派遣でもノルマがあるという話を聞けば、不安を感じるかもしれません。「達成できなければどうなるの?」と心配になることもあるでしょう。
ノルマには、ペナルティなどのネガティブなイメージを持ちがちです。しかし、ノルマがあることは必ずしも悪いこととは限りません。
この記事では、派遣先で課されるノルマの概要と、そのメリット、デメリットについて解説しています。どうしてもノルマが嫌な人に向けて、ノルマのない仕事を選ぶ方法もまとめているので、お仕事探しの参考にご覧ください。
目 次
派遣にもノルマはある?
派遣社員にも、業務内容によってはノルマが課されることがあります。とくに営業や販売などの成果を求められる職種では、派遣社員であっても目標達成が求められるケースは少なくありません。
また、派遣契約の内容によっては、ノルマに対する責任が発生することもあります。その場合、ノルマの達成度が契約更新に影響することもあるため注意が必要です。
派遣契約の際には、業務内容やノルマの有無をしっかり確認し、未達時にどのような評価になるのかなどを明確にしておきましょう。
目標とノルマの違い
「目標」と「ノルマ」は混同されがちですが、その意味合いは少し異なります。
目標は、目指すべき成果やゴールへの手段のことで、自主的に設定するものです。一方で、ノルマは必ず達成すべき成果の基準で、他者から強制的に課せられるものになります。
ノルマは、会社が従業員に割り当てる仕事の基準量のため、一般的に「達成するのが当然」という位置づけです。そのため、達成できない場合には、評価や待遇に影響を与えることも珍しくありません。
【派遣】ノルマがある業種
次のような業種では、派遣社員でもノルマを課せられることが多いです。
- 営業
- 販売
- 製造
- コールセンター
営業や販売業界では売上、製造業では生産数、コールセンターでは対応件数や顧客満足度の達成などが求められます。
これらの職種では派遣社員も成果を出す必要があり、一定の基準を満たさなければなりません。このほか、事務職などでも、一日の作業量がノルマとして設定されていることがあります。
ノルマ未達だとどうなる?
派遣社員がノルマを達成できなかった場合、その結果が次の契約更新や評価に影響することがあります。とくに達成状況を重視される職種では、ノルマ達成の有無が契約継続の可否を左右します。
また、達成度が低いことで派遣先からの評価が下がれば、業務内容の変更や配置換えを提案されかねません。
ノルマ未達の状況が続くと精神的な負担にもなるため、未達の場合の対応方法やサポート体制を派遣会社に確認しておくと安心です。
派遣先にノルマがあるメリット
ノルマがある企業で働く場合、次のようなメリットがあります。
- モチベーションが上がる
- インセンティブが得られることがある
- 成績によっては正社員登用もあり得る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
モチベーションが上がる
ノルマはプレッシャーになりがちですが、モチベーションの向上につながることもあります。達成しなければならない目標が設定されることで、自分が何をすべきかの基準がはっきりします。
また、ノルマの達成に向けて具体的な行動を計画し、少しずつ成果に近づくことで、モチベーションが維持されやすくなるでしょう。成果がリアルタイムで見えることで、自分の成長が実感できる点も、モチベーションが上がる要因です。
インセンティブを得られることがある
ノルマが設定されている派遣先では、さまざまなインセンティブ制度を導入していることも少なくありません。目標を達成すると、表彰されたり金銭や商品が支給されたりする場合があります。
金銭は給与に上乗せされる形で支給されるのが一般的です。ただし、受け取り方は派遣会社と派遣先企業の取り決めによって異なります。
また、企業によっては、インセンティブとして休暇や旅行を提供しているケースも見受けられます。
成績によっては正社員登用もあり得る
ノルマが設定されている派遣先では、優れた成果を上げた場合に、正社員登用のチャンスが与えられることもあります。とくに、営業や販売、コールセンターのような実績が重視される業種では、正社員になれる可能性が高いでしょう。
ただし、引き抜きでなければ、正社員になるために入社試験などを受ける必要があります。しかし、派遣社員のうちに良い成績を収めておけば、大きなアドバンテージになります。
派遣先にノルマがあるデメリット
メリットがある一方で、ノルマがある派遣先にはいくつかのデメリットも存在します。それぞれを把握したうえで、自分に適した職場を探しましょう。
派遣らしい柔軟な働き方ができない可能性がある
ノルマがあると、派遣らしい柔軟な働き方が難しくなる場合があります。
通常、派遣社員の働き方はサポート的な役割が中心で、柔軟なスケジュールや定時退勤がしやすいのが特徴です。しかし、ノルマがあると目標達成が求められるため、残業や休日出勤が発生することもあるでしょう。
また、目標に追われることで、働き方に対する自由度が制限され、自分のペースで仕事を進めにくくなることも考えられます。このような状況は、ある程度の自由さを求める派遣社員にとっては、大きなデメリットに感じるかもしれません。
ストレスに感じることがある
ノルマが課されることは、精神的な負担やストレスになることがあります。ノルマ未達が続くと「次の契約更新が難しくなるのではないか」という不安や、上司や同僚からのプレッシャーも感じやすくなります。
とくにノルマが厳しい場合は、日々の業務で達成に向けたプレッシャーがかかり、仕事の楽しさや、やりがいが感じられなくなることもあるでしょう。適度なプレッシャーはモチベーションにつながりますが、過度のストレスは、仕事への意欲低下や疲弊を引き起こしかねません。
成果によっては契約更新されない
ノルマがある派遣先では、目標達成度が契約更新の判断材料になることが多く、ノルマ未達成の派遣社員が契約を更新されないケースもあります。
これには、派遣先企業が即戦力として成果を重視しているのが理由として挙げられます。そのため、契約更新時にノルマ未達を理由に継続を見送るケースは少なくありません。
このような状況では、たとえ努力しても結果が伴わなければ契約が更新されないリスクがあり、派遣社員にとって不安やストレスの原因になります。契約更新がノルマの達成度次第になることで、安定した就労が難しくなることがデメリットです。
ノルマのない派遣先で働く方法
「自分にはノルマのある職場は向いていない」という場合は、ノルマのない派遣先を探しましょう。ノルマの有無を確認し、さまざまな企業を比較してみることが大切です。
契約前に十分に確認する
ノルマのない派遣先で働きたい場合、派遣会社や派遣先企業に対して契約前にしっかりと確認することが大切です。派遣会社の担当者に、希望条件として「ノルマのない職場」を明示し、とくに営業や販売など、成果重視の業務を避けたい旨を伝えておくとよいでしょう。
また、業務内容や達成目標の有無について具体的に尋ねることで、ノルマのプレッシャーを感じずに働けるかどうかの判断がしやすくなります。契約書に記載がない場合でも、口頭で確認することで、のちのちのトラブルを避けることにつながります。
複数の派遣会社に登録して探す
ノルマのない派遣先を探すためには、複数の派遣会社に登録することがおすすめです。派遣会社ごとに取り扱う案件や企業の特徴が異なるため、複数の会社に登録しておくことで、希望に近い案件を見つけやすくなります。
とくに、ノルマがない一般事務や経理、秘書などの職種を探す場合は、それらの案件数が多い派遣会社を選ぶとよいでしょう。また、担当者に具体的な希望を伝えることで、自分の働き方に合った職場を見つけられる可能性が高まります。
さらに、複数登録することで各派遣会社のサポートや案件情報を比較できるのも利点です。それによって自分に合った会社を選ぶことができ、理想の就業環境を得るための選択肢が広がります。
ノルマのない派遣先を探してみよう
派遣でも、仕事に対してノルマが課せられることは珍しくありません。とくに営業や販売、コールセンターでは一般的です。ノルマは状況によってはプレッシャーやストレスになることもありますが、モチベーションが上がる、インセンティブがあるといったメリットもあります。
ただし、どうしてもノルマのある職場で働きたくない場合には、事前に派遣会社の担当者に伝えておくとよいでしょう。派遣先の顔合わせなどのタイミングでも、しっかり確認しておくことが大切です。