「工場勤務はきつい」「工場はデメリットが多そう」と、工場で働くのをためらっていませんか。工場は女性向きではないと思うかもしれませんが、女性が働きやすいポイントがたくさんあります。
この記事では、工場勤務にあたって知っておきたい女性が感じるデメリットのほか、工場で働くメリットについても解説しています。女性に人気の職種もまとめているので、ぜひお仕事探しの参考にしてください。
女性が工場で働くメリット
工場の仕事は男性向き、と思う人もいるでしょうが、工場勤務は意外にも女性が働きやすく、以下のようなメリットもたくさんあります。
- 未経験でも働ける
- 残業が少ない
- 軽作業が多い
未経験でも働ける
工場は、多くの作業がマニュアル化されているため、初心者でも比較的簡単に働き始めることが可能です。専門的な技術が必要になる場合にも、きちんとした教育マニュアルがあるので安心して働け、未経験からでも専門知識やスキルを身につけられます。
学歴や年齢不問の求人も多く、「学歴がない」「ずっと主婦でキャリアがない」という人でも就職しやすい環境になっています。
残業が少ない
工場勤務では、繁忙期やよほど人手不足なときを除けば、ほぼ残業はありません。特に交替制の場合は、終業時間には次のシフトの人が来ているので、時間をオーバーして働くことはほぼないと思ってよいでしょう。
シフトを調整すれば、しっかりと休日を確保することも可能で、ラインの稼働スケジュールによっては大型連休をとれるケースもあります。そのため、仕事だけでなくプライベートの時間も大切にしたいと考えている人にとっては、働きやすい職場環境であるといえます。
軽作業が多い
工場勤務の女性向け求人には、「梱包」「検品」「組み立て」といった軽作業が数多くあり、力のない女性でも働きやすい仕事が豊富です。どれもある程度のスピードや正確さは求められますが、比較的簡単に取り組める作業なのが特徴です。
生産ラインでは班やグループに分かれることがありますが、基本的には一人で作業にあたるので、黙々と仕事に集中できます。パソコン操作や外部とのやり取り、接客対応などはないので、事務仕事が苦手な人からも人気を集めています。
女性が工場で働くデメリット
メリットが多く、職種によっては女性でも働きやすい工場勤務ですが、人によってはデメリットと感じられる部分もあります。
交替勤務の場合は体調管理が大変
工場=交替勤務というわけではありませんが、工場の業種や稼働時間によっては、交替勤務が設けられていることがあります。
夜勤は割増賃金になるほか夜勤手当がつくケースもあり、日勤に比べて稼ぎやすくなる一方、定期的に昼夜逆転するため生活リズムが崩れやすくなるので注意が必要です。交替勤務で働く場合は、体調を崩さないよう「食事に気をつける」「昼間でもしっかり眠れる環境を整える」などの体調管理が重要になるでしょう。
ある程度の体力は必要
工場勤務では立ち仕事が多いうえ、場合によっては重い荷物を運んだり持ち上げたりといった体力を使う作業もあります。業種によって「立ちっぱなし」や「座りっぱなし」の状況になることが多いので、足腰に持病や痛みがある人は、職場環境をよく調べてから働き出した方がよいでしょう。
工場内をたくさん歩き回る業種もあるため、体力がなく疲れやすいという人は、工場勤務がきついと感じるかもしれません。
服装が制限される
多くの場合、工場勤務では作業着が支給され、決められた服装で働くことになります。ネイルやアクセサリーも業務内容によっては禁止されているので、仕事中におしゃれを楽しむのは難しいでしょう。
特に食品や精密機器を扱う工場では、異物混入を防ぐ目的で「メイクも禁止」というケースがあるので、身だしなみにこだわりのある人は慣れるまでストレスに感じるかもしれません。髪型やカラーについては厳しくない職場もありますが、衛生面や安全面の観点から長い髪は結ぶ、キャップに入れ込むよう指示されることがあります。
工場勤務で女性に人気の職種
工場勤務でも女性に人気の仕事は数多くあります。女性が働きやすい職種を見ていきましょう。
組み立て
図面に沿って製品を組み立てる仕事で、車や家電製品といった大きなものから、おもちゃ、機械の部品になる小さなプラスチック製品までさまざまな業種があります。
軽くて扱いやすいプラスチック製品は、力仕事ではないうえに汚れることもないので、女性に人気の仕事です。中には工具を使って組み立てる製品もありますが、マニュアルがあるので初心者でも安心です。
電子部品の組み立てでは、「電子機器組立技師」という国家資格を取得することが可能で、級によってはキャリアアップや昇給につながるでしょう。
検品
検品の仕事は、業種によって仕事内容は異なりますが、大きく「製造現場」か「流通現場」のどちらかの仕事に分けられます。製造現場では、異物混入や不良品のチェック、製品の動作確認などを行い、問題があれば除去することがメイン業務になります。
一方の流通現場では、出荷前の梱包状態のチェックや、入荷した商品の数が伝票と合っているかなどの確認をします。どちらの現場でも正確性が求められるので、丁寧に作業を進められる人が向いています。
食品加工
一口に食品加工といっても、その種類は多岐にわたり業務内容もそれぞれ異なります。代表的な食品加工工場は以下の通りです。
- 食肉加工
- 水産加工
- 弁当・惣菜
- 飲料
- パン・菓子
- 冷凍食品
食肉工場では、畜産物を調理しやすいようにカットしたり、ハムやソーセージなどの加工食品を製造したりしています。
水産物を加工する場合は、魚の下処理を行うことが多いので、魚の匂いが苦手な人には大変な職場かもしれません。
上記の工場はいずれも食品を扱っているので衛生管理に厳しく、身だしなみについて細かく規定が設けられていることがあります。
ピッキング
ピッキングは、倉庫や工場内から指示書に沿って製品や部品を集める仕事です。作業には大きく分けて、以下3つのスタイルがあります。
- シングルピッキング:1つのオーダーに対して商品を集める
- トータルピッキング:複数のオーダーに対して商品を集めてから仕分けを行う
- マルチオーダーピッキング:複数のオーダーに対して商品を集めながら同時に仕分けも行う
職場によって作業内容が異なるほか、工場や倉庫の大きさによっては作業量も変わってきます。広い場所を歩き回る場合は、それなりの体力が必要になりますが、ベルトコンベアで流れてくる製品をピッキングする場合には、あまり体力がなくても問題ないでしょう。
シール貼り
商品のパッケージシールや値札などを付ける仕事で、工場で行う場合には梱包や仕分けも同時に行うケースがあります。基本的には座って行う単純作業なので、年齢・体力を問わず働き始めやすい仕事です。
ただし、シールにシワが寄ったら商品として出荷できないといった厳しい規定がある職場もあるので、丁寧な仕事ができる人に向いています。
工場勤務に向いている女性の特徴
工場勤務は一人で黙々と作業することが多く、集中力を必要とする業務内容が多いので、一つのことに没頭できるタイプの人に向いているでしょう。正確さや効率的な作業にこだわる几帳面で職人気質の人にも適しています。
一方で、周りの人達とコミュニケーションをとる機会が少ないので、賑やか職場で和気あいあいと働きたいという人にはつらい職場環境に感じるかもしれません。
女性の工場勤務はデメリットだけじゃない
工場勤務は、おしゃれができなかったり体力が必要になる場合があったりと、女性にとってデメリットに感じる部分もあります。しかし、残業が少ない、軽作業が多いといったメリットもあります。
夜勤のシフトに入れば割増賃金のほかに夜勤手当がつくケースもあり、働き始めてすぐにでも高給を狙うことが可能です。女性向けの求人には、未経験でも働ける軽作業が豊富なので、工場勤務を考えている人は軽作業に応募してみるとよいでしょう。