正社員登用制度を活用したいものの、試験が難しいと聞いて不安を感じている人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、正社員登用にあたって行われる面接や試験について解説していきます。受かる人・落ちる人の特徴もまとめているので、最後までチェックして、試験対策を行ってください。
試験もある!正社員登用制度とは

正社員登用制度は、非正規で働いている人が、企業ごとの条件を満たすことで正社員に登用される仕組みです。まずは、その目的と条件を確認しておきましょう。
制度の目的
正社員登用制度の目的は、企業が信頼できる人材を長期的に確保し、組織運営の安定や成長につなげることにあります。非正規社員として一定期間働く中で、その人の勤務態度、スキル、協調性などを見極め、試験などを経て正社員として登用します。
これにより、企業側は実際の働きぶりを見てから採用することができるので、ミスマッチのリスクを減らせるのがメリットです。一方、働く側にとっても、日々の努力や実績が評価される道が用意されるため、仕事に対するモチベーションが高まるという利点があります。
登用の条件
正社員に登用されるためには、企業ごとに設定された条件を満たす必要があります。代表的な条件として、以下のようなものが挙げられます。
- 勤続年数
- 出勤率の高さ
- 業務における評価
- 意欲や勤務態度
このほか、企業によっては、上司からの推薦や特定の業務スキルの習得が前提になっている場合もあります。また、登用にあたって面接や筆記試験・適性検査などが実施されるケースもあり、それらの受け答えや試験結果も総合的に判断されるのが一般的です。
難しい?正社員登用試験で行われること

正社員登用試験は、難しいといわれることもありますが、その難易度は企業によって大きく異なります。ここでは、主に正社員登用試験で行われる試験や面接の内容を解説します。
書類選考
書類選考は、正社員登用試験の第一段階として行われることが多いです。ここでは、履歴書や職務経歴書、申請書などを提出しますが、多くの場合、業務経験、スキル、志望理由も記載します。
形式的なものと思われがちですが、企業にとっては、その人がどのように仕事に取り組んできたか、今後についてどう考えているかを判断する大切な資料になります。
非正規として働いてきた期間に何を学び、どのような姿勢で取り組んできたかをアピールしましょう。誤字脱字にも注意し、丁寧な書類作成を心がけてください
面接
正社員登用の選考では、面接が最も重要なステップです。ここでは、主に以下の点についてチェックされます。
- 長く働いてくれそうか
- 組織の一員としてふさわしいか
- 成長意欲があるか など
業務の知識や仕事ぶりも重視されますが、それ以上に、人柄、考え方、将来のビジョンなどが問われるでしょう。また、面接の中では、「なぜ正社員を目指しているのか」「今後どんな役割を担いたいか」など、自己理解が深まっていないと答えにくい質問をされることもあります。
準備不足で臨むと、意欲が伝わらず、自分の強みをうまくアピールできないまま終わってしまうかもしれません。事前に話す内容を整理し、可能であれば模擬面接などで練習しておくと安心です。
筆記試験
筆記試験が行われる場合、その内容は企業によって異なりますが、一般常識や基礎学力、SPIテスト形式で出題されることが多いです。これらは、業務に直接関わる知識だけでなく、社会人としての基礎力、問題解決能力が試されます。
企業によっては、性格適性検査や、簡単な小論文、文章読解などを出す場合もあります。いずれも難易度はそれほど高くない傾向にありますが、試験慣れしていない人は時間配分や形式に戸惑うこともあるので、対策本や過去問を使って事前に練習しておくのがおすすめです。
正社員登用試験で受かる人の特徴

正社員に登用される人は、普段から評価が高い、意欲的といった特徴があります。以下、それぞれ詳しく見ていきましょう。
実績がある
正社員登用試験に合格する人の多くは、普段の業務で実績を残している人です。ここでいう実績とは、販売成績や作業量の多さだけでなく、仕事の品質、改善提案やチームへの貢献度など、総合的な成果を指します。
たとえば、次のような事例があれば、企業にとって信頼できる人材といえるでしょう。
- ミスゼロを継続している
- 繁忙期のリーダー的役割を担った
- 新人育成を任された など
このように、日頃から仕事の質と成果を意識して取り組むことが、正社員登用への近道になります。
良好な人間関係を築いている
企業が正社員を選ぶ際に重視するのは、その人と一緒に働き続けたいと思えるかどうかです。そのため、周囲との人間関係が良好な人は、それだけで優位になります。
たとえば、誰とでも円滑にコミュニケーションが取れる、困っている同僚を自然に手伝えるといった姿勢は、評価が高くなります。一方、仕事の能力が高くても、協調性がなければ正社員としての適正を疑問視されるでしょう。
職場での信頼関係は、一朝一夕で築けるものではないため、日々の積み重ねがそのまま選考結果に反映されやすいです。
正社員になりたいという意志が伝わる
「正社員になりたい!」という気持ちが伝わらなければ、企業側は登用対象として考えにくいものです。言葉だけでなく、自ら目標を立てて動いている、新しい業務にも前向きに取り組むとなど、周囲にも意欲があることをアピールしましょう。
企業は、意欲がある人材に投資したいと考えているため、言葉と行動の両方でその熱意を示せる人が、合格しやすくなります。
【要注意】落ちる可能性が高いのはこんな人

正社員登用制度では、希望したからといって、すべての人が正社員になれるわけではありません。落ちる人の特徴も把握し、対策する必要があります。
勤務態度が悪い
正社員登用にあたって、普段の勤務態度は重要視されます。たとえば、次のような態度では、正社員に登用されるのは難しいでしょう。
- 遅刻や無断欠勤が多い
- 挨拶や報告をしない
- 指示に従わない
- 人間関係のトラブルが多い
正社員になれば、周囲と協調しながらチーム全体を支える役割が求められます。そのため、やる気のない態度、手抜き、愚痴や不満などが目立つと、責任のある仕事を任せられないと判断されかねません。
明らかなスキル不足
基本的な作業ができない、いつまでも操作が覚えられないなど、スキル不足の状態では、正社員として任せられる仕事が見つけられません。非正規雇用のときには、サポートを受けながら働ける場面もありますが、正社員になると責任を負う場面が増えます。
たとえば、正確な入力業務やシステムの操作、補佐業務などがこなせない場合、登用後に問題が起きるリスクが高いため、慎重に判断されるでしょう。
業務を理解し、自ら動けるレベルのスキルを身につけておくことが登用への最低条件といえます。
面接での受け答えがあやふや
面接は、本人の意欲や価値観、今後の展望を伝える重要な機会です。ここでの受け答えが曖昧だったり、自信がなかったりすると、企業側に不安と疑問を抱かせてしまいます。
また、話し方が消極的すぎると、積極性に欠けると見なされる場合もあるため、練習をして、自分の思いや考えをしっかり伝えられるようにしておきましょう。
たとえば、「なぜ正社員になりたいのか?」という質問に対して、漠然と「安定したいから」とだけ答えるのでは不十分です。これまでの経験や、自分なりに努力してきたこと、将来どう貢献したいかなど、具体的に語れる準備が必要です。
正社員登用のために試験対策をしよう
正社員登用制度では、多くの場合、面接と試験が実施されます。難易度は企業によって異なりますが、何の対策もしないで臨めば落ちる可能性が高いです。
また、普段から勤務態度に問題がある、スキル不足といった場合にも採用は難しくなるでしょう。しっかり面接・試験対策に取り組むほか、普段から会社に信頼されるような働き方をすることが大切です。