在宅ワークが一般化しつつある昨今、派遣社員として自宅で働きたいと考えている人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、在宅派遣の概要と、メリットデメリットについて解説していきます。

在宅派遣に向いている人の特徴もまとめているので、ぜひあわせてチェックしてください。

在宅派遣とは

在宅派遣とは、派遣スタッフが企業へ出勤せず、自宅などからリモートで業務を行う働き方です。テレワークの普及によって在宅型の派遣契約も増えており、完全リモートや定期的に出社するハイブリッド型スタイルなど、勤務方法を選びやすくなっています。

勤務方法以外は従来と同じで、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業からの指示に基づいて業務を遂行します。勤務時間、報酬、契約期間などは派遣契約書で定められており、労働基準法や派遣法のもとで保護される点も通常の派遣契約と変わりません。

【派遣】在宅ワークがある職種

在宅ワークができる業種は限られていますが、選択肢はいくつかあります。まずは、在宅でできる派遣の仕事を確認しておきましょう。

事務・秘書

在宅派遣の事務や秘書業務は、主に以下のような業務を行います。

  • オンラインでのスケジュール管理
  • 資料作成
  • 経費精算
  • リサーチ業務 など

基本的にチャットツールやクラウドシステムを使って業務を進めるため、PC操作やオンライン会議のスキルが必要です。完全リモートが可能なので、全国どこからでも働けます。

データ入力

次のようなデータを指定されたフォーマットに入力するのが主な仕事内容です。

  • 企業の顧客情報
  • アンケート結果
  • 経理伝票 など

特別な資格は不要で、タイピングの速度や正確さが重視されます。業務はクラウド上のシステムやスプレッドシートを使って行われることが多く、指示内容が明確なため在宅でも進めやすいのが特徴です。

ライター

ライティング業務は、企業のメディアやブログ、広告の文章を作成する仕事で、記事構成の提案、リサーチ、執筆などをオンラインで行います。クライアントや編集担当とのやり取りはメール・チャットで完結するので、完全に在宅で働くことが可能です。

成果物で評価されるケースが多く、自分のペースで働きたい人や発信が好きな人に向いています。

エンジニア

エンジニア業務は、システム開発、Webサイト構築、アプリ設計などさまざまな求人があります。専門スキルを活かせるぶん報酬が高めで、成果重視型の評価をされやすい職種です。

環境が整っていれば場所を選ばず働けるため、ワークライフバランスを重視するエンジニアにも人気があります。

コールセンター

在宅で行うコールセンター業務は、一般的に以下のような対応を自宅で行います。

  • 顧客からの問い合わせ対応
  • 商品の注文受付
  • サポート窓口 など

専用システムとヘッドセットを使って通話を行いますが、マニュアルが整っている案件が多く、初心者でも始めやすいのが特徴です。シフト制で柔軟に働けるので、プライベートを両立させやすい仕事だといえます。

在宅派遣のメリット

在宅派遣を選ぶメリットは以下のとおりです。

通勤する必要がない

通勤時間がなくなると、朝の準備に追われるストレスや満員電車・渋滞による疲労を避けられます。自分の時間を有効に使えるため、家事や育児、趣味、資格の勉強などと両立しやすくなる点もメリットです。

とくに、地方や郊外に住んでいて都市部への通勤が難しい、身体的な理由で外出が負担になるといった人にとっては、在宅派遣は働きやすい選択肢です。自宅を職場にすることで、生活の質そのものを高められます。

選択肢が広がる

在宅派遣は、居住地域に縛られず全国どこの仕事でも受けられるため、働く選択肢が大きく広がります。たとえば、地方在住者が東京の大手企業のプロジェクトに関わることも可能です。

また、出勤する必要がないので、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を実現しやすくなります。仮に家庭の事情などで転居することになっても、仕事を辞めずに済む点も大きなメリットです。

人間関係に煩わされない

在宅派遣の場合は基本的に一人で業務を進めるので、オフィス特有の人間関係に煩わされることがほとんどありません。職場での雑談や無駄な会議、上下関係などに気を取られることなく、自分の仕事に集中できます

また、やり取りは一般的にチャットが中心になるので、業務連絡がシンプルな点もメリットです。人間関係によるストレスやプレッシャーを感じやすい人は、精神的な負担を軽減できるでしょう。

在宅派遣のデメリット

在宅派遣には大変な面もあるので、メリットとデメリットの両方を確認したうえで検討しましょう。

困ったときに助けてもらいにくい

在宅ワークでは、同僚や上司がそばにいないため、トラブルや疑問が生じた際、すぐ相談しにくいという課題があります。オフィス勤務であればすぐに確認できるような内容もチャットやメールでやり取りするので、返信を待つ時間が発生しがちです。

また、文章では相手の表情や雰囲気がわかりにくく、意思疎通の難しさを感じる場面もあるでしょう。オフィス勤務に比べて、質問の仕方や報連相のタイミングといったコミュニケーション力が重要になります。

自己管理が求められる

上司や同僚の目が届かない環境で働くため、自分で時間を管理し、集中力を維持する力が必要です。自宅では仕事とプライベートの境界が曖昧になりやすく、気が緩んで作業効率が下がったり、逆に働きすぎてしまったりすることも珍しくありません。

とくに家事や育児をしなければならない環境では、オン・オフの意識的な切り替えが求められます。また、体調管理や作業環境の整備も自己責任となるため、生活リズムを整える習慣、スケジュール管理が不可欠です。

勤務時間の自由度は高くない

在宅勤務と聞くと自由な働き方を想像しがちですが、派遣契約で働く場合は勤務時間があらかじめ決められているケースが多く、完全な裁量労働にはなりません。企業の業務スケジュールに合わせて勤務する必要があり、とくに電話応対やオンライン会議が発生する職種では、指定された時間帯に勤務するのが前提となります。

時間管理が厳格な企業では、打刻システムや作業ログの提出が求められる場合もあります。そのため、「好きな時間に働ける」というよりは、「場所が自由になった働き方」と捉えるのが現実的です。

在宅派遣に向いている人の特徴

在宅派遣は、オフィス勤務とは別のスキルや環境が必要になるため、誰にでもおすすめできる働き方とはいえません。ここでは、在宅派遣に向いている人の特徴を紹介します。

自主的に行動できる

在宅派遣では、誰かの指示を待つのではなく、業務を自ら整理し、優先順位を判断して進められることが求められます。トラブルが起きた際には、まず自分で情報を調べたり、必要に応じて迅速に報告したりする力が重要です。

また、テキストでのやり取りが中心になるため、簡潔で分かりやすいコミュニケーションを意識できる人ほど評価されます。このほか、自分で目標を設定し、成果を可視化できるタイプの人は、在宅派遣という働き方で力を発揮しやすいでしょう。

メリハリをつけられる

自宅で働くと、家事や家族の用事に気を取られやすいほか、仕事を終えたあとも頭が切り替わらないなど、オン・オフの区別が難しくなりがちです。そのため、勤務時間をしっかり決め、始業、終業のリズムを意識できる人ほど安定して成果を出せます

休憩時間や業務後にリフレッシュする習慣をつけるなど、心身のバランスを保つ工夫も必要です。自己管理能力が高く、計画性に時間を使える人は、在宅派遣でも効率的に働けるでしょう。

在宅ワークできる派遣の仕事を探してみよう

在宅で働ける派遣の仕事には、事務やデータ入力、エンジニア、コールセンターなどがあります。在宅ワークは、通勤が不要であったり人間関係のトラブルが少なかったりといったメリットがある働き方です。

一方で、トラブルの際に相談しにくい、自己管理が重要といった難点もあるため、自分に適している働き方かどうかを検討する必要があります。指示がなくても自主的に行動でき、仕事とプライベートにメリハリをつけられる人は在宅派遣に向いているので、ぜひ挑戦してみましょう。