派遣社員の期間満了とはどういう意味なのか、期間が満了したらどうすればいいのかと悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、派遣社員における「期間満了」の意味と、満了までの流れについて解説しています。無事に契約期間の満了を迎えるため、契約解除を避ける方法もまとめているので、あわせてチェックしてください。
目 次
【派遣】契約期間の満了とは?
派遣契約は、あらかじめ働く期間を定めて契約を結びます。期間満了とは、この契約期間の定めをまっとうした、という意味です。
契約期間の満了日が近づくと、派遣会社と派遣先企業が更新の可否を協議し、派遣社員にその結果が伝えられます。三者の合意が得られず契約更新が行われない場合は、満了日をもって派遣先での就労期間は終わりです。
また、派遣社員が希望すれば、契約満了後に正社員や契約社員として雇用される可能性もありますが、結果は派遣先企業の判断に委ねられます。
「満了」と「終了」との違い
「期間満了」と混同されがちな言葉に「期間終了」がありますが、この2つは異なる意味で使用されるのが一般的です。期間終了は、次のような理由をもとに、期間の途中で契約が終わるときに使われます。
- 派遣先企業から契約を解除される
- 派遣社員が契約期間の途中で退職する
派遣社員の突然の解雇は法律上許されていませんが、派遣社員の素行不良や派遣先企業の業績悪化など、やむを得ない事情があれば契約解除に至ることもあります。
また派遣社員は、原則として契約期間中にやめることはできません。ただし、病気や家庭の事情など、続けられない理由がある場合には早期の退職も可能です。
派遣社員の期間満了までの流れ
派遣期間の満了は事前に知らされるため、その流れを把握し、どのような行動をとるべきか考えておきましょう。
契約期間満了の告知を受ける
派遣社員は、契約期間の満了日が近づくと、派遣元(派遣会社)から契約期間満了の告知を受けます。派遣会社は、少なくとも契約満了の30日前までには派遣労働者に通知するよう、法律で義務付けられています。
派遣先企業が引き続き派遣社員を雇用したい場合は、契約の更新について同時に協議されることも少なくありません。ただし、更新されない場合には、その時点での派遣業務は満了日をもって終わりとなります。
次の仕事を探す
契約期間の満了後、次の仕事を探す必要がある場合は、派遣会社が新しい派遣先を紹介するのが一般的です。派遣会社には、登録スタッフが新しい派遣先を見つけるためのサポートをする義務があります。
もしも次の仕事が見つからない場合は、ほかの派遣会社に登録して、仕事の幅を広げるのもよいでしょう。
このほか、ハローワークや求人サイトも有効な手段です。派遣社員としての経験を活かし、新しい派遣先や正社員の求人にも目を向けることができます。
仕事が見つからない場合は失業保険を受ける
次の仕事が見つからない場合、一定の条件を満たしていれば失業保険(雇用保険)の給付を受けることが可能です。
離職日までの2年間に12ヶ月以上の雇用保険加入期間が必要ですが、雇用保険に加入していれば、派遣社員もこの保険が適用されます。失業保険は、ハローワークで申請したのち、一定の待機期間を経て支給されます。
また、受給する場合は積極的に就職活動を行うことが求められるため、定期的なハローワークでの相談や求職活動の証明が必要です。
派遣契約の終了(解除)を避ける方法
派遣期間の満了と異なり、期間の途中で終了(解除)になった場合は、次の仕事を紹介してもらいにくくなるなどのリスクが生じます。なるべく契約解除になるようなことは避け、期間の満了を迎えましょう。
悩みは放置せず派遣会社に相談する
契約期間の満了を迎えられない原因の一つに、派遣先での悩みや問題を、派遣社員が抱え込んでしまうことが挙げられます。業務内容や人間関係、労働条件に関して悩みがある場合は、早めに派遣会社に相談しましょう。
派遣会社は、派遣先企業との調整役を担っており、派遣社員の要望や不満を適切に伝えることで、職場環境の改善、業務内容の見直しなどを図ります。問題が深刻になる前に相談することで、契約解除を回避するための対応が可能になるでしょう。
派遣先からの信頼を得る
契約期間の満了または更新につなげるためには、派遣先企業からの信頼を得ることが不可欠です。日々の業務に真摯に取り組み、与えられた仕事を高い品質でこなすことが信頼関係を築く第一歩です。
また、業務の効率化や改善提案を積極的に行うことで、派遣先企業から「欠かせない人材」として認識される可能性もあるでしょう。信頼を得ることによって、契約更新のオファーや、さらに長期的な雇用につながることがあります。
信頼できる派遣会社を見つける
多くの派遣会社がありますが、中には派遣社員のキャリアアップを支援するサポート体制が充実している企業もあります。
たとえば、定期的なフォローアップや研修制度を提供することで派遣社員のスキルを向上させ、契約更新や新しい派遣先での就業チャンスが得やすい環境を整えています。
派遣会社を選ぶときは、評判や口コミを参考にし、派遣社員の意見をしっかり聞いてサポートしてくれる企業を選ぶことが大切です。信頼できる派遣会社は、派遣先企業とも良好な関係を構築し、派遣社員が安心して働ける環境づくりに尽力しています。
履歴書の退職理由はどう書く?
派遣社員の場合、履歴書や職務経歴書に書く退職理由で悩む人も少なくありません。期間満了か終了かなど、条件によって書き方が変わるため、確認しておきましょう。
理由①契約期間満了
契約期間を満了して退社した場合は、「派遣期間満了につき退社」のようにシンプルに記載しましょう。派遣社員は、あらかじめ期間を定めて働くので、決められた期間しっかり勤めあげたとアピールすることができます。
また、契約終了後に新しいスキルを習得するなど、前向きな行動をアピールするとさらに印象が良くなるでしょう。
理由②自己都合
自己都合で退職した場合は、次のように、ポジティブかつ簡潔に退職理由を書くことが求められます。
- スキルアップのため退職
- 留学のため退職
- 一身上の都合により退職
たとえ派遣先に問題があって退職することになったとしても、ネガティブな情報を伝えてはいけません。転職やスキルアップを目指して退職したなど、前向きな理由をわかりやすく記載するとよいでしょう。
また、家庭の事情や引っ越しなど、個人的な理由で退職した場合も、その内容を事細かに記載する必要はありません。
理由③会社都合
会社の業績悪化や事業縮小など、やむを得ない理由で退職したのであれば、それを履歴書に記載しても問題ありません。この場合も、次のように簡潔に事実を伝えるのがポイントです。
- 会社の業績不振による退職
- 事業縮小に伴う退職
- 会社倒産につき退職
会社都合の退職は、あなたの能力や職務態度に起因するわけではないため、採用担当者に悪い印象を与える心配はないでしょう。
スムーズに再就職するためには
契約満了になる前から、次の仕事探しを始めることが重要です。派遣会社に早めに相談するほか、求人サイトやハローワークを活用して積極的に情報収集を行いましょう。
また、履歴書や職務経歴書を常に更新し、面接で自分のスキルや経験を的確にアピールできるよう準備することも大切です。
さらに契約期間中に業務に必要なスキルを磨き、資格取得などで自分の市場価値を高めれば、次の仕事への移行がスムーズに進む可能性が高まります。
契約期間の満了時には余裕を持って就活しよう
派遣期間をまっとうしたことを「期間満了」といい、これに伴う退職はネガティブな印象にならないため、次の職探しに悪影響を及ぼす心配はありません。
一方で、期間中の退職や契約解除は新しい派遣先を紹介されにくくなってしまうので、注意が必要です。
期間満了は、一般的に30日ほど前に通知されるため、複数の派遣会社やハローワークなどを活用し就活を行いましょう。また、期間満了後に更新する意思がなく、新しい派遣先を探したい場合は、早めに派遣会社に相談しておくのがおすすめです。