大きな荷物や重量のある荷物を運ぶときに活躍するフォークリフト。工場や物流業、土木・建築現場で働く方にとっては身近なものですが、馴染みのない方にはどのような仕事なのかわからない部分も多いと思います。

今回は、フォークリフトを操作して荷物の運搬をするフォークリフトオペレーターについて詳しく解説します。フォークリフトオペレーターに興味のある方はぜひ参考にしてください。

フォークリフトオペレーターってどんな仕事?

フォークリフトオペレーターは、フォークリフトを運転・操作して、フォークで持ち上げた荷物を所定の場所まで運搬するというシンプルな仕事内容です。主に製造業の工場や物流業の倉庫、土木・建築業の作業現場において活躍します。

フォークリフトには、立ったまま運転するタイプと座って操作するタイプの2種類があります。立ったまま操作するリフトを「リーチ式フォークリフト」と呼び、小回りが利くためスペースのない狭い場所で活躍します。

フォークリフトと一言で言っても大きさや機能は様々なものがあり、用途や荷物の重量などによって使い分けます。一般的によく使われている「カウンター式フォークリフト」を使用している現場が多いです。しかし、運搬する荷物の種類によっては複数タイプのフォークリフトを操作することになるかもしれません。

フォークリフトオペレーターになるには?

フォークリフトオペレーターは誰しもがなれるわけではありません。フォークリフトオペレーターになるには、「フォークリフト運転技能講習」を修了しなければいけません。技能講習は各都道府県の労働局に登録した教育機関が実施しています。

フォークリフト運転技能講習は普通自動車免許を持っていない方でも取得することが可能です。しかし、普通自動車免許を持っている人は学科講習が4時間免除されるため、普通自動車免許を持っている方が容易に技能講習を修了できるでしょう。

  普通自動車免許なし 普通自動車免許有り
学科講習 11時間 7時間
実技講習 24時間 24時間
合計 35時間 31時間

講習機関ごとに若干異なりますが、31時間コースでおよそ35,000円~45,000円の費用がかかります。普通の資格と比較すると高い印象を受けますが、職業の幅が広がることを考えると決して高くはないでしょう。

フォークリフトオペレーターに求められる能力

フォークリフトオペレーターになるためには技能講習を修了する必要がありますが、資格以外にも求められる能力があります。

  • 安全で丁寧な運転ができる
  • リスクヘッジができる
  • 決められたルールを守ることができる

安全で丁寧な運転ができる

フォークリフトオペレーターを始めたてのころは、周囲をよく確認してゆっくり丁寧に操作して荷物を運ぶように気を付けている人がほとんどです。しかし、作業に慣れてくると時間短縮のため作業スピードを重視するようになり、荷物の扱いが雑になったり、確認を怠って周囲の固定物と接触したりする恐れがあります。

実際、フォークリフトで起きた災害の原因は、「運転操作ミス」「安全確認・法令順守の怠り」「経験から生まれる慢心」ということがほとんどです。多くの災害が本来防ぐことのできた災害であり、経験を重ねても驕らず丁寧な運転をすることが求められます。

リスクヘッジができる

リスクヘッジとは、「危険を予測し、予期せぬトラブルを避ける対策を図る」ことを意味します。フォークリフトを安全に運転していても、予期せぬトラブルや事故を起こしてしまう可能性があらゆるところに潜んでいます。

工場や倉庫では、人とリフトの作業エリアがしっかり分けられていることが多いです。しかし、何らかの理由でリフト作業エリアに作業者が侵入してくる恐れがあります。そして、作業者が大きな荷物や棚の陰に隠れてしまうと見えなくなります。リフトオペレーターが周りをよく確認していても、作業者が飛び出してくると接触してしまうかもしれません。

その他にも、荷物を運んでいる最中に固定バンドが弛んで荷物のバランスが崩れてしまう、部品から油が漏れてしまうなど、安全に運転していたとしても予期せぬ事態が起きます。そういったときにどのような対処ができるか、そもそも起こさないためにはどのような防止策があるかなど、リスクヘッジをして事故を未然に防ぐことが大切です。

決められたルールを守ることができる

フォークリフトはルールを守って使用しなければ、悲惨な事故を起こす可能性があります。特に、フォークリフトで起きた死亡災害の多くは、本来の使用用途を守らなかったが故に起きてしまった事故がほとんどです。

本来の使用用途とは違う使い方として、フォークリフトのツメの部分に人を載せたり、フォークリフトで持ち上げたパレットの上で人が作業するなどが挙げられます。このような使い方をしていると、高所から作業者が転落してしまう可能性があり、事故に繋がるケースがよくあります。

リフト作業者自身が事故に遭うのではなく、歩行者と接触してしまうケースもあります。荷物を積みすぎて前方が見えない状態で走行してしまう、車両点検を怠り荷物が急に落下して周囲の人に当たってしまうなど要因は様々です。

自身の安全だけでなく、周囲の安全を確保するためにもルールを必ず遵守することが求められます。

フォークリフトオペレーターの魅力

フォークリフトオペレーターとして働くことには様々な魅力があります。

  • 多くの職場で必要とされる
  • 体力に自信がなくても働ける
  • 複雑な作業を覚える必要がない
  • 未経験でも即戦力として働ける

多くの職場で必要とされる

フォークリフトオペレーターは、工場や物流倉庫、土木・建築現場など多くの場所で必要とされています。職場の規模が大きければ大きいほど、多くのフォークリフトオペレーターが必要となり、人材が不足しているといわれています。

実際に、工場などの求人で「フォークリフトが運転できる方歓迎」という内容を記載している企業も多いです。フォークリフトオペレーターとしての就職であれば、他の職種よりも給与が高くなるかもしれません。

体力に自信がなくても働ける

フォークリフトオペレーターは、基本的にフォークリフトの運転だけで1日の勤務を終えるでしょう。フォークリフトを運転するだけであれば、他の職種よりも体力を使わないため、体力に自信がない人でも安心して働くことができます。

特に工場や土木・建築現場への就職を検討している場合、他の仕事内容は多くの体力を必要とするものが多いです。しかし、フォークリフトオペレーターであれば体力をあまり使わない仕事で、工場や土木・建築現場で働くことができます。

体力に自信がないけど工場や土木・建築現場で働きたいと考えている方は、フォークリフトオペレーターの仕事が向いているかもしれません。

複雑な作業を覚える必要がない

フォークリフトオペレーターは他の職種よりも複雑な作業がありません。基本的には講習を通して習得したフォークリフトの正しい操作方法を覚えられれば十分です。

改めて職場に配属されて覚えなければならないのは、特殊な荷物の積み方や職場特有の安全ルールなどで、作業について覚えるようなことはほとんどありません。工場の仕事は難しそうで覚えられる自信が無いという方にとっても、フォークリフトオペレーターの仕事は魅力的です。

未経験でも即戦力として働ける

フォークリフトオペレーターは、基本的にフォークリフトの操作ができれば仕事ができる状態なので、経験の有無を問わないことが多いです。先述したように、フォークリフトオペレーターの人材が不足しているため、経験者でなければ活躍できないといったこともほとんどないでしょう。

異業種から工場や物流業、土木・建築業へ転職を考えていて、経験がないから不安という方は、フォークリフト運転技能講習を修了してから応募してみてはいかがでしょうか。

フォークリフトオペレーターの給与や将来性

フォークリフトオペレーターとして働く前に、どれくらいの年収が目指せるのか、将来性はどうか気になりますよね。本章では、フォークリフトオペレーターの平均年収と将来性を解説します。

平均年収

株式会社カカクコムが運営する「求人ボックス」の情報によると、フォークリフトオペレーターの平均年収は413万円というデータがあります。国内100職種中32位というデータもあることから、比較的上位にランクインしている職業といえます。

フォークリフトオペレーターの魅力でも紹介したとおり、多くの現場で必要とされていますが人材が不足しているため、優遇している企業も多いです。有資格者でなければ就くことのできない仕事なので、貴重な人材として活躍できるでしょう。

将来性

近年、ITやロボットの発達により、多くの職業がその将来を危惧されています。では、フォークリフトオペレーターの将来性はどうなのでしょうか。

繰り返しにはなりますが、フォークリフトオペレーターの仕事は多くの現場で必要されており、重宝される人材です。物流倉庫などでは、自動搬送ロボットが導入されているような場所もありますが、急速にそのような現場が増えることはないでしょう。

ロボットだけでは対応できないイレギュラーが発生したり、結局人でなければできない状況も多く想定されるため、ロボットによる完全自動化という状態は難しいといえます。

それどころか、インターネット通販の普及率が高まっていることにより、しばらくの間は需要の高い職種として社会から必要とされるでしょう。今後もITやロボットの進化により需要の変化を予測することが難しい時代ではありますが、フォークリフトオペレーターの仕事は将来性があるといえます。

フォークリフトオペレーターの注意点

フォークリフトオペレーターとして働く前に、押さえておきたい注意点があります。

  • 正しい使い方をしないと災害を発生させる
  • 暑さや寒さに耐える必要がある

正しい使い方をしないと災害を発生させる

フォークリフトオペレーターに求められる能力でも説明しましたが、フォークリフトを操作していると様々な災害に巻き込まれる可能性があります。多くの場合、正しい使い方をしていれば防ぐことができますが、経験による慢心や集中力不足による操作ミスなどで、危険な目に遭ってしまう可能性は否定できません。

特に、仕事に慣れ始めてきたころが危険です。本人が気付かないようなわずかな油断が大きな事故に繋がってしまうことがあります。経験を重ねても驕ることなく、安全第一で丁寧な運転を心がけることが大切です。

暑さや寒さに耐える必要がある

フォークリフトは通常の車両と違い、ドアなどの仕切りがありません。空調がついているフォークリフトもありますが、仕切りがないためあまり効果を発揮しないでしょう。

フォークリフトの作業環境は作業場の気温に左右されます。空調の効いた屋内での作業であれば、ある程度快適な環境で作業できます。しかし、屋外や空調の効いていない屋内での作業は、夏は暑く冬は寒い環境で作業しなければいけません。

フォークリフトオペレーターとして活躍しよう

フォークリフトオペレーターの仕事について詳しく解説してきました。専門的な資格を有していなければ就くことのできないフォークリフトオペレーターは、多くの現場で必要とされている貴重な仕事です。

フォークリフトオペレーターの仕事に興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてフォークリフトオペレーターを目指してみてはいかがでしょうか。