「夜勤で働きたいけど、どんな仕事があるのか分からない」とお悩みではありませんか。ひとくちに夜勤といってもさまざまな業種があり、デスクワークから力仕事まで幅広く求人が出ています。

この記事では、夜勤のある仕事の業種と、それぞれの特徴を解説しています。夜勤のメリットとデメリットもまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

夜勤のある仕事10業種

24時間稼働している施設では、夜間勤務が必要になります。

夜勤のある仕事を代表して10業種ピックアップし、業種ごとの仕事内容や特徴を解説します。

  • 工場勤務
  • コールセンター
  • 警備員
  • 看護師
  • 介護士
  • ドライバー
  • 24時間営業のサービス業
  • インフラエンジニア
  • 清掃員
  • 公務員

工場勤務

工場勤務の夜勤スタイルは大きく「夜勤専従」「二交替」「三交替」の3つに分けられます。

  • 夜勤専従:夜の時間帯のみの勤務形態
  • 二交替制:12時間交替で勤務する
  • 三交替制:日勤、準夜勤、夜勤を8時間交替で勤務する

夜勤専従と二交替制は、三交替制と比較するとある程度生活リズムが整えやすいですが、三交替制では3つの勤務時間が一定期間ローテーションするため、生活リズムが崩れやすくなります。単身者は食事を含む体調管理が難しくなるため、食事付きの寮を設けている工場を選ぶのも一案です。

コールセンター

ロードサービスやクレジットカード、警備会社などでは、24時間体制でコールセンターを設置しています。さまざまな悩み相談を受け付けるホットライン業務を取り扱うコールセンターもあります。

コールセンターの夜勤業務は、多くの場合で日中より対応件数が少ない傾向にありますが、外国からの電話に対応する業務の場合は、夜間のほうが忙しい場合もあります。週1勤務からの募集も数多くあるため、週末の夜のみ働くなど、副業としても人気があります。

警備員

警備員の夜勤業務は大きく「施設警備」と「交通誘導警備」の2つに分けられ、主に配属される場所は下記の通りです。

  • 商業施設
  • オフィスビル
  • 病院
  • 工事現場

夜間の施設警備では、施設内の巡回や防犯モニターのチェックにはじまり、施錠確認、深夜に訪れる業者や職員の入出対応もします。工事現場では、通行止めや片側通行における一般車両と歩行者の誘導のほか、工事車両が安全に出入りできるよう周囲の交通整理も行います。

夜勤では仮眠時間が設定されている場合がありますが、会社によって仮眠時間は給与に含まれない場合もあるので事前に確認しておきましょう。

看護師

看護師の勤務時間は多くの場合シフト制で、病院勤務では、二交替制・三交替制のどちらかが採用されています。夜勤を伴う看護業務は病院以外でも求められ、高齢者向け介護施設のほか、児童養護施設、乳児院といった児童福祉施設での勤務もあります。

製薬会社や医療機器メーカーに設置されるコールセンターの仕事もありますが、技術的な看護行為がないため、転職の際に看護師経験として扱われないことがあります。

介護士

介護士の夜勤時間は、大きく「8時間勤務」と「16時間勤務」の2パターンに分けられます。16時間勤務は2日分働くため大変ですが、仮眠時間が設けられているほか、翌日が休みになることが多く、公休と合わせて連休を取りやすいといった利点があります。

労働基準法に照らし合わせると、16時間の夜勤では最低でも1時間の休憩を取らなければなりませんが、「仮眠室がない」「一人で対応しなければならない」といった理由からゆっくり休めないケースもあります。

ドライバー

夜勤のあるドライバー業務には以下のようにさまざまな分野があり、それぞれに特徴があります。

  • 輸送(配送)ドライバー
  • タクシードライバー
  • 長距離バス

輸送ドライバーはトラックで拠点から拠点または荷受人まで荷物を運ぶ業務で、夜間は道が空いているため渋滞にはまることがないのが利点です。タクシードライバーの夜勤業務では、終電を逃した人や長距離客の利用があるため稼ぎやすいですが、泥酔者やタクシー強盗を乗せるリスクもあるため注意しなければいけません。

長距離バスの運転手は、都市間を移動して乗客を運ぶ業務で、一人体制の場合は2時間に1回の休憩、二人体制の場合は交替で業務にあたることが一般的です。

夜間の運転は眠くなりやすいため、睡眠管理や眠気を覚ます工夫が重要になります。

24時間営業のサービス業

夜勤のある24時間営業のサービス業は以下の通りです。

  • ホテル
  • コンビニ
  • インターネットカフェ
  • ファミリーレストラン 

サービス業の夜勤は、日中に比べ忙しくないことがほとんどですが、お祭りやイベントなどが多く行われる週末は忙しくなることがあります。さらに、夜間は「酔っぱらい」や「客同士のケンカ」といったトラブルが多くなるので、対応に追われる可能性もあるでしょう。

インフラエンジニア

企業のインフラ導入は終業後に、システムのアップデートはサービス提供に支障のない夜間に行われることが多いです。その他の夜勤業務は、サーバーやシステムの監視、トラブルシューティング、顧客対応などがあります。

緊急性の高い障害が起こった場合は復旧に数日かかることもあり、勤務形態に関わらず残業や泊まり込みで対処するケースもあるでしょう。保守、監視がメイン業務の夜勤は新人や未経験者に振られることが多く、一般的にインフラエンジニアとしての経験を積んでいくと夜勤は減っていきます。

清掃員

清掃作業は、多くの場合で利用者がいない時間帯に行われます。そのため下記のような場所では夜間に清掃業務を行います。

  • オフィスビル
  • ショッピングモール
  • テーマパーク 

作業内容は、ゴミの回収、フロア清掃、トイレ掃除、窓ふきなど多岐にわたり、広い現場では割り振られた場所を一人で清掃するケースもあります。数人のチームで派遣されることが多いため、複数の現場を移動する場合は移動中の社内で休憩することも可能です。

公務員

公務員も職種によっては夜勤があり、多くの場合シフト制で勤務します。夜間業務のある職種は下記の通りです。

  • 警察官
  • 消防官
  • 刑務官
  • 自衛官
  • 税関職員 

上記以外では、市区町村の役所などに勤める事務系の公務員にも、夜間勤務が発生するケースがあります。災害の備えとして、土木や水道などに関わる部署では当直*での夜間勤務が定められている職場もあり、有事の際は泊まり込みで対応しなければいけないケースもあるでしょう。

*当直とは、通常の勤務時間外にシフト交代制や当番制で働くこと。

夜勤のメリット

深夜労働に当たる午後10時から午前5時の間の勤務には割増賃金が支払われるため、該当時間の勤務では通常賃金の25%が上乗せされます。さらに、同時間内に残業をした場合には残業代も支払われるため、「日勤に比べて稼ぎやすい」というメリットがあります。

この他にも、「通勤ラッシュを避けられる」「日中の時間を有効に使える」といった利点があるのも夜勤の特徴です。夜型の生活スタイルの人や、体力に自信のある人は夜間勤務に向いているので、夜勤を検討してみるとよいでしょう。

夜勤のデメリット

通常は寝ている時間に働くため自律神経が乱れたり、食事や睡眠の管理が難しくなったりすることから体調を崩しやすいです。他にも、家族や友人と行動時間が合わなくなるため、プライベートを大切にしたい人には不向きかもしれません。

多くの場合で、夜勤は日勤より作業量が少ない傾向にありますが、トラブルが起きた際には少人数で対処しなければならないのもデメリットです。

自分に合った夜勤の仕事を見つけよう

夜勤は多くの場合で「夜勤専従」と「シフト制」に分けられ、シフト制では交替で夜勤にあたります。同じ夜勤でも、デスクワークから力仕事まで、業務内容は業種によってさまざまです。

日中に比べてあまり忙しくない傾向にありますが、夜間に顧客対応やトラブル処理をしなければならない場合もあります。その場合は、人手が少ないため日中より大変な業務になる可能性があることを念頭に置いておきましょう。

休憩室、仮眠室の有無といった労働環境や、仮眠時間にも賃金が支払われるのかといった給与面での待遇などをよく確認し、自分に合った夜勤の仕事を見つけてください。