未経験でも活躍しやすいことから、女性に人気の高い軽作業。求人に「服装自由」「私服OK」などと記載されていることが一般的であり、どんな服装で出勤すれば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、軽作業に適した女性の服装について詳しく解説していきます。季節に応じた服装や身だしなみのポイントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
軽作業の服装は融通が利きやすい
作業員や製品の安全を守る、衛生状態を良好に保つといった観点から、工場や倉庫では基本的に企業から支給される作業着を着て勤務します。しかし、比較的簡単な作業を行う軽作業の場合は、事故に繋がるリスクが少ないことから服装を指定しない求人が多いです。
ただし、指定がないとはいっても、業務に支障を出さないために避けるべき服装は存在します。服装を選ぶ際に注意すべきポイントについては、この後詳しく解説していきます。
軽作業の女性の服装選びのポイント
女性が軽作業で働く際の服装は、以下の4つを満たすアイテムを選ぶ必要があります。
- 汚れてもいい
- 動きやすい
- シンプルで安全性が高い
- 季節に適している
汚れてもいい
単純な作業が多いとはいえ、軽作業の仕事をする中で服が汚れてしまう可能性は否定できません。軽作業を行う工場や倉庫は泥や油、ほこりなどで汚れやすいことが多いためです。
- ピッキング:倉庫・工場内に保管された商品をピックアップする
- 梱包:商品を出荷できるよう段ボールに詰めたり包装紙に包んだりする
- 仕分け:出荷準備が整った商品の種類や発送エリアに応じて分類する
加えて、上記のような作業では床に膝をついたり汚れた段ボールや製品を持ち上げたりしなければならず、作業中に衣服が汚れやすいです。薬品を使用したり、食品を取り扱ったりしている工場や倉庫では、室内のにおいが衣服に付着してしまうこともあります。
お気に入りの私服を仕事で汚してしまうのは避けたいものです。おしゃれをして出かけたい時に着用するアイテムや、色が薄く汚れが目立ちやすい衣服は取り入れず、汚れてもいい服装を心掛けましょう。
動きやすい
先程ご紹介した作業の中には、工場や倉庫内を動き回る、荷物を持ち上げるために繰り返ししゃがんだり立ち上がったりするといった動きが必要となることも少なくありません。スムーズに作業を進めるため、動きやすい服装を取り入れましょう。
あくまでも仕事中に着用する衣服であることを忘れず、動きやすさを最優先した服装をするようにしてください。具体的には、パーカーやジーンズ、Tシャツといったアイテムを使うことをおすすめします。
シンプルで安全性が高い
工場や倉庫には、機械や重い荷物、大きなフォークリフトといった重大な事故の原因となり得る要素が数多く存在します。特別なスキルや資格を必要としない軽作業を担当していても、工場や倉庫の中で作業をする以上、最低限の安全対策は行わなければなりません。
衣服が機械に巻き込まれるのを防いだり、事故に遭った際の被害を最小限に抑えたりするため、以下のような服装は避けましょう。
- スカート・丈の短いズボン
- 裾が広がった長ズボン
- 丈が長すぎて裾を引きずってしまう長ズボン
- 袖が広がったトップス
- 袖の短いトップス
- リボンやレースのような大きな装飾がついたアイテム
季節に適している
工場や倉庫によっては、粉じんが舞うのを防ぐために空調をつけないところや、高温を発生する機械がある、室内が広すぎるなどの理由で空調が効きづらいところもあります。厳しい暑さや寒さの中でも快適に働けるよう、季節に応じて適切な服装をするべきです。
夏
夏の工場や倉庫は非常に暑く、湿度が高いです。風通しが悪いところも多いため、熱中症になるのを防げる服装を取り入れる必要があります。
通気性に優れた綿や速乾性が高いポリエステルといった素材の衣服を選び、体内に熱がこもったり汗で肌がべたついたりするのを防ぎましょう。
なお、勤務中のケガを防ぐためには長袖の服を着用することが望ましいですが、どうしても暑さを我慢できない場合は半袖の服を着ると良いです。
冬
工場や倉庫は天井が高いことが多く、暖かい空気が上に上がっていきやすいです。熱伝導率の高いコンクリートの床が暖房の熱を逃がしてしまうこともあり、冬場は特に冷えやすい傾向にあります。
- 保温性の高いヒートテックや防寒タイツを着用する
- 厚手の靴下を履く
- 貼るカイロを身に付ける
- 手袋やネックウォーマーを着用する
勤務中の寒さによるストレスを軽減するため、上記のような寒さ対策を講じるのが良いでしょう。作業の邪魔にならないよう、上着はブルゾンのような程良く薄いタイプのものを選ぶことをおすすめします。
春・秋
春や秋は快適に勤務できる季節です。カジュアルで動きやすいTシャツやジーンズなどを着用するのが無難であり、体温調節ができる薄手のパーカーやカーディガンを用意しておくと安心です。
なお、季節に限らずフードのついた上着は避けましょう。顔の近くにあるフードが機械に巻き込まれてしまうと、重大な事故に繋がる恐れがあります。
軽作業の女性の身だしなみのポイント
ここからは、女性が軽作業をする際の身だしなみのポイントを解説していきます。
- 髪型
- ネイル・アクセサリー
- 靴
- 持ち物
髪型
服装と同様、軽作業をする際の髪型について細かな規定が設けられていることはあまりありません。しかし、以下4つのポイントを押さえた髪型をする必要があります。
- 顔にかからない
- アクティブに動いても崩れない
- 周囲の機械に引っかからない
- 抜けた毛が製品や機械に混入しない
具体的には、顔回りの髪をピンで留めたり、長い髪を1つにまとめたりといった対策を実施すると良いでしょう。
お客様を相手にする職種ではないため、髪色についての厳しい制限は設けられていない傾向にありますが、職場に規定があればそれに合わせるのが基本です。
ネイル・アクセサリー
ネイルについても、特に制限がない職場が多いです。しかし、作業の妨げになるため長すぎるネイルは避けてください。また、荷物を運んだり商品を仕分けたりする過程でネイルが傷ついたり、ひび割れてしまう可能性があることに留意しておきましょう。
イヤリングや指輪、ブレスレットといったアクセサリーは商品を傷つけてしまう、作業をする中で破片が混入してしまうといったリスクに繋がるため禁止されていることが多いです。
靴
工場や倉庫で働く際に履く靴として最も理想的なのは、JIS(日本工業規格)により定められた性能を満たした安全靴です。安全靴にはつま先部分に先芯と呼ばれる芯が挿入されており、足を保護する役割を担っています。
安全靴を持っていない方は、動き回ったり立ちっぱなしで作業したりする際に支障が出ないよう、履きなれたスニーカーを身に付けましょう。パンプスやサンダルなど、長時間動き回る上で不便なアイテムは避けるべきです。
持ち物
軽作業をする上で必要な持ち物として、以下の6点が挙げられます。
- 筆記用具・メモ帳
- 飲み物
- タオル
- カイロ
- カッター
- 軍手
比較的単純な業務が多い軽作業ですが、指示されたことを記入できるメモを持ち歩いておくとミスを防げて安心です。厳しい暑さをしのぐ飲み物やタオル、防寒対策に欠かせないカイロといった季節に応じた持ち物も準備しておきましょう。
勤務先によっては、段ボールの封を切るカッターや、荷物を運ぶ際に滑り止めとして活躍する軍手を持ち物として指定するところもあります。こうした持ち物を忘れてしまうと業務に大きな支障が出る可能性があるため、必ず事前に担当者に尋ねて確認しておきましょう。
安全に・スムーズに働ける服装で臨もう
軽作業の求人には、服装に関する具体的な規定が記載されていないことが多いです。就業規則を確認したり担当者に尋ねたりしても、自分の服装が適切かどうか不安になってしまうかもしれません。
着用するアイテムに関して判断に迷ったら、安全に働ける、業務に支障をきたさないという2点を満たしているかどうかを確認してみてください。
工場や倉庫は暑さや寒さが厳しいため、季節に合わせた働きやすい服装を取り入れられるとなお良いです。今回ご紹介したポイントを押さえて、安全に、かつ快適に働ける服装を取り入れて業務に臨めると良いでしょう。