夜勤で働いてみたいと思っていても、「きつそう」「自分には向いていないかも」と不安に感じ、一歩踏み出せずにいませんか。夜勤に限らず、自分のライフスタイルに合っていない仕事はきついと感じてしまい、長く勤めることは困難でしょう。

この記事では、夜勤の仕事のメリットとデメリット、夜勤に向いている人の特徴をまとめています。夜勤の働き方のコツも解説しているので、ぜひお仕事選びの参考にしてください。

夜勤がある仕事のメリット4選

夜勤は「大変そう」というイメージを持たれがちですが、深夜に働く利点も多くあります。以下の4点が夜勤で働くメリットといえます。

  • 給料が高い
  • 通勤・帰宅ラッシュがない
  • 日中に比べて忙しくない
  • 日勤より人が少ない

給料が高い

労働基準法で定められている深夜労働の時間帯は「午後10時から午前5時まで」で、会社は25%以上の割増賃金を支払わなければならないため、日勤より給料が高くなります。さらに、深夜労働に当たる時間帯に残業をすれば時間外の割増賃金も加算されるため、該当の残業時間には合わせて50%が上乗せされます。

会社によっては別途「夜勤手当」が支給されるケースがありますが、任意なので支払われないこともあることを知っておきましょう。求人では、「夜勤手当」と「深夜労働の割増賃金」が混同して掲載されている場合があるので注意が必要です。

参考:労働基準法第三十七条

通勤・帰宅ラッシュがない

夜勤は、通勤・帰宅ラッシュが避けられることも大きなメリットです。多くの場合で下記のように勤務時間が分けられており、夜勤の通勤時間帯は道も電車もあまり混雑していません。

  • 二交代制:(例)日勤8:00-17:00、夜勤20:00-5:00、17:00-8:00 など
  • 三交代制:(例)日勤8:00-16:00、準夜勤15:00-24:00、夜勤23:00-8:00 など

帰宅が朝の通勤ラッシュの時間と重なっても、逆方向に移動するため満員電車や渋滞のストレスは少ないでしょう。

日中に比べて忙しくない

コールセンターやコンビニ、ホテルといったサービス業は深夜の利用者が少ないため、日中と比較すると忙しくない傾向があります。業務内容によっては、何もすることがない時間が発生するケースもあり、本を読んだり仮眠をとったりと、自分の好きなことをして過ごすことも可能です。

病院や介護施設では日勤より忙しくなることもありますが、入浴介助や機能訓練などがない分、体力的には楽だと感じるかもしれません。

日勤より人が少ない

夜勤は、日勤に比べて割り振られる人員が少ないケースがほとんどで、その分作業内容も少なく設定されています。人数が少なくなるので、大勢でのコミュニケーションが苦手な人にとっては大きなメリットといえるでしょう。

シフト制であれば、良好な関係を築けていない人と毎日顔を合わせることがないので、人間関係のストレスが軽減されます。ただし、トラブルが起きた際には少ない人数で対応しなければならないため、日勤以上に大変になることも考えられます。

夜勤の仕事のデメリット

夜勤には多くのメリットがある一方で、下記のようなデメリットも存在します。

  • 生活リズムが崩れる
  • 家族や友人との予定が合わない
  • 体調管理が難しい

夜勤専従であればある程度生活リズムが安定しますが、シフト制の場合は生活リズムが崩れやすく、睡眠や食生活が乱れてしまうこともあります。また、家族や友人が起きている時間には寝ているため、予定を合わせるのが困難なケースが多いです。プライベートの人間関係を大切にしたい人にとっては勤務時間がデメリットになるでしょう。

生活リズムが崩れることで体調管理が難しくなるうえ、「日光に当たらない」「睡眠不足」などの理由により、何らかの体調不良を引き起こすリスクがあります。夜勤で働くためには、デメリットをよく理解し、それぞれに対策を講じる必要があるでしょう。

夜勤の働き方のコツ

夜勤を始める際には、体調を崩さないよう、ライフスタイルの変化に対応できる準備をしておきましょう。以下のような夜勤の働き方のコツを抑え、体調不良に陥らないように気をつけてください。

  • 日中眠れる環境を作る
  • 夜勤前の仮眠と食事に注意する
  • 目を覚ます方法を知っておく

日中眠れる環境を作る

夜勤の仕事では、日中いかに良質な睡眠がとれるかが重要になります。下の例を参考に、睡眠環境を整えましょう。

  • 室内環境を整える
  • 防音対策をする
  • 睡眠前の入浴に気をつける

遮光カーテンを使用したり、温度や湿度を快適な状態に設定したりして、よく眠れる室内環境を整えるとよいでしょう。

日中の睡眠では周囲の音で眠れないということがあるため、「耳栓」や「安眠ドーム」のような睡眠グッズを活用するなどの工夫をしましょう。「防音カーテン」や「遮音パネル」などを活用することもおすすめです。

睡眠前に42℃以上の熱いお風呂に入ると、交感神経が活発になって眠れなくなります。リラックス効果を高めるため、湯船に浸かる際には38〜40℃のぬるめの温度に設定しましょう。

夜勤前の仮眠と食事に注意する

夜勤前に仮眠をとるのは効果的です。睡眠サイクルに合わせて90分ほどの仮眠をとるとスッキリ目覚められるでしょう。時間が十分確保できない場合は、15分〜30分程度でも構いません。

仮眠の直前に食事をとると、胃腸に負担がかかり疲労の原因になることもあるため、食事と仮眠の間は1時間〜3時間程度空けるのがおすすめです。仮眠前は消化のよい食事を心掛け、カフェインは摂らないようにしましょう。

目を覚ます方法を知っておく

夜勤中、眠気に襲われたときに目を覚ます方法を知っておくと、心身ともに楽になれるので、自分に合った方法を見つけましょう。

  • カフェインを摂取する
  • ストレッチをする
  • ガムを噛む
  • 歯磨きや洗顔をする
  • 目薬を点す
  • ツボを押す

コーヒーやカフェイン入りのドリンクは、目を覚ます方法として効果的ですが、摂取しすぎると体調不良を引き起こすため、用量を守り上手に活用してください。軽く体を動かすだけでもスッキリするので、作業の合間や休憩中などに適度にストレッチをするのもおすすめです。

夜勤がある仕事に向いている人

どんな勤務形態にも向き不向きがあり、夜勤も例外ではありません。心身ともに大変な思いをしないよう、自身が夜勤に向いているかを知っておくことが大切です。

夜勤がある仕事に向いている人の特徴は、以下の3点が挙げられます。

  • 夜型の生活をしている
  • 体調管理が得意である
  • 体力に自信がある

夜型の生活をしている

「いつも朝方まで起きていて昼間は寝ている」といったように、もともと夜型の生活をしている人は、夜勤もそれほどつらくないでしょう。「日中よりも夜に頭が働く」「夜に集中力が高まる」といった体質の人は、夜勤の仕事に向いているといえます。

日勤と夜勤が両方ある勤務形態では、生活リズムが定まらず体調を崩す可能性もあるため、夜型の人は夜勤専門で働くことを考えてみてもよいでしょう。ただし、18歳未満は夜勤のみの勤務はできないので注意が必要です。

体調管理が得意である

夜勤は、本来人間が寝ている夜に働くため自律神経が乱れやすく、体調を崩しがちです。そのため、以下のように体調管理ができる人は夜勤に向いています。

  • 生活リズムを崩さない
  • 質のよい睡眠を維持できる
  • 栄養バランスのとれた食事ができる
  • ストレス発散方法がある

「決まった時間に起きる」「ルーティンワークを欠かさない」など、生活リズムを崩さない工夫や質のよい睡眠、食事を確保することが重要になります。

体力に自信がある

同じ仕事内容でも、体力がある人とない人では疲れ方が違います。夜勤は日勤以上に疲れやすいため、力仕事の有無に関わらず、体力がない人には向いていないでしょう。

一方で、「風邪をひきにくい」「スポーツをしていて持久力がある」といった、体力に自信があるという人は夜勤向きであるといえます。夜勤ありの求人に応募をする際にも、体力があることはよい自己PRになります。

夜勤の仕事をしてみよう!

夜勤には「給料が高い」「通勤ラッシュを避けられる」といったメリットがあるほか、少ない人数で業務にあたるため、大勢でのコミュニケーションが苦手な人にも向いています。一方で「体調管理が難しい」「家族や友人と予定が合わない」などの難点もあるので、夜勤が自分のライフスタイルに適しているのか、しっかり検討するとよいでしょう。

夜型の生活スタイルの人や、体力に自信があって体調管理も得意な人は、夜勤に向いているといえます。ぜひ夜勤に挑戦してみてください。