派遣の仕事をバックレるのは簡単ですが、その後のリスクを把握していない人は多いのではないでしょうか。バックレのリスクをわかっていないと、自分だけでなく家族にまで迷惑をかけることになりかねません。
この記事では、派遣社員がバックレてしまう原因と、バックレた場合どうなるのかについて解説しています。衝動的に辞めたいと思っている人は、バックレるデメリットを知っておきましょう。
目 次
派遣社員がバックレてしまう原因
派遣社員がバックレてしまう原因には、次のような理由が挙げられます。
職場の状況や本人のメンタルなど、さまざまなことがきっかけになります。
遅刻や欠勤の連絡がしにくい
「寝坊したので遅刻する」「具合が悪いので休みたい」などの連絡ができずに、バックレにつながってしまうケースは珍しくありません。これは、日頃から職場でのコミュニケーションがうまく取れていないことが原因になりがちです。
また、失敗したときにひどく怒られる、欠勤の連絡で嫌味を言われるといった環境のため、連絡できない場合もあるでしょう。このような理由から無断欠勤してしまい、そのまま連絡できずにバックレという結果になります。
契約期間が残っているのに辞めたくなった
まだ契約期間が残っている状況で辞めたくなり、バックレてしまう人もいます。
人間関係のトラブルや業務内容への不満があれば、仕事を辞めたくなることもあるでしょう。しかし、派遣社員は契約期間がきまっているため、すぐに辞めることができません。
とくに長期の契約の場合、半年や1年という単位で働かなければならないので、辞めたいときのストレスが大きくなりがちです。その結果、契約満了まで耐えられずにバックレてしまいます。
嫌なことがあった
職場で嫌なことを言われた、嫌いな人とチームになったなど、些細な理由がバックレにつながることもあります。意見の食い違いなど、社内でのトラブルが原因で衝動的に辞めてしまう人は少なくありません。
また、仕事に限らず、プライベートで嫌な出来事があり、バックレてしまうケースもあります。たとえば、恋人と別れて何もかも嫌になる、親しい人が亡くなって動く気力がなくなるといった例が挙げられるでしょう。
【派遣社員】バックレるとどうなる?
派遣社員がバックレると、多くの人に迷惑がかかります。場合によっては損害を補填しなければならない可能性もあるので注意が必要です。
派遣会社から連絡がくる
派遣社員と連絡が取れなくなった場合、まず派遣先企業から派遣会社に連絡が入ります。派遣会社は、派遣社員の安否や状況を確認しなければならないため、登録してある電話番号に連絡をします。
ここで派遣社員と話ができれば事情聴取を行いますが、いつまでも電話に出なければ、自宅まで足を運ばなければなりません。また、バックレではなくケガや病気で倒れている可能性も考えられるため、家族に連絡がいくこともあります。
場合によっては損害賠償を請求される
バックレただけでは、損害賠償を請求されることは考えにくいですが、大きな損害を与えた場合には賠償責任が発生する可能性があります。
たとえば、解約違反の違約金や業務が止まったために生じた損失の賠償、代替要員の確保にかかった費用などが挙げられます。しかし、これらの請求には手間やコストがかかるため、企業が請求を見送ることも珍しくありません。
新しい派遣先を紹介してもらえなくなる
派遣会社は自社の信用を守るために、信頼できる労働者を派遣先に送らなければなりません。そのため、一度でもバックレた派遣社員を紹介するのはリスクが高くなり、新しい派遣先を紹介しにくくなります。
また、場合によっては、派遣会社から契約を解除されることもあるでしょう。登録が解除されれば、その会社からの仕事の紹介は完全に止まります。
このほか、別の派遣会社にバックレの情報が伝わることは基本的にありませんが、同業界内では噂が立つ可能性があり、ほかの派遣会社からの紹介が減るリスクもあります。
バックレても給料はもらえる?
企業には、労働者に対して給料を支払う義務があるため、たとえバックレたとしても、働いた分の給料はもらえます。
しかし、全額もらえる保証がない点には注意が必要です。たとえば、違約金が引かれる可能性があるほか、無断欠勤した日に有給をあてることもできません。
また、派遣先のセキュリティパスやロッカーのカギなど、貸与物を返却しない場合には、取替え費用が引かれるケースもあります。これらを差し引いたあとの給料に対して、バックレを理由に支払いを拒まれる場合には、労働基準監督署に相談してください。
バックレたい!と思ったら
突然「もう仕事に行きたくない」と思うのは誰にでもあることです。しかし、感情のままにバックレると、その後のキャリアに悪影響を及ぼしかねません。
バックレる前に冷静に状況を整理し、次のアクションを取ることが大切です。
派遣会社の担当者に相談する
バックレる前に、まず派遣会社の担当者に状況を正直に伝えましょう。派遣会社は派遣社員のサポート役であり、問題を解決するために手助けをしてくれます。
- 業務内容が契約と異なる場合:担当者が派遣先に交渉し、業務範囲を修正するよう働きかけてくれることがある
- 職場環境に問題がある場合:人間関係やハラスメントが原因であれば、派遣会社は適切な対応策を講じる義務がある
- 辞めたい場合の手続き:辞める意思を伝えれば、正規の手続きを踏んでスムーズに退職できるよう手配してくれる
派遣会社に相談することで、感情的な行動を避け、合理的な解決策を見つける可能性が高まるでしょう。
新しい仕事を探す
現在の職場がどうしても辛い場合、次の仕事を探す準備を進めることも一つの手段です。新しい選択肢を視野に入れることで、現在の状況から抜け出すための具体的なプランが立てられるでしょう。
登録している派遣会社に別の案件を紹介してもらうのもよいですが、派遣会社を変えて、より適した仕事を探すのもおすすめです。
また、次の仕事で有利になるよう、新たなスキルや資格を身につけておくのも効果的です。このような準備をしておけば、次の選択肢があると思えるようになり、精神的な余裕が生まれます。
バックレたい理由を明確にする
感情的な行動を防ぐためには、「なぜバックレたいのか」を冷静に考え、具体的に整理することが重要です。理由を明らかにすることで、問題の本質が見えるでしょう。
- 業務が辛い:業務量や仕事内容が過剰な場合、それを派遣会社に伝えるだけで改善されることがある
- 人間関係が悪い:特定の人とのトラブルが原因なら、配置換えや直接的な解決策が取られる可能性がある
- 仕事への興味がなくなった:仕事そのものが自分に合わないと感じる場合、新しい方向性を考えるきっかけになる
自分の気持ちや現状を客観的に見つめ直すことで、バックレずに問題を解決できる道が見つかるかもしれません。
もうバックレてしまった人がするべきこと
すでにバックレてしまった場合、状況を放置しておくとどんどん悪化する可能性があります。もし、この先も同じ派遣会社で働きたい場合は、適切に対処しなければなりません。
まずは、派遣会社に連絡して謝罪しましょう。感情的にならず、バックレた理由や事情を正直に話してください。その後、損害賠償や未払いの給料の受け取り、それらに必要な手続きなどを確認します。
派遣会社との契約が継続されるかはわかりませんが、派遣先企業への謝罪を申し出るなどして、信頼の回復に努めましょう。
【派遣社員】バックレにはデメリットしかない
派遣社員として働いていると、「バックレたい!」と思うこともあるでしょう。しかしバックレには、家族に連絡が行く、仕事を紹介してもらえなくなるなど、デメリットしかありません。
衝動的に辞めてしまう前に、なぜバックレたいのかを把握し、状況が改善できないか考えてみましょう。派遣会社に相談することで、解決策が見つかることも多いです。
もし、すでにバックレてしまったのなら、早めに派遣会社に連絡して真摯に謝ることが最善策です。