「清掃スタッフ」と聞くと、仕事がきつそうと想像する方も多いでしょう。

実際に、清掃スタッフにはきついと言われる理由がいくつかあります。しかし、きついといわれている反面、魅力的な点があるのも事実です。

今回は、清掃スタッフがきついと言われる理由と合わせて、魅力的な点について詳しく解説します。

清掃スタッフの仕事に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

清掃スタッフの主な清掃現場とは

一概に「清掃スタッフ」と言っても、実際に作業をする現場にはさまざまな種類があります。清掃スタッフの主な清掃場所は以下の通りです。

ビル清掃員

一般的な清掃員としてイメージされるのが、オフィスや商業施設などのビルを清掃するスタッフでしょう。

ビル清掃員には「室内清掃」と「室外清掃」の2つの種類があります。

室内清掃は、床や壁、ドア、照明、天井、空調、トイレなど、室内設備の担当です。対して室外清掃は、窓ガラスや屋上、外壁や建物周辺の清掃を担当します。

室内清掃と室外清掃はただ作業場所が異なるだけでなく、清掃に必要な知識やスキルが異なるため、向いている人と向いていない人が分かれるでしょう。

清掃業務員

清掃業務員とは、各自治体に所属する公務員としての清掃員のことを指します。

「清掃業務員」と聞いても、あまりピンとこない方も多いかもしれませんが、私たちが普段燃えるゴミの日や空き缶・ビンの日などに出したゴミを回収しているのが清掃業務員です。

その他にも、店舗から出たゴミの回収や動物の死骸回収、道路の清掃や洗浄、商品の生産や加工に伴う廃棄物などの処理なども行います。

しかし、清掃業務員になるには公務員の試験を受験する必要があり、自治体によって受験の年齢制限が異なるため、事前に確認しておきましょう。

特殊清掃員

特殊清掃とは、自宅で人が亡くなった際の遺体の片付けや清掃をする仕事です。

主な仕事内容は、消臭や消毒、滅菌などであり、害虫駆除や床についたシミ取りなどであり、特殊な清掃用具を使用します。

その他の清掃員

上記以外の清掃員は、主に病院やホテル、工場などの清掃員です。

病院の清掃では、受付やロビー、トイレだけでなく、病棟内の手術室や診察室、検査室など医療行為を行う場所も清掃を行います。

病院内を清潔な状態に保てるかどうかは、入院している患者にも影響するため、特に衛生面に配慮しなければいけません。

清掃スタッフがきついと言われる主な理由

清掃スタッフがきついと言われている理由はさまざまありますが、主に以下のような点が挙げられます。

  • 体力を使う
  • 想像以上に汚れているケースがある
  • やり方や手順が細かく決められている
  • 時間に追われる現場もある
  • 職場の年齢層にバラつきがある

体力を使う

清掃員がきついとされる代表的な理由は、想像以上に体力を使う点です。

普段、自宅を掃除する際にはそこまでの体力を使わないため、清掃員はそこまで体力を必要としないと思う方もいるでしょう。しかし、清掃員は広い範囲の清掃をするだけでなく、専用の用具を持ちながら移動しなければいけません。

トイレ掃除1つにしても床や便器、ドアなどさまざまな高さの清掃を行うため、しゃがんだり中腰になったりと腰への負担もかかってきます。

そのため、年齢を重ねるごとに清掃員がきついと感じるようになるでしょう。

想像以上に汚れているケースがある

清掃員といえば、汚れている部分を掃除する仕事であるため、作業場が汚れているのは仕方がないといえるでしょう。

しかし、中には想像以上に汚れている現場もあり、プロでもなかなか落とせないほど汚れがこびりついていることがあります。

また、害虫駆除の清掃以外でも、あまりに汚れすぎていることで害虫が発生し、慣れない清掃の対応をしなければいけない事もあります。

やり方や手順が細かに決められている

汚れの種類によって、適切な清掃方法や手順が異なるため、清掃会社の中でもさまざまなルールを設けていることがあります。

そのため、清掃スタッフとして働くためには、汚れの種類に対しての適切な方法や手順を覚えなければいけません。1つ1つの作業に細かなルールが決められていることが苦手な方には、ストレスに感じてしまうことがあるでしょう。

時間に追われる現場もある

清掃現場によって、制限時間が定められており、時間内に作業が終わるように急ぎながら作業をしなければいけないことがあります。

加えて、清掃作業では綺麗にすることが前提とされるため、作業に慣れるまでは無茶な注文をされていると感じてしまうでしょう。

職場の年齢層にバラつきがある

清掃スタッフは、10代から60代まで幅広い年代の方が働いています。

どの年代の人とでも、円満にコミュニケーションが取れる方には特段デメリットにはなりませんが、中には自身と年齢に差がある人とのコミュニケーションを苦手としている方もいるでしょう。

また、同じ作業現場で大きく年齢が異なる人がいる場合、常に気を使いながら作業をしなければいけないため、ストレスに感じてしまうことがあります。

清掃スタッフの魅力的な点とは

清掃スタッフは、さまざまな点からきついと思われがちですが、魅力的な点も多いです。

中でも特に魅力的な点は以下のような点が挙げられます。

  • 特別な資格やスキルが不要である
  • 接客がない
  • 私生活でも活かせる知識やスキルが身につく
  • 世の中の景気に左右されにくい

特別な資格やスキルが不要である

清掃スタッフとして働く際には、汚れの種類に対しての適切な清掃方法や手順を覚えなければいけませんが、特別な資格やスキルは必要ありません。

公務員試験の年齢制限がある清掃業務員を除けば、どの年齢からでも清掃スタッフとして働けるため、未経験でも挑戦しやすい仕事といえます。

接客が無い

接客業は、好きな人と嫌いな人で大きく分かれ、仕事の際は極力周りの人に気を使わずに働きたいという方もいるでしょう。

その点、清掃業は人とのコミュニケーションが最低限の仕事であり、接客業が苦手な人にはおすすめです。

私生活でも活かせる知識やスキルが身につく

清掃スタッフとして働く以上、必然的に清掃に関する知識やスキルが身に付きます。

しつこい汚れやシミでも落とせるようなノウハウは、私生活でも活用でき、自宅の掃除にも活かせることが多いでしょう。

今までは自宅の掃除に無関心だった方が、清掃スタッフとして働いていくにつれて自宅の汚れが気になり、自宅を常にきれいに保つようになったというケースも少なくありません。

世の中の景気に左右されにくい

清掃スタッフは、世の中の景気に左右されず、需要が安定している職業です。

世の中の景気に大きく左右された例としては、新型コロナウイルスの大きな影響を受けた飲食業が挙げられます。

飲食業は新型コロナウイルスの影響で大きなダメージを受け、多くの飲食店が閉店を余儀なくされました。その点、世の中の景気がどうなろうと「清掃をせずに放置すれば汚れてしまう」という事実は変わらず、世の中の変化に影響しにくいです。

景気に左右されにくい仕事をすることで、将来的な需要が減らず、収入面を安定させやすいというメリットがあります。

清掃スタッフの魅力を活かして挑戦してみよう

今回は、清掃スタッフがきついと言われる理由をはじめ、魅力的な点も紹介しました。

清掃スタッフは、実際にきついというネガティブな印象を持たれがちですが、きつさに対してさまざまな魅力があります。特に「未経験で挑戦しやすく仕事の需要が安定している」という点は大きなメリットでしょう。

新型コロナウイルスから分かるように、昨今ではどの業界がどのように状況が変わってしまうのかは分かりません。そのため、将来的にも需要が減りにくく、安定している仕事に就けるというのは大きなメリットといえるでしょう。

少しでも清掃スタッフに興味がある方は、思い切ってぜひ挑戦してみてください。