現在、世の中には様々な働き方があり、多様化が進んでいます。その中に、期間工(期間従業員)という働き方があり、短期間でお金を貯められる働き方として知られています。
しかし、「期間工はお金が貯められるって本当なのか」「給料が良くても仕事がきつくて続けられないのではないか」という疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
そこで、今回のコラムでは期間工の仕事内容や、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。期間工で働くことを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
期間工(期間従業員)とは?
期間工とは、主に自動車工場や電子部品製造工場などの製造業メーカーで、一定の期間だけ雇用される契約社員のことです。求人募集の際に、「期間従業員」「臨時従業員」などの表現が用いられることがありますが、全て期間工と同じ意味です。
工場の生産現場は慢性的に人材不足に悩まされています。特に繁忙期は人手が足りず生産が追いつかないという事態を避けるために、好条件で期間工を募集している会社は多いです。そのため、正社員と比較して待遇が良い場合もあり、「入社祝い金支給」「寮費無料」などの条件で募集している企業もあるでしょう。
期間工はメーカーに直接雇用されるため、メーカーと直接雇用関係を結んでいない派遣社員とは違う働き方です。ただ、雇用の最長期間は2年11ヵ月までとなっており、同じ職場で3年以上働くことはできません。3~6ヵ月ごとに契約を更新することが一般的で、必ずしも更新できる保証はないので注意が必要です。
期間工として働くことのメリット
期間工として働くことには様々なメリットがあります。代表的なメリットは以下の通りです。
- 時給が高い
- 生活費が抑えられる
- 多彩な手当が支給される
時給が高い
期間工を募集している企業は、なんとしても人員を補充する必要があるため、好条件で求人を出している場合が多いです。そのため、時給が高めに設定されており、正社員や派遣社員として工場で働き始めるより、多くの給料が支給されるでしょう。
加えて、交代勤務や夜勤、残業なども発生する可能性が高く、それらに対して手当が支給されれば、さらに給料が増えます。雇用先も大手企業が多いため、給料に関しては申し分ないほど支給されるでしょう。
生活費が抑えられる
期間工は地域を限定せず全国から募集しているため、遠方から来る人が住む場所や交通手段に困らないように、会社の近くに寮を用意している企業が多いです。寮に入れば一般的な賃貸を借りるよりも家賃や光熱費が安いため、生活費を抑えることができるでしょう。寮に食堂があれば、食事も安く済ませることができます。
さらに、期間工だけ寮費や光熱費が無料という会社もあります。生活費を大幅に節約でき、安心して貯金することができるでしょう。
多彩な手当が支給される
期間工に対して、「契約満了金」を支給している会社がほとんどです。契約満了金とは、契約期間を終えた際に支給されるボーナスのことです。支給されるペースや金額は企業によって様々ですが、出勤日数が多ければ多いほど、支給される額も多くなります。
契約満了金以外にも、期間工として雇用されると「入社祝い金」が支給されたり、休まず勤務すれば「皆勤手当」が支給されたりと、様々な手当が支給されます。手当の種類が多く、一度に支給される金額も大きいため、定期的にまとまった給料がもらえるでしょう。
期間工として働くことのデメリット
期間工として働くことを検討するうえで、デメリットを把握しておかなければいけません。期間工で働くことには、以下のデメリットがあります。
- 長く安定して働けない
- 体力仕事が多い
- 生活環境に慣れるのが大変
長く安定して働けない
先述の通り、期間工は最長でも2年11ヵ月までしか同じ職場で働くことができないと定められています。加えて、一般的に3~6ヵ月ごとに契約更新が行われますが、必ずしも更新されるとは限りません。
繁忙期に人手を確保するために期間工を募集していた企業が、繁忙期を過ぎたら期間工と契約を終了するというケースもあります。安定した働き方をしたいのであれば、期間工として働くという選択は望ましくないでしょう。
体力仕事が多い
期間工は人手が足りない職場に就業することが多いです。人手が不足する職場は体力仕事が多い傾向にあり、仕事内容がきつく感じることがあるかもしれません。
力を使わなくてもずっと立ちっぱなしだったり、少ない時間の中でたくさんの作業をこなさなければならなかったり、体力的に辛く感じることもあるでしょう。身体を痛めたり、体調を崩したりしないように、十分に休息を取らなければなりません。
生活環境に慣れるのが大変
遠方から引っ越してきて期間工として働く人は、慣れない土地で生活することになるでしょう。周りに知り合いもいなければ、休日にリフレッシュできる場所も見つけられないまま過ごすことになってしまうかもしれません。
初めて寮に入るという人は、寮での共同生活にストレスを感じることもあるでしょう。多くの場合、部屋は個室が用意されていますが、食堂やトイレ、お風呂や洗濯機などは共同の場合もあります。共同生活を送る人の中にはマナーを守れない人もいる可能性があり、居心地が悪く感じるかもしれません。
期間工に向いている人の特徴
期間工には向き・不向きがあります。以下のような人は、期間工に向いているといえるでしょう。
- 夢や目標のためにお金を貯めたい人
- 大手企業の工場で働いてみたい人
- ものづくりが好きな人
夢や目標のためにお金を貯めたい人
期間工として働く人は、将来的な夢や目標を短期間で達成するために、早くお金を貯めたいと考える人が多いです。「留学資金を貯めたい」「自由に旅してみたい」など、叶えたい夢や目標がある人は、期間工として働くことがおすすめです。
給料が多いだけでなく、雇用期間も定められているため、後ろめたさを感じることなく退職することができます。目標貯金額と期間を決めて、計画的に貯金していきましょう。
大手企業の工場で働いてみたい人
期間工を募集している企業の多くが大手企業です。通常、大手企業で働くためには厳しい採用審査をクリアしなければなりません。しかし、期間工の場合は厳しい審査をクリアしなくても比較的容易に大手企業で働くことができます。
大手企業であれば、生産方式や作業手順など細かいところまで仕組が整っていることが多く、未経験であったとしても働きやすい環境の職場が多いでしょう。
ものづくりが好きな人
ものづくりが好きで、直接生産現場で働きたいという人は期間工に向いているといえるでしょう。期間工の就業先のほとんどが、生産現場です。
工場で生産している製品に直接手を加えられるため、ものづくりの楽しさを直に感じることができます。ものづくりを楽しみながら、多くの給料を受け取れるため、充実した生活を送ることができるでしょう。
期間工に対するよくある疑問
ここからは、期間工で働くことを検討している人からよく寄せられる疑問について応えていきます。
期間工の平均年収は?
期間工の平均給与は、一般的に400万~500万円といわれています。時給で1,200~1,500円ほどが相場で、そこに残業手当や深夜勤務手当など様々な手当がつき、月収で30万円以上支給されるケースが多くあります。
その他にも、契約更新の際に契約満了金が支給されたり、毎日休むことなく働けば皆勤手当が支給されたりと、豊富な手当で給料が増えていきます。日本の正社員の平均給与が年収500万円ほどであり、期間工は同程度の水準で給料が支給されるイメージです。
期間工から正社員になることはできるの?
結論から申し上げると、期間工から正社員になることは可能です。多くの企業では期間工から正社員になるための登用試験を実施しており、その試験を勝ち抜いた人は正社員として働くことができます。
「将来的には安定した働き方がしたい」「今の職場が気に入ったからこのまま働き続けたい」という人は、ぜひ正社員を目指してみてはいかがでしょうか。しかし、期間工から正社員になるための登用試験は倍率が高くなる傾向があるので、しっかりとした事前準備や対策が必要です。
期間工は寮に入らないといけないの?
企業によりますが、自宅が勤務地から近いのであれば、寮に入らず自宅から通うことも可能です。入居率が高い寮であれば必ず入寮できるとは限らないため、自宅から通うことができるのであれば、寮に入らないという選択も良いでしょう。
ただし、自宅から通える範囲だったとしても寮に入ることを希望することもできます。企業によっては入居条件が定められていることがあるので、事前に担当者の人に確認しておきましょう。
自分に合う働き方を選ぼう
期間工に関する情報を解説してきました。期間工は雇用期間の定めがある一方で、たくさんの給与が支給されるため、短期間でたくさん貯金したいという人に向いています。
厳しい採用審査をクリアしなくても比較的容易に大手企業で働けることも人気の1つ。正社員を目指すことも可能なので、将来的に大手企業で安定した働き方ができる可能性もあるでしょう。
様々な働き方がある時代ですが、期間工として働くことに魅力を感じているのであれば、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。