を整理し、いつでも引継げる状態を保つ

また、転職エージェントを活用すれば、面接日程の調整なども代行してもらえるため、現職への影響を最小限に抑えられることもあります。

余裕をもって転職活動しよう

転職活動は、余裕を持って退職予定日の6ヶ月ほど前から始めるとよいでしょう。転職時期にはあまりこだわらず、チャンスを逃さないよう動くことが大切です。内定が出たのにも関わらず、現職が辞められないという事態にならないよう、きちんと退職の意思を伝え、スムーズに手続きを進めましょう。

スケジュール管理が難しく、思い通りに転職活動が進まない場合は、転職エージェントを活用するのもおすすめです。