正社員登用制度を活用するにあたって、「どんな人が落ちる?」「どんな対策をすればいい?」と悩んでいる人もいることでしょう。
そこで今回は、正社員登用制度に落ちる人の特徴を解説するとともに、正社員を目指す人が意識したいポイントをお伝えしていきます。面接・試験対策にも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
正社員登用制度とは

正社員登用制度とは、以下のように非正規雇用として働いている人が、企業の定める基準を満たすことで正社員に転換される仕組みを指します。
- 契約社員
- 派遣社員
- パート・アルバイト など、
この制度は働き手にとって、安定した雇用や福利厚生の拡充、昇給・昇進のチャンスなどを得られる大きなメリットがあります。企業側にとっても、業務経験を積んでいる人材を長期的な戦力として確保できる利点があります。
登用のタイミングや条件は企業によって異なりますが、勤続年数や勤務態度、スキル評価、リーダーシップの有無などが判断材料となることが一般的です。
正社員登用制度に落ちる人の特徴

正社員登用制度を活用しても、面接や試験で落ちることはあります。以下、正社員登用制度に落ちる人の特徴を見ていきましょう。
勤務態度に問題がある
正社員登用を目指すうえで、普段の勤務態度は重要な判断材料です。遅刻や欠勤が多い、指示を無視する、報連相ができないといった場合、受かる可能性は低いでしょう。
仕事のスキルが一定水準にあっても、社会人としての基本的な姿勢に問題があれば、企業はリスクがあると判断します。上司や同僚との関係がギクシャクしている場合もマイナス評価になるなど、日頃の態度こそが最大の選考基準といえるでしょう。
意欲が伝わらない
正社員への登用を検討する際は、本人の意欲や熱意が重視されます。仕事を淡々とこなしていても、「この仕事を続けたい」「この会社で成長していきたい」という意思が伝わらなければ、企業側は登用に慎重になるでしょう。
上司からのフィードバックに無関心だったり、新しい業務への挑戦を避ける態度を見せていたりすると、長期的な貢献が見込めないと判断されかねません。反対に、わからないことを積極的に学ぼうとする姿勢や、自分から改善提案をするなどの行動が見られると、意欲のある人材として高く評価されます。
主体性が低い
正社員に求められる資質の一つが、主体性です。指示されたことしかやらない、ミスに気づいても報告しないというような受け身の姿勢では、企業は将来性を感じないでしょう。
非正規雇用のうちは最低限の業務をこなせばよい場面が多いですが、正社員になれば、チームをリードしたり、業務改善に取り組んだりといった積極的な姿勢が求められます。
そのため、自発的な行動が少ない人や、責任感、当事者意識が希薄な人は、登用対象から外れやすくなります。
面接対策ができていない
正社員登用では面接を実施する企業が多く、その際の受け答えが不十分だと、それまでの評価が下がることがあります。たとえ業務に慣れていても、自己PRや志望動機が曖昧で、会社への理解が浅いままだと、「本当に正社員になりたいのか?」と疑念を持たれかねません。
面接は単なる形式ではなく、企業に対して自分の成長意欲や貢献意識をアピールする場です。事前に想定質問への答えを準備する、職場の先輩に模擬面接を頼むなど、しっかりと対策を取ることが登用成功のカギになります。
やっておきたい面接・試験対策

何の準備もせずに面接や試験に臨んだ場合は、落ちる可能性が高いでしょう。正社員に登用されるためには、事前準備が大切です。
志望動機は明確に
面接で必ずといっていいほど聞かれるのが、志望動機です。ここで求められているのは、ただ「働きたいから」のような回答ではなく、「なぜ正社員になりたいのか」「どのように貢献できるか」という点です。
あまりに曖昧な回答や無難な言葉では熱意が伝わらず、選考から外される可能性が高まります。次のようなポイントを押さえ、自分の言葉で語れるよう準備しましょう。
- これまでの勤務で得た経験
- なぜ今正社員を目指すのか
- 今後どう成長していきたいのか
具体的なエピソードを交えて話すことで、説得力と信頼感が高まります。企業理念や業務内容に共感している点などを盛り込み、企業研究をしている姿勢もアピールするのも有効です。
試験対策も忘れない
面接だけでなく、筆記試験や適性検査を実施する企業も多いため、事前の試験対策も忘れずに行いましょう。正社員登用制度では、業務に必要な基礎的な国語、論理的思考などを問うような一般常識テストや性格診断、適性検査などを実施するケースがあります。
まずは試験があるかどうかを確認し、内容に合わせて勉強しておくと安心です。とくにSPIなどの汎用的な試験形式の場合は、市販の参考書で十分に準備できます。
正社員を目指す人が意識したいポイント

正社員を目指す人は、日頃から次のようなことを意識して業務に取り組む必要があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
人間関係を大切にする
正社員を目指すうえで、社内における人間関係の構築は重要です。どれほど仕事ができても、周囲と協力できない人は組織にとって扱いにくい存在と判断されかねません。
とくにチームで働く現場では、報告・連絡・相談といった基本的なコミュニケーションはもちろん、同僚や上司との信頼関係が業務のスムーズな進行に直結します。困っている人を手伝う、挨拶や返事をしっかりするといった小さな行動が、正社員登用の推薦につながるケースもあります。
明確に意思表示する
登用制度があるからといって誰でも正社員になれるわけではなく、企業は意欲のある人を見極めたいと考えています。正社員になりたいと思っていても、黙って働いているだけでは「今の雇用形態に満足している」と判断され、チャンスを逃してしまうでしょう。
正社員を目指しているのであれば、面談や上司との日常会話の中などで、その思いを言葉にして伝えなければなりません。周囲に意思表示をすることで正社員登用の情報が集まったり、協力を得やすくなったりするケースも考えられます。
前向きに取り組む
正社員登用を目指す場合、ただ言われたことをこなすのではなく、業務に対して前向きな視点を持って積極的に取り組むことが求められます。ミスや失敗があったときには、その経験を次に活かそうとする前向きさが、成長意欲として評価されるでしょう。
企業は正社員として将来的に会社を支えてくれる人材を求めているため、課題にもポジティブに向き合う姿勢が大きなアピールポイントになります。
成果を上げる
目に見える成果を上げることは、強力なアピール材料になります。ただ黙々と作業をしているだけでは周囲との差別化が難しく、登用の対象になりにくいです。
成果というと営業成績のように思うかもしれませんが、以下のようなことも成果の一例です。
- 作業効率を上げる
- ミスを減らす工夫をする
- 他のスタッフをサポートしてチーム全体の生産性を高める
日々の業務で自分がどんな工夫をしてどのような結果につながったのかを記録し、面談などの機会に共有することで、正当に評価されやすくなるでしょう。
専門性を高める
正社員として企業に長く貢献していくには、特定の分野での専門性を高めることが大切です。物流業界であればフォークリフトの資格取得や在庫管理の知識、事務職であればパソコン・独自システムの操作スキルなどが挙げられます。
こうしたスキルがあれば現場で即戦力とみなされ、将来的に後輩指導やチームリーダーなど、より責任あるポジションを任される可能性も高まります。自主的に勉強したり資格を取得したりして、正社員登用のチャンスを引き寄せましょう。
正社員登用制度を活用しよう
非正規雇用で働いていても、制度を活用することで正社員になることが可能です。しかし、正社員登用制度を活用しても、必ず正社員になれるわけではありません。
会社にとって有益な人材であると判断されなければ登用は難しく、成果や意欲をしっかりアピールする必要があります。普段の勤務態度も重要な判断基準になるため、前向きな姿勢で業務に取り組みましょう。