派遣社員として働くうえで、資格取得は時給アップやキャリアパスにプラスになる可能性が大きいです。

そこで今回は、派遣社員が資格を取得するメリットについて解説していきます。派遣社員におすすめの資格も紹介しているので、あわせてチェックしてください。

派遣社員が資格を取得するメリット

派遣社員が資格を取得することには、以下のようなメリットがあります。

キャリアアップを考えられる

派遣という働き方は、契約ごとに職場が変わるケースが多いので、さまざまな経験を積み重ねながら自分の強みを形成していくことが可能です。さらに資格を持っていれば、単なる事務作業や補助業務にとどまらず、専門性を活かせる業務に就くチャンスも広がります。

資格によって自分のキャリアの方向性を描きやすくなるほか、派遣先企業でも「長期的に活躍できる人材」として認識されやすくなる点もメリットです。資格取得は知識やスキルの証明になるため、自信を持ってキャリアを積み重ねていくための大きな武器になるでしょう。

時給が上がる可能性がある

派遣社員は、一般的にスキルや経験によって時給が決まるので、資格を取得することで時給アップが期待できます。派遣元・派遣先企業は、専門知識や技術を持つ人材に対して高い評価を与える傾向があり、資格を持っている人は、そのぶん条件の良い仕事を紹介してもらえる可能性が高くなります

業務に直結する資格を持っていれば、派遣先から「即戦力」とみなされ、他の派遣社員との差別化が図れるでしょう。時給が上がると収入面が安定するだけでなく、短い時間で効率的に稼げるようになるのも利点です。

派遣会社の制度を活用できる

多くの派遣会社では、派遣社員のスキルアップを支援するために資格取得支援や研修制度を設けています。たとえば、次のような支援を受けることが可能です。

  • 資格試験の受験料を一部補助してくれる
  • 無料または割引価格で講座を受けられる
  • 提携スクールに特別価格で通える

こうした仕組みを利用すれば、自己負担を抑えつつスキルを磨くことができ、資格取得のハードルが下がります。派遣会社が推奨する資格を取得しておくと、その派遣会社から優先的に仕事を紹介してもらえるケースもあります

派遣社員におすすめの資格15選

ここでは、派遣社員におすすめしたい15の資格を紹介します。自身のキャリアに活かせる資格を見つけ、取得を検討してみましょう。

TOEIC

国際的に通用する英語力を測定する試験で、とくにリーディングとリスニング能力を数値化できるのが特徴です。外資系企業や貿易関連の職場、英語を用いる事務職で需要があるので、スコアによっては仕事の選択肢が大きく広がります。

職場によって求められるレベルは異なりますが、英語をメインで使う職場では800点以上のスコアが必要です。

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

MOSは、Microsoft Officeソフトの操作スキルを証明する資格です。派遣社員の多くが事務職に従事するため、この資格を持っていると即戦力とみなされ、採用や時給アップにつながりやすいのが特徴です。

実務で役立つ知識が多く、初心者でも学びやすいので、スキルの基礎固めに適した資格といえます。

日商簿記検定

簿記資格を取得すると、経理や財務などの仕事に応募できるようになり、仕事の幅が広がります。日商簿記2級以上を取得すれば、企業の実務でも十分活用できるレベルとみなされるので、時給が高い案件を選べるようになるでしょう。

秘書検定

秘書検定は、次のような事務職に必要な基礎スキルを証明できる資格です。

  • ビジネスマナー
  • 文書作成
  • 来客対応

事務系職種はもちろん、受付やアシスタント業務でも即戦力と判断されやすくなります。社会人としての基本を学べるため、未経験から事務職に挑戦したい人にもおすすめの資格です。

フォークリフト運転技能講習

主に物流業界などで必要とされる資格で、講習によって、荷物の積み下ろしや運搬を行うフォークリフトを安全に操作できるようになります。製造業や物流業界の高時給案件に応募したいと考えている人は、資格を取得しておくとよいでしょう。

比較的費用がかからず短期間で取得できるほか、需要も安定しているため、とても実用性の高い資格です。

ビジネス実務法務検定

企業活動に関連する法律知識を幅広く学べる資格で、契約書の作成やチェック、コンプライアンス対応など、実務に直結する内容になっています。派遣社員にとっては、法律に強い人材として評価されやすく、他の候補者との差別化になるのがメリットです。

一般的に、2級以上を取得することで、契約管理や取引に関する法的リスクの理解度が高いとみなされます。

貿易実務検定

輸出入業務に必要な知識や手続きを体系的に学べる資格で、商社・物流会社など、国際業務に携わる仕事で強みを発揮できます。書類が英語で作成されることが多いので、言語スキルと組み合わせると専門性が高く評価され、案件の幅がより広がります

QC検定

品質管理に関する知識を問う資格で、製造業や工場での派遣業務に役立ちます。生産工程の改善や不良品率の低減などに活かせるため、専門性をアピールできるのも魅力です。

資格を取得することで、品質管理部門などへの配属が期待できるので、製造業で長く働きたい人に適した資格です。

ITパスポート

情報処理に関する基礎知識を問う国家資格で、IT業界を目指す人だけでなく、一般事務職においてもパソコンやネットワークに関する知識を持っていることが評価されます。難易度はそれほど高くないので、初めてIT系の資格に挑戦する人でも取得しやすいです。

資格を取得することで、システム関連のサポート業務にも応募しやすくなります。

基本情報技術者

IT分野の基礎から応用までをカバーする国家資格で、プログラミングやアルゴリズム、ネットワーク知識など幅広い内容を学べます。派遣社員にとっては、エンジニアやシステムの運用・保守など専門性の高い職種に挑戦できるようになるのがメリットです。

ITスキルを公式に証明できるため、長期的なキャリア形成を考える人にとって有利な資格といえます。

CCNA・CCNP

CCNA・CCNPはネットワーク技術に関する国際的な資格で、Cisco製品を中心としたネットワーク知識を証明できます。派遣社員が資格を取得すれば、ネットワークエンジニアやインフラ関連業務に応募し、高時給案件を狙える可能性があります。

とくにCCNPはより高度な知識を求められるため、経験と組み合わせることで強力な武器になるでしょう。

FP技能士

ファイナンシャル・プランニング技能士は、家計管理や資産運用、保険などに関する知識を証明できる資格です。派遣社員なら、金融機関や保険業界での事務・営業サポート業務に応募しやすくなる点が魅力です。

生活に根ざした知識を学べるため、自分自身のライフプランにも役立ち、実務と自己成長の両面でメリットがあります。

宅地建物取引士

不動産業界で必須とされる国家資格で、契約や重要事項説明を行うために必要です。不動産会社での事務や営業補助に活かせ、資格手当、高時給案件につながる可能性があります

社会保険労務士

労働法や社会保険制度に精通していることを証明できる国家資格です。派遣社員が取得すると、人事・労務関連の業務において専門性を発揮でき、派遣先から高く評価されるでしょう。

企業内でのコンプライアンス対応や働き方改革への取り組みが重視されている現代では、需要が高い資格のひとつであり、正社員や開業など、長期的にキャリアを築くうえで大きな武器になります

行政書士

行政書士は、契約書作成や各種許認可申請などを行える法律系の国家資格です。派遣社員がこの資格を取得すれば、法務や総務関連の仕事で強みを発揮できるでしょう。

派遣社員として働きながらスキルを磨き、将来的に独立を目指す道も検討できます

派遣社員は資格取得に挑戦してみよう

派遣社員が資格を取得すると、キャリアアップの幅が広がるほか、時給が上がる可能性が高くなるといったメリットがあります。さまざまな資格があるので、自分の目指すキャリアに適した資格を選択するとよいでしょう。

事務職であればMOSや簿記が活用できますし、物流業界を希望するならフォークリフト運転技能講習が強みになります。プライベートの時間を確保しやすい派遣社員のうちに資格を取って、正社員や独立に挑戦するのも一案です。