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派遣社員から正社員になるのは難しい?
正社員と派遣社員にはそれぞれメリットとデメリットがあります。働き方が多様化している現代において、一概にどちらの労働形態が優れているかは容易に言及できませんが、「今は派遣社員だけど、いつかは正社員になって安定して働きたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。
よく耳にするケースとしては、派遣先の会社にそのまま正社員として入社することですが、派遣社員の雇用主はあくまで派遣会社。つまり、今の勤務先の正社員になるのはある意味引き抜きという形になるので、実際はそう簡単にいかないことも多いです。
それでは、派遣社員から正社員になるにはどのようなステップを踏めば良いのでしょうか。今回のコラムで詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
派遣社員と正社員の違い
- 正社員の方が雇用が安定している
- 正社員の方が給料が高い
派遣社員と比較して、正社員にこのようなイメージを抱いている方は多いでしょう。
決して間違いというわけではありませんが、実際の労働環境や待遇は世間一般のイメージと異なる部分も少なくありません。派遣社員から正社員になる上では、それぞれの違いをよく理解しておくことが望ましいです。
今回のコラムでは簡潔にお伝えしていきますが、下のコラムではより詳しく解説しています。「派遣社員と正社員の違いについて詳しく知りたい!」という方はこちらも合わせてご覧ください。
【徹底解説】派遣社員のメリット・デメリット!正社員との違いとは?
派遣社員のメリット
派遣社員の大きなメリットの1つはその自由さです。派遣社員はシフトや勤務日数も融通が利きやすく、ワークライフバランスが取りやすいという魅力があります。
- プライベートも充実させたい
- 昼は他にやりたいことがあるので夜間に働きたい
- 短期間だけ働きたい
例えばこのような考えを持っている方にとって、自由な働き方ができる派遣社員は非常におすすめです。
また、「派遣社員は給料も低くて待遇も良くない」というイメージを抱いている方も多いかもしれませんが、頻繁に改正される労働者派遣法の変化に伴い、派遣社員の待遇は良くなってきています。
特に「同一労働同一賃金」といった施策により、同じ業務をこなしているスタッフであれば、正規雇用・非正規雇用に関わらず、同じ給料、同じ待遇を受け取れることになっています。
正社員のメリット
一方、正社員のメリットとしてまず挙げられるのは安定した雇用です。雇用期間も定められていないため、基本的には定年まで働くことができます。
それに対し、派遣社員は契約が更新されない(雇い止め)可能性や、期間中に契約解除(派遣切り)となるリスクがあります。もしそうなっても次の派遣先を紹介してもらうことができますが、タイミングによっては一時的に働くことができない時期が発生する可能性があります。
もう一点、派遣社員と比較して正社員が優れていると言えるのが業務に関する裁量です。
雇用関係の違いにより、責任が伴う業務は派遣社員より正社員に任せやすくなっているのが現状です。派遣社員でも実績を積み重ねていけばステップアップしていくことは可能ですが、正社員の方が昇進や昇給のチャンスが多く巡ってくるでしょう。
派遣社員から正社員になる方法
それでは派遣社員から正社員になる方法を具体的に解説していきます。主に以下の2種類の道があるでしょう。
- 今の派遣先の正社員になる
- 別の会社の正社員になる
今の派遣先の正社員になる
派遣社員からの変更がスムーズ、かつミスマッチも起こりにくいのが、今の派遣先の正社員になるというケースです。派遣社員として働く中で、居心地の良い派遣先に巡り合い、「この会社の正社員になりたい」と感じた方も多いのではないでしょうか。
ただ、実際にそのルートが実現するかは派遣先の会社によって異なります。例えば、正社員になれる可能性が高いのは正社員登用制度がある会社です。比較的大きな会社に見られますが、派遣社員から正社員になったケースが既に何件も存在するのであれば、ハードルは低いと言えるでしょう。
その際、注意すべきなのは正社員雇用と直接雇用は異なるということです。直接雇用にはアルバイトやパートも含まれるため、あくまで正社員登用制度があるかを派遣会社を通じて確認しましょう。
別の会社の正社員になる
次に挙げられる方法が、今所属している派遣会社を辞めて、全く別の会社に正社員として転職するということです。
もともと派遣社員だったからといって、転職活動において不利に働くことはありませんが、結局のところ重視されるのはスキルや人間性です。例え派遣社員であっても、アピール要素になる実績を積み、自身のスキルを磨いていけば、転職活動においても大きな武器になるでしょう。
正社員を目指すなら知っておきたい紹介予定派遣
次に正社員雇用を目指す派遣社員ならぜひ知っておきたい、紹介予定派遣について解説していきます。
耳にしたことがあるという方も多いと思いますが、紹介予定派遣とは将来的に直接雇用されることを前提に、一時的に派遣社員として働くことです。正社員になる前にその会社が自分にマッチするかを実際に働きながら確認できるため、ミスマッチのリスクを減らしたいという方におすすめです。
ただし、注意点はあくまで直接雇用が前提という点です。直接雇用には正社員だけでなく、アルバイトやパートも含まれるため、実際に正社員になれる割合や、これまでの実績をよく確認し、勘違いしてしまわないようにしましょう。
紹介予定派遣についてはこちらのコラムでより詳しく解説しています。直接雇用までの流れや紹介予定派遣の注意点について解説しているので、「紹介予定派遣についてもっとよく知りたい」という方はチェックしてみてください。
正社員を目指すべきなら知っておくべきルール
続いて、正社員を目指す派遣社員が知っておくべきルールとして、
- 3年ルール
- 5年ルール
の2つについて解説していきます。まだ知らないという方も、既になんとなく知っているという方も、どのような規則があるのか確認してみてください。
3年ルール
3年ルールでは「派遣社員は同じ会社・同じ部署で3年以上働くことはできない」ということが定められています。
なぜそのようなルールが定められているかというと、主な理由は派遣社員に無期雇用への変更を促し、労働者の雇用の安定を図ることです。長年続く不景気を受けて、全国的に雇用の安定を図る動きが活発化しています。
しかし、3年ルールがあることによって、働きやすい職場に出会っても、正社員になれるチャンスは実質的に3年までということになります。状況によって契約期間はもっと短くなることも考えられるため、派遣社員から正社員を目指すのであれば、常に期限があることを視野に入れて働く必要があるでしょう。
基本的には全ての派遣社員に適用されるルールですが、中には例外も存在します。こちらのコラムで解説しているので、良ければご覧ください。
5年ルール
続いて解説するのが5年ルールです。3年ルールと混同してしまう方も多いので、2つの違いをよく理解しておきましょう。
5年ルールとは、有期雇用者が労働開始から5年経過した時点で、無期雇用への変更を希望する場合、勤務先の会社はそれを拒否することができないという制度です。結果として、契約期間に捕らわれず、長期間その会社で働けることになります。
ちなみに、派遣社員でも5年ルールが適用されるケースは存在します。
例えば、派遣先が同じでも、部署が変われば3年ルールは一度リセットされます。そうすることで派遣社員でも同じ会社で3年以上働くことが可能ですが、5年が経過した時点でその会社との無期雇用契約を希望すれば、派遣社員でも期限に捕らわれずにその職場で働くことができます。
正社員を目指すなら心がけておくべきこと
正社員を目指す上で心がけておくべきことは、派遣先の企業に正社員として雇用したいと思ってもらえるほど貢献する必要があるということです。
仮に数年働き続けたとしても、十分な実績がなければ正社員になることは困難であるため、常に努力を怠らず、向上心を持って仕事に望むことが重要です。真面目に働き続けた結果、会社側から正社員にならないか誘われたというケースもよくあります。
また、現実的な問題として年齢も重視されます。一般的には、やはり年齢が若ければ若いほど有利に働きます。会社によって雇用条件の詳細は異なりますが、30歳や35歳が大まかなボーダーラインになる場合が多いということを理解しておきましょう。
まずは派遣会社に相談
本格的に派遣社員から正社員を目指すのであれば、まずは派遣会社に相談しましょう。文中でもお伝えした通り、派遣先の会社によって正社員になれる可能性も異なるため、派遣先を相談する場合はその希望もしっかりと伝え、適切な会社を紹介してもらうことが大切です。
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