清掃スタッフの仕事に興味があるものの「きつい」「大変」といった意見を目にして、自分にできるか不安を感じている方もいるのではないでしょうか。清掃業は、きついと感じる仕事内容もありますが、専門的な技術を習得したい人にはおすすめの業種です。
そこで今回は、清掃スタッフの仕事がきついと感じる理由と、清掃業の仕事内容を業種別に解説します。向いている人の特徴もまとめているので、あわせてご覧ください。
清掃スタッフがきついと感じる理由
清掃スタッフの仕事は、人によってきついと感じるポイントが異なりますが、主に以下のような理由が多く挙げられます。
- 作業量が多い
- 汚れがひどい場合がある
- 仕事中の会話がない
作業量が多い
現場の規模に関わらず、時間内に清掃を終えなければならないので、作業量が多くきついと感じる人もいます。慣れてしまえば効率的に進められますが、最初のうちは仕事を覚えるだけで苦労することもあるでしょう。
大きな施設では分担して作業をこなす必要がありますが、スタッフが少ない場合は1人に割り当てられる作業量が多くなります。さらに、施設内を歩き回るケースもあるので体力的にきつく感じる人もいるでしょう。
汚れがひどい場合がある
清掃作業は汚れた場所をきれいにする作業だとわかっていても、あまりに汚れがひどい場合には嫌になることもあるでしょう。中には想像もしていなかったような汚れ方をしているケースもあるため、精神的にきついと感じる人も少なくありません。
また、頑固な汚れがなかなか落ちない場合には、一か所に取られる時間が長くなり、ほかに手が回らないといった時間的なストレスを感じることもあります。
仕事中の会話がない
チームで派遣されたとしても同じ場所を何人かで掃除することはなく、基本的に1人で黙々と作業することになります。現場まで移動する車内や作業確認などで同僚と会話することはありますが、作業に入ると会話をしながら進めるようなことはほぼありません。
そのため、人とコミュニケーションをとるのが好き、和気あいあいと働きたいという人はストレスを感じることがあるでしょう。
清掃業の種類
一口に清掃スタッフと言っても、その種類は多岐にわたります。専門的に請け負う企業もあれば、網羅的なサービスを提供している企業もあるため、自分に合った業種を選ぶとよいでしょう。
以下の清掃業の業種について、それぞれの特徴を解説します。
- ハウスクリーニング
- ビル・商業施設
- 病院
- 宿泊施設
- 乗り物
- 特殊清掃
ハウスクリーニング
住宅の清掃を専門的に行うサービスで、キッチンや浴室など、住人が普段あまり十分に掃除できない部分のクリーニングを依頼されることが多い傾向にあります。また、住人が退去したあとの賃貸住宅の清掃を委託されるケースもあり、住宅に関わるさまざまな清掃のプロフェッショナルとして活躍できるでしょう。
実務経験を積めば、国家資格である「ハウスクリーニング技能士」の資格を取得することができるので、キャリアアップも可能です。
ビル・商業施設
オフィスビルやデパート、ショッピングモールなどの商業施設では、ゴミの回収やフロア清掃が主な業務になります。1日の作業時間が「早朝」「日中」「夜間」のように分けられていることが多く、自分に合った時間帯で働けるのがメリットです。
専門資格の「ビルクリーニング技能士1級」は国家資格になるため、収入アップや転職のために取得するのもよいでしょう。
病院
病室や診察室、手術室、トイレなどを、エリアごとに定められた清潔水準に合わせて清掃するのが主な業務内容です。さまざまな人が訪れる病院では、医療廃棄物に関する知識や感染予防が必要になるため、一般的に専門業者が清掃を請け負っています。
病院が外部に業務委託する場合は、病院清掃受託責任者を配置することが定められているので、資格を持っていると優遇されるでしょう。
宿泊施設
旅館やホテルなどの宿泊施設では、客室や館内清掃から、アメニティの補充、ベッドメイキングなど業務内容が多岐にわたります。大きな施設ではチームで作業を分担しますが、小規模な宿泊施設では1人ですべての清掃を担当することもあります。
ほかの清掃現場に比べ、ゴミや汚れが残っているとクレームが発生しやすいため、慎重に作業することが求められるでしょう。また、チェックアウトしてからチェックインを開始する時間までが短いことも考えられるため、効率よくテキパキと作業することが求められます。
乗り物
電車の清掃業務は、在来線、新幹線、寝台列車など、種類によって勤務時間や作業回数が異なります。乗り換え停車中の新幹線では10分程度で清掃を行う必要があるほか、在来線では日中と夜間に分けて車両センター内で車内清掃が行われるのが一般的です。
また、航空機の清掃では、掃除のほかにブランケットやヘッドホンの交換、補充などを行う業務があるなど、乗り物によっても作業内容に違いがあります。
特殊清掃
事件現場、ゴミ屋敷、孤独死などがあった部屋を清掃し、依頼に応じて原状回復させる仕事です。住人が亡くなってから時間が経っている場合、体液やニオイ、害虫の発生などによって、通常のハウスクリーニングでは対応しきれないことがあります。
このようなケースで清掃を依頼されるのが特殊清掃で、害虫駆除や感染対策、消臭、除菌などの専門的な知識や薬剤が必要になります。
清掃スタッフに向いている人
「きつそう」と思われがちな清掃スタッフの仕事ですが、確実に向いている人もいるため、自分に合っていると思ったらぜひ挑戦してみましょう。
きれいにするのが好き
汚れた場所をきれいにすることに快感や達成感を覚える人は、清掃スタッフの仕事に向いています。もともと掃除が好き、掃除のテクニックや道具に興味があるという人も適性があるといえるでしょう。
なかには清掃スタッフの仕事を始めたことで掃除にハマる人もいるため、気になっているならまずは始めてみることをおすすめします。
黙々と働きたい
人と働くのが苦手で、コミュニケーションをとりながら仕事をすることが苦手という人には清掃作業がピッタリです。基本的に1人で作業することになるため、ほかのスタッフとの会話は最低限で済むでしょう。
また、イレギュラーな業務がほとんどないので、決められた作業を黙々とこなせる人に適しています。
健康に自信がある
現場によっては夜間や早朝に作業することがあり、重いものを運ぶケースもあるため、健康に自信がある人に向いています。
また、ひどく汚れる場所を掃除することもあるため、精神的に安定していないと続けられないかもしれません。広い場所を動き回ったり、一か所の汚れが落ちるまで同じ姿勢でいたりすることもあるため、足腰が丈夫だと安心です。
清掃業で働くメリット
清掃スタッフはきついという声が多く聞かれるものの、やりがいがあるといった意見もあります。清掃業には主に以下のようなメリットがあるので、応募前に確認しておきましょう。
- 未経験でも働きやすい
- 掃除のスキルが身につく
未経験でも働きやすい
清掃業はマニュアルがしっかり準備されているほか、研修期間が設けられていることも多いので、未経験でも安心して働けます。最初は覚える内容が多くて大変かもしれませんが、経験を積むごとに効率的に清掃作業が行えるようになるでしょう。
また、清掃に関わる民間または国家資格が数多くあるので、未経験で入ってもスキルアップすることが可能です。
掃除のスキルが身につく
清掃作業では、一般的に知られていない洗剤やテクニックを用いることがあるため、働くなかでさまざまな技術が習得できます。実務経験に応じて取得できる資格もあるので、昇進や昇給、転職を目指すこともできるほか、掃除の知識はプライベートでも役に立つでしょう。
ガラス清掃やエアコンクリーニングなど、特定の分野の専門性を高めることで、独立することも考えられるようになります。
清掃スタッフの仕事に向いていると思ったら応募してみよう
清掃スタッフの仕事は現場によって内容が異なりますが、作業量が多かったり、ひどい汚れがあったりする理由からきついと感じる人もいます。精神的、体力的にきつい仕事内容もありますが、専門的な知識や技術を習得することが可能で、キャリアアップも視野に入れて働ける業種です。
清掃スタッフは未経験でも働きやすいので、掃除が好き、健康に自信があるという人はぜひ応募してみましょう。