派遣社員として働いていると、「派遣なのに責任が重い」と感じることがあります。その責任が負担になってしまえば、仕事自体が嫌になりかねません。
そこで今回は、派遣なのに責任が重いと感じる原因と、対処法をお伝えします。派遣先で過度の責任が発生しないよう、働きやすい環境をつくるポイントもまとめているので、ぜひチェックしてください。
派遣社員にも責任はある
派遣社員であっても、業務を遂行するうえで全く責任がない、というわけではありません。派遣社員は、派遣先からの指示に従って業務を行い、与えられた業務には責任が発生します。
たとえば、業務品質の維持や情報の取り扱いなどには、派遣先企業の従業員と同等の責任が求められます。また、ほかの従業員との連携や報連相(報告・連絡・相談)も適切に行わなければなりません。
直接雇用ではなくても、職場の一員として最低限の責任意識を持つことが期待されます。
派遣なのに責任が重いと感じる原因
派遣社員は、正社員と異なる立場ながらも業務遂行の責任を担っており、派遣先の信頼を築くうえでも責任を果たす必要があります。
ただし、派遣の範疇を超えている、スキル以上の仕事を求められるといった場合には、責任が負担になりかねません。
社員並みの業務をしている
派遣社員が社員並みの業務を任されると、責任を重く感じる原因になります。
派遣社員の役割は、通常、サポート業務や限定的なタスクをこなすことが中心です。しかし、派遣先で長く働いていると「信頼できる」と見なされ、正社員と同等の業務を任されることも少なくありません。
これにより、派遣の契約範囲を超えた責任が求められ、心理的負担が増えることもあるでしょう。
また、責任が増えたとしても待遇は変わらないという点も、派遣社員が負担を感じやすい原因です。
新人教育を任される
アルバイトやほかの派遣社員に対してなど、派遣社員が新人教育を任されることがあります。
本来、新人の教育や指導は派遣先企業の従業員が行います。しかし、人手不足や経験のある派遣社員に対する信頼から、指導役が割り当てられることも珍しくありません。
派遣先で指導するという立場は精神的な負担が大きく、教育の成果についてもプレッシャーを感じやすくなります。
また、仮にその新人が辞めてしまった場合には、指導とは関係ない理由だとしても少なからず責任を感じてしまうでしょう。
仕事の量が多い
仕事の量が、派遣社員として契約している範囲を超えてくると、責任の重さを感じる原因になります。
派遣社員には、特定の業務範囲が定められています。しかし、人手不足や増産などで業務量が増えれば、時間内で多くの仕事をこなすことが求められるケースもあります。
これにより、プレッシャーやストレスが増し、責任も重く感じやすくなるでしょう。また、時給は増えないのに仕事量だけ増える、というのであれば不満も感じて当然です。
スキル以上の仕事を求められる
働いているうちに、契約時に指定されたスキル範囲を超える業務を任されることがあります。
これは、派遣先の業務内容が変更になったり、突然高度なスキルが必要な仕事が加わったりすることなどが原因です。
本来であれば、スキル以上の仕事をする必要はないものの、立場的に対応してしまうケースは少なくありません。
求められる仕事のスキルや知識が自分のできるレベルを超えていると、不安や責任から負担を感じやすくなります。
自ら責任を負ってしまっている
派遣社員が、求められる以上に責任を負ってしまうことも、プレッシャーを感じる原因になります。
とくに、同じ職場に長くいて周囲から信頼されていると、自分の役割以上の責任感を持ちやすくなります。
「できるのだからやっておこう」と、範囲外の仕事をしてしまうこともあるでしょう。しかし、派遣社員にはあくまで契約範囲内での業務が求められるため、無理をして責任を負う必要はありません。
自分の立場や役割を意識し、必要以上の責任は回避しても大丈夫です。
責任が重いと感じたときの対処法
派遣先での責任が重いと感じたら、一人で抱え込まず、派遣会社の担当者に相談しましょう。また、前向きに給与アップにつなげる、ほかの職場を検討するといった対処法も考えられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
派遣会社に相談する
派遣先での責任が重いと感じるときは、まず派遣会社に相談しましょう。
派遣会社には、派遣社員の就業条件や業務内容の調整を行う役割があります。そのため、派遣社員が範囲外の仕事をしている場合には、相手方と交渉し、対処してくれます。
相談の際は、業務の量が増えたことや、自分にとって負担が大きいことを率直に伝えましょう。
我慢せずに相談することで、業務負担の軽減や働きやすい環境の実現が期待できます。
給料交渉する
責任が増したり対応する業務が拡大したりしている場合、給料交渉を行うのも一つの手です。
派遣社員の給与は、一般的に業務内容やスキルに応じて設定されます。そのため、業務範囲が広がったり、責任が重くなったりした場合には適正な報酬を求める権利があります。
派遣会社に相談し、現状の業務内容に見合った給与を提示してもらうよう依頼することで、仕事のモチベーションと負担のバランスが保てます。
ただし、派遣社員が契約しているのはあくまでも派遣会社なので、派遣先企業に直接交渉するのはマナー違反です。給料交渉は、必ず派遣会社を通して行いましょう。
契約更新しない
責任が増して業務が負担に感じる場合、契約更新をしないという選択肢もあります。
派遣社員の契約は、基本的に一定の期間で更新されるため、負担が大きくて継続が難しいと感じたときには契約終了を検討することが可能です。
更新しない場合には、その旨を派遣会社に早めに伝え、次の仕事を探してもらいましょう。
派遣社員として気持ちよく働くために大切なこと
重すぎる責任を負わないためには、良い環境で働くことが大切です。働く環境は、自分の行動で良くすることもできるため、気持ちよく働けるように次の点を意識してみましょう。
良好な人間関係を築く
職場で良好な人間関係が築けると、「断れなくて仕事を受けてしまう」「範囲外だと言えない」といったことが少なくなります。しかし、派遣社員には期限があるため、短期間で関係を構築しなければなりません。
そこで、次のような点を意識して、職場の一員として受け入れられる工夫をしてみましょう。
- 自分から挨拶する
- 感謝の気持ちを伝える
- 適度な距離感を保つ
- 協力的な姿勢を示す
派遣先で信頼されることで、業務が円滑に進むだけでなく、サポートも得られやすくなります。
自分の業務範囲を明確にする
自分の業務範囲を明確にすることは、負担を軽減し、スムーズに業務をこなすために重要です。
契約時には、できる範囲について、しっかり派遣会社と相談しましょう。どの業務に取り組むかをはっきりさせておくことで、職場での期待に応えつつも過度な責任を負うリスクを避けられます。
また、業務範囲外の依頼を受けた場合も、無理なく断るための基準になるでしょう。自分の役割を認識して働くことで、過度なプレッシャーから解放され、気持ちよく働くことができます。
スキルアップを怠らない
スキルアップを怠らなければ、責任が増えても対応することが可能です。また、業務範囲外の仕事を頼まれた場合も、自信を持って給料交渉につなげられるでしょう。
業務の幅を広げることで派遣先での評価が高まり、新たな仕事のチャンスが得られるかもしれません。
また、スキルアップによって次の職場でも即戦力として活躍できるため、前向きな気持ちで仕事に取り組みやすくなります。
派遣なのに責任が重いと感じたら、まずは派遣会社に相談
派遣社員でも、長く働いたり信頼を得たりすることで、責任ある仕事を任されることがあります。
しかし、待遇が伴わない、契約にない仕事を求められるといった場合には、負担に感じることもあるでしょう。
そのようなときには、早めに派遣会社に相談し、給料や業務内容の見直しを交渉してもらいましょう。あまりに負担が大きい場合には、更新しないのも一案です。
また、自分の業務範囲をしっかり確認して、契約外の仕事を依頼されないようにすることも大切です。