派遣社員として、派遣先企業でどのように振る舞えばよいのか悩む人は少なくありません。必要以上のコミュニケーションは不要ですが、距離がありすぎると「扱いづらい」と思われる可能性があるため注意が必要です。
このコラムでは、扱いづらいと思われる派遣社員の特徴と、そのデメリットについて解説しています。派遣先で気持ちよく働くためのポイントもまとめているので、あわせてチェックしておきましょう。
「扱いづらい」と思われる派遣社員の特徴

派遣先企業が「扱いづらい」と感じる派遣社員には以下のような特徴があるので、当てはまっていないか確認しておきましょう。
- 自分のやり方に固執する
- コミュニケーションを軽視する
- 派遣を言い訳にする
- 明らかにスキルが足りない
- 不満や悪口ばかり
それぞれ詳しく解説していきます。
自分のやり方に固執する
派遣社員として働く以上、職場ごとのルールや業務フローには、柔軟に対応することが求められます。しかし中には、過去の職場でのやり方に強いこだわりを持ち、「自分はこうしてきた」と周囲のアドバイスを受け入れずに押し通す人もいます。
これではチーム内での連携が取れず、かえって業務効率を下げかねません。たとえ高いスキルを持っていても、協調性がなければ現場を混乱させてしまいます。
コミュニケーションを軽視する
派遣先におけるほとんどの仕事は、個人プレーだけで成り立つものではありません。とくに、挨拶、報連相など、最低限のコミュニケーションがなければ、ミスやトラブルの原因になります。
「派遣だから…」と遠慮して自ら壁を作り、周囲とのコミュニケーションを避けてしまう人もいますが、それは結果的に孤立を招き、信頼関係の構築を困難にします。
職場での立場に関わらず、自分から挨拶や質問をするといった意識は、円滑な人間関係を築くために不可欠です。
派遣を言い訳にする
派遣という立場を言い訳にした次のような態度は、周囲からの評価を下げてしまいます。
- 業務を回避しようとする
- 職場のルールを守らない
- 自ら進んで仕事をしない
もちろん、契約範囲を守ることは大切ですが、与えられた業務に真摯に向き合わなければ信頼は生まれません。最初から「できない」「やらない」というスタンスで臨むより、できる範囲で前向きに取り組むことが、結果として職場での居心地の良さにつながります。
明らかにスキルが足りない
派遣社員は、基本的に即戦力として期待されているため、求められるスキルレベルも高い傾向があります。それにもかかわらず、基本的な業務がこなせない、パソコン操作に不安があるなど、明らかなスキル不足が現場を混乱させることがあります。
そうなれば、サポートや教育に余計な手間がかかり、結果的に「扱いづらい人材」と見なされてしまうでしょう。
不満や悪口ばかり
どんな職場にも不満はつきものですが、それを必要以上に口に出してしまうと、周囲の空気を悪くしかねません。とくに派遣社員は、次のような発言をしないよう注意する必要があります。
- 前の職場の方が良かった
- この会社は合わない
- やり方が古い など
このようなネガティブ発言を繰り返すと、信頼を損ねるだけでなく、職場全体の士気にも悪影響を与えます。また、同僚や上司の陰口を言うような態度は、チームワークを乱し、自分自身の評価を下げる原因になります。
扱いづらい派遣社員になるデメリット

派遣先で「扱いづらい派遣社員」になることにはデメリットが多いため、できるだけ避けることをおすすめします。デメリットを把握し、必要に応じて働き方を見直しましょう。
更新されにくい
派遣契約の更新は、派遣先企業の判断に大きく左右されます。そのため、扱いにくい人だと思われれば、満了で更新なしと決断されやすくなるでしょう。
とくに業務態度や協調性に問題があると、スキルが多少あっても継続は難しくなり、更新のチャンスを逃してしまいます。一度評価が下がると、今後のチャンスにも響く可能性があるため、普段から信頼される働き方をすることが大切です。
仕事を紹介されにくくなる
派遣社員は、派遣会社からの信頼をもとに、派遣先へ紹介されています。そのため、派遣先から扱いづらいと評価される人には、次の仕事を紹介するのが難しくなります。
派遣会社と派遣先は情報を共有するため、企業側からはっきりと「この人はNG」と伝えられるケースも少なくありません。また、派遣会社の社内でも情報が共有されるため、「この人はトラブルになりやすい」と認識されれば、紹介の優先度が下がってしまうでしょう。
そうなれば、自分では気づかないうちに選択肢が狭まっていくリスクがあります。
生活が安定しない
派遣社員にとって、安定した収入と職場環境は大きな安心材料になります。しかし、扱いづらいと見なされることで契約終了や紹介停止が続けば、次の仕事が決まらず、収入も不安定になりかねません。
もしそうなれば、家賃や生活費の支払いに支障が出たり、精神的なプレッシャーが増したりしてしまうでしょう。
派遣社員として気持ちよく働くためには

派遣社員として気持ちよく働くためには、扱いづらいと思われない工夫が必要です。コミュニケーションや仕事に対する姿勢などを変えることで、働きやすい環境が作れます。
自分からコミュニケーションをとる
派遣先では、新しい環境に慣れるまでに時間がかかることもありますが、積極的にコミュニケーションを取るだけでも職場になじみやすくなります。挨拶や、ちょっとした会話から始めても、周囲の印象は大きく変わります。
周囲が気を使って話しかけてくれるのを待つのではなく、自分から心を開いて関わって行きましょう。職場での信頼関係が築ければ、仕事もやりやすくなります
ちょっとした勇気が職場の空気を明るく変えるきっかけになり、居心地の良い環境にすることが可能です。
わからないことは聞く
派遣社員は即戦力として期待されてはいますが、最初からすべてを把握しているわけではありません。業務内容や社内ルールについて不明点があれば、遠慮せずに早めに確認しておきましょう。
曖昧なまま業務を進めてしまうと、後からトラブルになったり、信用を失う原因になったりします。適切に質問することは、「できない人」ではなく「丁寧に仕事を進めたい人」として好意的に受け取られやすいので安心してください。
すべて自分で判断するのではなく、わからないことを素直に聞ける姿勢が、良い関係を築く第一歩になります。
前向きな姿勢で仕事に臨む
どんな職場でも、明るく前向きに仕事に取り組む姿勢は評価されます。たとえ経験が少なくても、「やってみます」「覚えたいです」といった言葉で対応することで、周囲のサポートも得やすくなります。
ネガティブな態度で不満ばかりだと、協力を得られず孤立しがちですが、ポジティブな気持ちで取り組むことで、自分自身も仕事を楽しめるようになります。
もし、スキル以上の業務や契約範囲外の業務が増える場合は、派遣会社に相談するとよいでしょう。場合によっては、待遇の改善が図れる可能性があります。
不安なときは派遣会社に相談
派遣先での人間関係や業務内容に悩みを感じたときは、一人で抱え込まずに派遣会社に相談しましょう。派遣会社はあなたのサポーターであり、問題解決のために動いてくれる存在です。
無理に我慢して働き続けると、心身に負担がかかるだけでなく、仕事のパフォーマンスにも悪影響が出ます。定期的に状況を伝え、必要に応じて改善を依頼することで、より良い職場環境を維持しやすくなります。
「派遣先で扱いにくいと思われているかも…」など、不安を感じる場合には、早めに相談するのがおすすめです。
扱いづらい派遣社員はデメリットしかない!
派遣社員は、ほとんどの場合、有期契約で働くため、扱いづらいと思われることはデメリットにしかなりません。継続を希望されなければ更新にはつながらず、もしも苦情が寄せられれば派遣会社はほかの企業に紹介しにくくなってしまいます。
派遣社員だからといって壁を作ったりルールを無視したりせず、職場で信頼関係を築けるような働き方をすることが大切です。